政治【酒井充の政界××話】欺瞞とご都合主義に満ちた特定秘密保護法への批判+(1/5ページ)(2013.12.8 18:00

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【酒井充の政界××話】
欺瞞とご都合主義に満ちた特定秘密保護法への批判

2013.12.8 18:00 (1/5ページ)酒井充の政界××話
参院本会議で特定秘密保護法が採決され、自民、公明両党の賛成多数で可決、成立。拍手する与党の議員=6日夜、国会・参院本会議場(酒巻俊介撮影)

参院本会議で特定秘密保護法が採決され、自民、公明両党の賛成多数で可決、成立。拍手する与党の議員=6日夜、国会・参院本会議場(酒巻俊介撮影)

 12月初旬のある日の夕刻。首相官邸を道路1本挟んだ反対側の歩道で、20歳前後と見られる男女4、5人が、なにやら叫んでいた。

 「おい、安倍晋三! おれたちの話を聞け!」

 のっけから表現が穏やかでない。一国の首相に対する敬意はみじんも感じられない無礼さだ。週末のすでに暗闇の中とあって、周囲には官邸を警備する複数の警察官以外は私だけだった。首相ではないが、しばし耳を傾けてみた。

 「特定秘密保護法案、はんた~い!」

 そうか、法案反対の訴えか。信号を待っている間に、話はドンドン飛躍していった。

 「この法律で、おれたちの命が奪われるんだぞ!」

「殺されてたまるか!」

 なんと政府は特定秘密保護法で日本国民を殺害するのだという。そんな法案だとは知らなかった。本当ならば、とんでもない話だ。何がどうなると命を奪われるのだろうか。官邸前で訴えるぐらいだから、よほど深い考えがあるのだろう。信号待ちが長いついでに興味津々で待っていたが、なかなか具体的な説明をしてくれない。

 すると、若者たちは「表現の自由を守るぞ!」と訴え始めた。彼らの前にいる警察官は、どんなに無礼な言葉を吐いても制止するそぶりを見せていない。彼らの自由は最大限尊重されていた。ちなみに首相はニュースで岩手県視察と報じていたように出張中で、官邸にも公邸にも不在だった。

このニュースの写真

参院本会議で特定秘密保護法が可決、成立し、一礼する法案担当の森雅子少子化担当相=6日夜
参院本会議で特定秘密保護法が可決、成立。抗議の靴を議場に投げ入れる傍聴者(右)と傍聴席から投げ込まれた靴を手にする衛視=6日夜、国会・参院本会議場
参院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法案採決に抗議し、中川雅治委員長に詰め寄る野党の理事 =5日午後、国会・参院第1委員会室(酒巻俊介撮影)
安倍晋三首相は党首討論で「議論はなされた」として特定秘密保護法案の早期成立を求めた=4日午後、衆院第1委員室(酒巻俊介撮影)

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