秘密保護法案:検討過程「真っ黒塗り」 情報公開請求に

毎日新聞 2013年10月03日 07時00分(最終更新 10月03日 10時40分)

タイトルや見出し以外は真っ黒に塗りつぶされた特定秘密保護法案に関する開示文書=金澤稔撮影
タイトルや見出し以外は真っ黒に塗りつぶされた特定秘密保護法案に関する開示文書=金澤稔撮影

 政府が立案を進めている特定秘密保護法案の検討過程について、毎日新聞が関係省庁に情報公開請求をしたところ、法案の内容に触れる部分は「不当に国民の間に混乱を生じさせる恐れがある」として、ほとんどが黒塗りだった。官僚がどう法案を練り上げたかのプロセスが秘密にされており、主権者である国民が法案について十分に知り、深く議論することが難しい状況になっている。

 情報公開請求は、法案を担当する内閣情報調査室(内調)のほか、防衛、外務両省や警察庁、内閣法制局など関係する13の政府組織に対して行った。

 その結果、文書はそれぞれ開示されたものの、見出しなど一部を除き、法案の素案や法案の内容を解説した部分は全て黒塗りにされ、1ページ全部が真っ黒に塗りつぶされた文書も数多くあった。

 不開示について内調は「公にすることにより、国民の間に未成熟な情報に基づく混乱を不当に生じさせる恐れがある」ことを第一の理由とし、他省庁も同様だった。これは情報公開法に定められた不開示理由の一つで、特定秘密保護法案以外でも国会提出前の法案については同様の扱いがなされている。

 しかし、民主党政権が2011年4月に提出した情報公開法改正案では、この不開示理由は削除された。有識者会議で「(封建的な)『よらしむべし、知らしむべからず』を連想させる」などの意見が出たためだ。だが、改正案は昨年末の衆院解散で廃案となったため、当面は今の運用が続くとみられる。

 秘密保護法案関連の公文書を数多く収集するNPO「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は「法案の作成過程を国民が議論するのは当然であり、正当なこと。何が『不当』かを行政が主観的に決められる現行の規定は不適切だ」と指摘している。

【日下部聡】

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