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<統一球>係数「0.01」で飛距離2メートル 専門家分析

毎日新聞 6月13日(木)2時32分配信

<統一球>係数「0.01」で飛距離2メートル 専門家分析

加藤コミッショナーの名前が入ったミズノ社製の統一球。下は断面=立松敏幸撮影

 日本野球機構(NPB)は統一球の反発係数を基準値(0.4134〜0.4374)の下限近くに「微調整」していた。では、打球の飛距離にどのような影響を与えるのか。

【統一球問題】コミッショナー謝罪「隠蔽のつもりなかった」

 野球の硬式球が受ける空気抵抗や揚力などを研究している福岡工業大工学部(福岡市東区)の溝田武人教授(流体力学)は「球速や打者のスイングスピード、打球の角度などの条件が違うので一概には言えない」と前置きした上で、「本塁打性の打球は反発係数が0.01大きくなれば、理論的には飛距離が2メートルほど伸びる計算になる」と説明。NPBの直近の検査では反発係数は0.415〜0.416となっており、数値の増加はわずかでも、大きな影響が出ることを説明した。

 反発係数は「跳ね返り係数」とも言い、物体が別の物体に当たったときに跳ね返る強さを示した数値。反発係数が上がれば、バットで打ち返した打球の初速が上がり、飛距離が伸びる。飛距離に直結する数値のため、ゴルフクラブでも反発係数の規制が設けられている。

 溝田教授は2011年の秋、以前の球と統一球の飛距離を比較する論文を発表。反発係数の上では理論上、1メートル弱しか飛距離を抑えないはずの統一球が、本塁打を激減させた理由を風洞実験で探った。その結果、統一球は縫い目の幅が広がるなどの形状が変わったことで空力特性が変化し、飛球の飛距離が約1.8メートル短くなることが分かった。その影響で「本塁打だった打球が、長打や外野フライとして処理される可能性がある」と結論を導いていた。

 反発係数の調整で飛びやすくなった今季の統一球について「統一球以前の球とほとんど変わらなくなったのではないか」と指摘した。【大村健一】

最終更新:6月13日(木)3時47分

毎日新聞

 

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