2015年度から始まる子育て支援の新制度が26日固まった。パートで働く親が3歳以上の子どもを預ける場合の月額利用料は、世帯年収が500万円程度なら月4万900円までで収まる。公費補助がない認可外の保育所を使う場合よりも、利用者の負担は割安になる。
一定のサービスの水準を確保した保育施設も増え、利用者の選択肢が広がる。
保育関係の事業者団体や有識者などを集めた「子ども・子育て会議」を26日に開き、保育サービスにかかるお金についての政府案を示した。年末の予算編成を経て確定するが、政府案を前提に6月以降、地方自治体や事業者の準備が加速する。
保育の費用は、国と地方自治体の補助金と利用者が払う保育料で賄う。現行の負担割合は「およそ半々」(厚生労働省)。新制度では消費税増収分を17年度時点で7千億円投じ、保育の受け皿を増やすとともに保育士の数や設備などサービスを充実。公費負担を増やす一方、利用者負担はほぼ変わらないようにする。
新制度は、正社員としてフルタイムで働く人も、パートタイムで働く人も、保育所を利用できるようにした。ただ、保育所を利用できる時間は、フルタイムで働く場合は最大11時間、パート勤務の場合は最大8時間になっている。
新制度では保育所並みにサービスを引き上げた「小規模保育(ミニ保育所)」など新たな認可施設が使える。保育所と幼稚園の機能を兼ね備えた「認定こども園」の数も増えそう。NPO法人の全国認定こども園協会では、会員施設数は4月の400から6月には500を超える見込みと急増している。
ただ、これまで自治体が独自に補助してきた一部地域では、「国からの補助が増えるのを機に、逆に独自の補助を減らす動きがある」(保育所関係者)。十分な財源や保育士の確保などの課題は山積みだ。
保育、厚生労働省、保育所、子育て支援