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逮捕男女は松永太、緒方純子容疑者と判明


緒方容疑者がかつて住んでいた建物を捜索する捜査員(午後0時5分、福岡県久留米市安武町で

 北九州市で起きた少女(17)の監禁・虐待事件で、監禁・傷害容疑で逮捕された男女は、松永太(40)と緒方純子(40)両容疑者(ともに住所、職業不詳)だったことが十三日、福岡県警の捜査本部の調べで分かった。県警は同日、同県筑後市と久留米市の両容疑者の実家などを捜索した。松永容疑者は小中学校時代を福岡県柳川市で過ごし、緒方容疑者は九六年二月まで同県瀬高町に居住していた。二人は調べに対し、依然として、名前を含めて一切を黙秘している。また、保護された男児四人のうち、身元が分かっていない九歳と五歳の二人は「イシマル」という姓を名乗っており、捜査本部で身元の確認を急いでいる。

 捜査本部が、二人が生活していた小倉北区のマンションから押収した資料などから緒方容疑者の身元が浮上、その交際相手として、松永容疑者を割り出した。

 二人は五、六年前から小倉北区内のアパートで、少女と少女の父親との計四人で暮らすようになった。約一年後、父親が行方不明になり、その後は両容疑者と少女との三人で転居を繰り返しながら生活していた。

 両容疑者は、小倉北区内のワンルームマンションで、少女を殴ったり、首をひもで絞めたりして約一か月の重傷を負わせるなどした疑いが持たれている。さらに、別のアパートで、少女らと暮らしていたとみられる男児四人が保護されている。

 二人は少女に対し、「ミヤザキ」「モリ」と名乗り、少女が監禁されていた小倉北区篠崎のマンションの借り主を「桜井」とするなど様々な名前を使い分けていた。逮捕後、取り調べに氏名を含め、事件に関する一切の供述を拒んでいる。

 接見した弁護士によると、二人は容疑を全面的に否認しており、監禁容疑について、「部屋のかぎは壁のフックにかけ、自分の意思で行動できる状態だった。テレホンカードやバスカード、小遣いも手渡していた」と主張。ペンチでつめをはぐよう命じられたとする傷害容疑についても、「少女が自分でつめをはいだ」などと否認しているという。

 ◆男は以前布団会社を経営、女は元幼稚園教諭

 逮捕以来、完全黙秘を続けた容疑者男女の割り出しにつながったのは、押収品の中にあった女の古い写真集だった――。北九州市で起きた少女(17)監禁・虐待事件は、福岡県警の捜査本部が松永太(40)、緒方純子(40)両容疑者を特定したことで、全容解明に向けて、大きく動き出した。

 捜査本部では、少女と両容疑者が住んでいた小倉北区内のマンションの捜索を行い、室内から多数の資料を押収。この中から、写真集が見つかった。写っている女性の容ぼうが逮捕された女に似ており、身元の確認作業を進めた結果、本人と断定。さらに周辺捜査で交際相手の松永容疑者が浮上した。

 二人を知る関係者の話では、両容疑者は事実上の夫婦で、長年、一緒に暮らしており、「近いうちに籍を入れたい」と話していたという。

 複数の知人によると、松永容疑者は福岡県柳川市内の小、中学校を経て、同県三潴町の高校を卒業。柳川市内で布団販売会社を経営していた。一時期は社員を数十人抱え、羽振りも良かったが、十年ほど前、金銭貸借をめぐって暴力団とトラブルになり、夜逃げ同然に、妻子とともに出ていったという。

 小、中学校時代の同級生だった会社員(40)は「学校の成績も良く、おしゃべりがうまかった」と話す。小、中学校で二年先輩の男性は「あちこちから借金し、追われて宮崎県内の警察に保護されたとか、北九州で殺されたなどの(うわさ)を聞き、てっきり死んでいると思っていた」と驚いていた。

 緒方容疑者は、元幼稚園教諭。一九九二年十月に福岡県久留米市から同県瀬高町内に転居。九六年に転出している。

 小倉北区のアパートで保護された四人の男児のうち、身元不明の九歳と五歳の男児は同じ「イシマル」姓を名乗り、兄弟と見られるが、両容疑者とは姓が異なり、まだ特定できていない。 (2002年3月13日)

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