【パリ=竹内康雄】フランス統一地方選の第2回投票が30日実施され、オランド大統領が属する社会党は各地で大幅に議席を減らし、野党の右派系政党が勢力を伸ばした。欧州債務危機の影響で高止まりする失業率などに国民の不満は強まっており、極右政党も躍進。オランド政権の不人気ぶりを映すとともに、5月の欧州議会選挙で躍進を狙う極右を勢いづかせる結果となった。
今回は2012年の大統領選以降で初めての全国規模の選挙となった。エロー首相は30日夜、「有権者のメッセージは明確だった」と敗北を認めた。右派の国民運動連合(UMP)のコペ党首は「大統領はこの結果を受け入れ、直ちに政策を修正しなければならない」と訴えた。
30日夜のバルス内相の発表によると、社会党など左派連合の得票率は約41%、UMPを中心とする右派は約46%だった。左派は155の自治体(人口9000人以上)で与党の座を失った。
極右政党の国民戦線(FN)の得票率は約7%で、2008年の前回選挙の約0.3%から大きく躍進した。失業や移民の問題に対する国民の不満の受け皿となった。
FNのルペン党首は今回の選挙の勢いを5月下旬の欧州議会選挙につなげる考えだ。他国の極右政党と連携し、移民受け入れや欧州統合に反対する姿勢を鮮明にする。
今回の敗北を機に、オランド大統領は自らの求心力を高めるため、内閣改造に踏み切るとの観測が強まっている。エロー首相を交代させ、国民に人気の高いファビウス外相やバルス内相らが新首相に就くとの見方もある。
首都パリでは左派が与党の座を維持した。ドラノエ市長の後継としてアンヌ・イダルゴ氏が初の女性市長となるのが確実視されている。
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