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2013年5月 7日 (火)

麻生副総理の歴史観

麻生副総理の歴史観は、極めて単純です。
過度に一般化する傾向があると思います。

麻生副総理はインド訪問中に日中関係に関し、
次のような発言をしたと報道されています。

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少なくとも我々は1500年以上の長きに
わたって中国との関係が極めてスムーズに
いったという歴史は多分ない
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1500年の歴史の中には、第二次大戦、日清戦争、
豊臣秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)、倭寇など、
日中で戦ってきた歴史もあります。

振り返ると日本が中国に攻め込む例ばかりです。
元寇は「中国」とは言えないと思いますので、
中国が日本に攻め込んだことはありません。

第三者的に見たら「日本は好戦的な国だ」と思い、
中国の被害者としての側面に目がいくでしょう。

国際的には、日本人自身が思っているほどには、
日本は平和愛好国とは見なされてないでしょう。

他方、遣隋使・遣唐使以来の交流の歴史もあり、
さまざまな文化を中国から日本は学びました。

明治維新後に多くの中国人留学生が日本に学び、
日本語経由で西欧の技術や思想が中国に伝播し、
さまざまな人間同士の交流もありました。

戦後も日中国交回復後のかなり長期間にわたり、
日中関係は良好な時代が続いていました。

麻生副総理は、わかりやすいお話が得意です。
わかりやすく話すために、正確さを犠牲にして、
ものごとを単純化して話す癖があるのでしょう。

それにしてもこんな大雑把で印象の悪い表現を、
副総理の立場の人が使うべきではありません。
日本を代表する意見と思われてしまいます。

悪化している日中関係をさらに悪化させるます。
真剣に日中関係の改善を計るべきタイミングに、
こういう余計な軽口はいただけません。

支持率の高さに安倍政権の閣僚は緩んでいます。
自民党も国会運営で慢心が見られるようになり、
もう「終わりの始まり」は見え始めています。

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