駒ケ根市は5日に開いた市議会全員協議会で、中沢にある旧簡易水道の5地区8水源について、昨年3月施行の県豊かな水資源の保全に関する条例に基づき、土地取引の事前届出制の対象となる「水資源保全地域」の指定を目指す方針を明らかにした。併せて県水環境保全条例による「水道水源保全地区」指定の申請も行い、指定地区内での開発行為も制限する考え。市上下水道課は「森林の持つ水源かん養能力を維持・増進し、水資源の保全に努めたい」としている。
豊かな水資源の保全に関する条例は目的不明な土地取引による地下水への影響が懸念される中、指定した水源地域の土地取引を事前届出制によって把握し、監視、指導する制度。保全地域は市町村長からの申し出を県環境審議会で審査し、県知事が指定する。
市は今年度、吉瀬、大曽倉、中山、中曽倉、上割の5地区にある8水源(地表水)の取水地点と集水区域(計約37万平方メートル)を水資源保全地域として申請する計画。併せてゴルフ場や廃棄物最終処分場などの開発行為に際して、知事協議を要件とする水道水源保全地区の指定も目指す。
市は今月中に地権者説明会を開き、県に指定を申請する方針。今後、第2弾として太田切川上流での指定も計画しており、隣接する宮田村と協議しながら検討を進める。
県水大気環境課によると、制度創設後、水資源保全地域の指定を受けたのは南佐久郡小海町のみ。現在、いくつかの市町村で申請に向けた検討が行われているという。