大阪市は12日、生活保護費の受給者の親族に市職員がいる場合、受給者への仕送りを職員に求めていく方針を発表した。金額についても独自の目安を定めた。橋下徹市長は「職員には自分の家庭もあるだろうが、節約して親族をサポートしてもらう」と述べた。

 大阪市は昨年、市内の生活保護受給者11万8千世帯を対象に親族の勤務先などを調べ、市職員156人が含まれていることを確認した。そのうち、仕送りをしていたのは13人だった。今後は受給者の了解を得たうえで、受給者を扶養する能力と意思がある職員に対し、仕送りを求める。ただし強制はしないという。

 金額の目安は、職員の親が受給者の場合、最高で月6万1千円。職員と離婚した元妻の母子家庭が受給者の場合、年収630万円の職員なら月額6万~10万円、年収1千万円なら10万~14万円。仕送り額を引いた生活保護費を支給する。

 今月成立した改正生活保護法では、生活保護の申請者の親族が扶養できるとみられるのに応じない場合、自治体が親族に説明を求めることができる。来年7月の施行後、市は職員以外の親族にも今回の目安に基づいて仕送りを打診する。

 担当者は「あくまでも仕送りが可能な場合の目安であって、仕送りを生活保護の受給条件にはしない」と説明している。