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政治
【酒井充の政界××話】欺瞞とご都合主義に満ちた特定秘密保護法への批判
日本の国会は会期制をとっている。日本国憲法に明記はされていないが、会期制を前提としているのが通説だ。決められた会期内に必要な法律を成立させるのが政府・与党の仕事となる。「なぜ急ぐのか」との理由でいつまでも実現できていないのが憲法改正だ。そんなに慎重な議論が必要ならば、憲法を改正して会期制を改め、明確に「通年国会」として延々と議論すればいい。
衆院国家安全保障特別委員会が11月25日に福島市で地方公聴会を行い、公述人7人全員が特定秘密保護法案に反対・慎重意見だったのに、翌26日に採決したことへの批判が出た。
公聴会の開催は、予算案の審議では国会法で義務づけられている。だが、一般的な法案では、そもそもめったに公聴会が開かれない。公聴会を開いただけでも与党は丁寧な運営を行ったことになる。
これまで公聴会自体がまともに報じられることも少なかった。さすがに公聴会翌日に予算案採決というのは記憶にないが、公聴会後に間もなく採決というのは、国会の慣例になっている。つまり「公聴会が形式的だ」と反対派が批判するならば、予算案の公聴会が形式的なことも問題視すべきだろうに、そういう批判はあまり聞いたことがない。
朝日新聞は「権力を監視する」との自負が強いようだ。何を根拠に言っているのか不明だが、「監視されない権力は必ず暴走する」と断言する記事もあった。とにかく政治は悪いことをすると決めつけている。
高潔な使命感を持つ朝日新聞の足下にも及ばないが、私も「権力を監視」したいと考えている。無駄を削減して16兆円を捻出すると約束しながら実現できないとか、あてもなく米軍普天間飛行場を沖縄県外に移設すると公約して実現できなかったり、領海侵犯の外国漁船が故意に海上保安庁の船に衝突してきても、相手国に配慮して船長を罪に問わないといった政治が二度と行われないように。日本の独立と平和、国民の生命と財産をしっかり守る権力なのかどうかを。
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