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秘密保護法 「報道配慮」の見当違い 09月30日(月)

 政府が特定秘密保護法案の原案を自民党に提示した。機密を漏らした国家公務員らへの罰則強化を盛り込んだ法案である。

 原案は報道の自由について「十分に配慮する」とする一方、国民の「知る権利」の保護、保障には触れていない。

 報道の自由は国民の知る権利に奉仕するためのものだ。大事なのは知る権利の方である。報道の自由への配慮をうたいながら知る権利を盛り込まないのは、考え方が逆立ちしている。

 このこと一つとっても、憲法の基本理念の一つである国民主権について政府の理解が足りないことが分かる。秘密保護法はやはり、認めるわけにいかない。

 〈集会、結社および言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する〉

 憲法21条の規定である。憲法には「知る権利」や「報道の自由」の文言はない。

 ただし司法の場や学界では、表現の自由と知る権利、報道の自由は切り離すことができないとの考えが定着している。例えば2006年10月の最高裁決定だ。

 〈報道は国民が国政に関与するにつき重要な判断の資料を提供し、国民の知る権利に奉仕するものである。事実報道の自由は表現の自由を規定した憲法の保障の下にあることはいうまでもない〉

 表現の自由、知る権利、報道の自由が一体のものだと、なぜ言えるのか。憲法学の芦部信喜さんは著書で述べている。

 「表現の自由は世界人権宣言が述べるように、『干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由』と『情報、思想を求め、受け、伝える自由を含む』ものと考えられるようになった」

 ある事柄について意見を述べるには、まず知らなければならない―。分かりやすい理屈である。

 政府が準備中の法案について、新聞の多くは報道の自由が侵害される心配を指摘し、反対する論調の社説や記事を掲載してきた。その理由は国民の知る権利が危うくなるからだ。報道の自由に配慮する文言を盛り込むことで批判を和らげられると考えているとすれば、考え違いである。

 法案にはほかに、▽政府の判断で情報を秘密指定し、国民の目から隠すことができる▽漏らす行為を厳罰に処することで、内部告発者を威嚇する効果がでてくる▽秘密情報に触れる機会のある民間人も秘密保持を義務付けられる―といった問題点がある。到底、賛成できるものではない。

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