2013.3.19 05:03

帰国直後の悲劇…キューバ代表投手事故死/WBC(2/2ページ)

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WBCニュース
日本代表メンバーらは試合前に、ペドロソ氏に黙とうをささげた(ロイター)

日本代表メンバーらは試合前に、ペドロソ氏に黙とうをささげた(ロイター)【拡大】

 WBCが佳境を迎える中、悲劇が起きていた。つい先日、キューバ代表として日本で雄姿を披露していたペドロソ氏が交通事故で亡くなったのだ。WBC準決勝開始前、日本代表メンバーも黙とうし、故人の冥福を祈った。

 キューバのメディアによると、事故は現地時間16日午後10時半ごろに発生した。アルテミサ州の道路で、ペドロソ氏ら3人を載せた乗用車が、大型トラックと正面衝突。3人ともほぼ即死に近い状態だったという。警察当局は、誰が運転していたかを明らかにしていない。現在、事故原因を究明中だという。

 1986年6月にハバナ州で生まれたペドロソ氏は野球強国のキューバにあって、華麗な経歴を誇る。国内リーグで2004-05年シーズンに11勝をあげて新人王を獲得。04年夏に開催されたAAA(16-18歳)世界野球選手権決勝では日本と対戦し、ダルビッシュ(レンジャーズ)と投げ合って1安打完封勝利を飾っている。

 その後は国内屈指の右腕に成長。06年の第1回WBC、08年の北京五輪に出場した。ここまでの国内リーグでの成績は67勝35敗。押しも押されもせぬキューバを代表する投手だった。

 2大会ぶりに選出されたWBCでは、中継ぎの役割を担った。4日の1次ラウンド、中国戦(ヤフオクドーム)では2番手で、8日の2次ラウンド、オランダ戦(東京ドーム)では3番手で登板した。2試合で1回2/3を1失点。チームも決勝ラウンド進出を逃し、失意の中、キューバに帰国したばかりだった。

 母国に戻って数日後に起きた悲劇。有名投手の突然の死に、キューバ国内は悲しみに包まれているという。

(紙面から)