8月20日、東京電力は、福島第1原発のタンクから高濃度の汚染水が漏れていた問題で、タンクからの漏えい量が約300トンに上ると発表した。写真は6月の同原発での代表撮影(2013年 ロイター) |
[東京 20日 ロイター] - 東京電力<9501.T>は20日、福島第1原発のタンクから高濃度の汚染水が漏れていた問題で、タンクからの漏えい量が約300トンに上ると発表した。
漏えいした汚染水から、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり8000万ベクレルと、極めて高い濃度が検出された。漏えい箇所は特定できておらず、漏えいは続いていると同社は説明している。
19日午前、パトロール中の東電社員が汚染水貯蔵タンクから水が出ているのを発見。当該タンクの水位を確認したところ約3メートル低下しているのを確認し、約300トン(訂正)の漏えいと判断した。漏れた汚染水の大半が周辺の土壌に浸み込んだとみている。
過去4回、貯蔵タンクから漏えいがあったが、今回が最大だという。海への流出の可能性については東電は否定的な見解を示しているが、調査を進めるとしている。
福島第1では、原子炉冷却で使われた水を放射性物質を濾し取る装置に通し、濃度が低くなった水を再び冷却で使う。東電は、当該タンクについて、循環冷却の過程で出てきた濃度の高い汚染水を貯蔵していたと推定している。
原子力資料情報室の古川路明・理事(名古屋大名誉教授)はロイターの取材で、1リットル当たり8000万ベクレルという濃度について、「莫大な量だ。(汚染水の)状況は悪化している」と述べた。
(浜田健太郎)
* 本文第3段落を「300トン」に訂正します。