クラウドソーシング狂想曲:クラウドワークス vs ランサーズ


今までにないテイストの記事を。クラウドソーシングがスタートアップ界隈で2013年の旬な分野の一つであることは間違いありません。先日寄稿した月間事業構想のクラウドソーシング特集ではクラウドワークスをマーケットリーダーとして取り上げました。取材記事のため私個人の見解は一切述べていませんが、誌面構成に私の見解が反映されたといえるでしょう。

クラウドソーシング市場について私個人の見解を述べておきます。あくまで私のフラットな見解です。(本稿が仮に広告記事であればここまであからさまな記事は書けないでしょう)この種の比較記事は取材して書いていたのでは、事実を正確に記載して並べるだけというのがオチです。事実を比較する記事とは別軸で、どういう理由でどちらが勝つのか?を読者は知りたいのではないでしょうか。

勝つのは1社:ポジショニングで勝敗が決まる

ジャンル特化型のクラウドソーシングも多数出てきていますが、数年後に巨大なプラットフォームとして残るのは総合型だと思います。よって、事実上クラウドワークス vs ランサーズの戦いだと思いますので、本稿のタイトルはそうしました。両社のポジショニングを下記に記載。

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私の周囲でクラウドソーシングを発注側として利用している人が何人かおり、そのサンプルを元にポジショニングを作成しました。後述するビジネスモデルの項で触れますが、成約額のスケールが事業上の肝になるので、単価の高い仕事が流通していて、質の高い受注者がいるクラウドワークスの方がスケーラビリティがあります。

実際に両方に案件を募集した人に聞いてみると、応募者の質がクラウドワークスの方が圧倒的に良いという意見が多かったです。後発ながらにクラウドワークスの方が相対的に有利なポジションを獲得しています。

最大の論点:マーケットはどこまで伸びるのか?

クラウドソーシングを語る上での最大の論点は「マーケットのアップサイド」です。鶏と卵理論で、クラウドソーシングという市場が成熟するに連れてフリーランスが増えたり、発注する企業側も増えるでしょう。クラウドソーシングが新たなワークスタイルとして定着するのは自明ですが、それが既存の働き方を代替し得るほどのものになるのか、web制作会社の市場を潰すほどになるのか、主婦のお小遣い稼ぎで終わるのか。

個人的には、最低でもweb制作会社の市場をある程度潰すような市場には成長すると思っています。ITVの河野さんあたりに、投資にあたりどのような市場の成長性の算出をされたのか、お伺いしておきたかったですね。

ビジネスモデル:成約手数料のため成約額のスケールが肝

ビジネスモデルの解説です。

■クラウドソーシングのビジネスモデル

・マージンモデル:仕事の成約金額の10-20%(ゆえに粗利が10-20%)
・利益率:低い(ゆえにスケールが絶対条件)
・将来的には広告もあり得る

■梅木が考える経営上のポイント

・キャッシュが貯まりにくいため、早めの資金調達が必要
・資金を元に、開発と集客のPDCAスピードを上げる

■クラウドワークス vs ランサーズ現況

・クラウドワークス:ITVなどから3億円を調達
・ランサーズ:未だ調達のリリースが聞こえない

ランサーズが未だに資金調達できていないのは、市場ではクラウドワークスの勝ちと思われているからなのかもしれない。事業開始1年でランサーズより有利なポジショニングを取り、事業モデル上1社が勝ちやすい市場であろうため、賢明な投資家であればもう勝てないと判断する可能性がある。

結論、クラウドワークスの勝ち。と本誌では予想します。

どのポジショニングを取るのかが一番重要。その後のオペレーションも勿論大事ですが、ポジショニングが生命線。クラウドワークスの有利なポジショニングの前に、ランサーズの先行者優位性は機能しないでしょう。

クラウドワークス vs ランサーズ、他のメディアや個人ブロガーの方によるその勝敗を占う記事も見てみたいですね。僕と違う軸の記事が出ることを期待しています。

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著者(Yuhei Umeki)について

株式会社The Startup代表取締役。テック系ブログメディアThe Startup運営の他、複数のスタートアップ企業の企画面やライティング面の支援を行う。