国際【主張】慰安婦の碑 官民あげ曲解正す発信を2013.8.2 03:07

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【主張】
慰安婦の碑 官民あげ曲解正す発信を

2013.8.2 03:07 主張

 米カリフォルニア州グレンデール市で慰安婦の少女像が設置された。ソウルの日本大使館前に設置された「慰安婦の碑」と同じデザインで、事実誤認に基づく日本非難の意味が込められている。碑の撤去を求めたい。

 同市はアルメニア系と韓国系住民が多く、日系人は少ない。像の設置は、アルメニア系と韓国系が共闘した結果とされる。設置前の公聴会で日系人が反対したが、議会の賛成多数で設置が決まった。

 韓国系団体は前市長を韓国に招くなど徹底したロビー活動を行った。これに対し、在ロサンゼルス日本総領事館は、市長や市議に対し、昭和40年の日韓基本条約に基づく請求権協定で賠償問題が解決済みであることなどを説明し、像設置の不当性を指摘した。

 在外公館として最低限のことはしたかもしれないが、なお不十分だ。ソウルの慰安婦の碑が日本の尊厳を傷つけている事実などを指摘し、像設置に警告し反対すべきだった。今後も撤去を求めなければならない。

 近年、米国内で慰安婦問題をめぐり日本を不当に非難する構造物の設置が相次いでいる。

 2010(平成22)年、ニュージャージー州パリセイズパーク市の公立図書館に設置された慰安婦の碑には、「日本帝国政府の軍によって拉致された20万人以上の女性と少女」と記されている。旧日本軍が少女らを慰安婦として拉致した事実はなく、「20万人以上」も法外な数字だ。

 第1次安倍晋三内閣は平成19年、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲による強制連行を直接示す記述は見当たらなかった」との政府答弁書を閣議決定した。現代史家の実証的な研究により、慰安婦の総数は1万数千人で、うち朝鮮人女性が2割だったことも判明している。

 間違った事実を独り歩きさせないため、今後、同様の事態が生じるのを防がなければならない。

 今年に入り、ニューヨーク、ニュージャージー、イリノイ州議会などで、慰安婦をめぐる対日非難決議が採択された。韓国系のロビー活動の結果とみられる。

 慰安婦問題で沈黙することは、韓国側の一方的な言い分を認めることになりかねない。曲解を正すため、日系人も含め官民あげ、あらゆる機会を捉えて史実に即した発信をしていくことが必要だ。

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