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森口氏“つい勢いでウソをついた”
10月14日 6時1分

iPS細胞のヒトへの移植に世界で初めて成功したと主張する研究者の森口尚史氏が、13日、ニューヨークで記者会見を開き、「つい勢いでウソをついてしまった」と述べて、従来の主張は大半が虚偽であったことを認めました。

森口氏は、13日、滞在先のニューヨーク市内のホテルで記者会見を開きました。
森口氏は、これまで、ボストンのマサチューセッツ総合病院でことし2月以降、iPS細胞を使ったヒトへの細胞移植を6例、実施したと説明してきましたが、会見では「移植が実施されたのは1例のみで、残りの5例は間違いだった。つい勢いでウソをついてしまった」と述べ、従来の主張は大半が虚偽であったことを認めました。
しかし、森口氏は「1人の患者には、別の病院で、去年6月に本当に細胞移植を実施した」と強調し、世界で初めてiPS細胞のヒトへの応用を行ったという主張は変えませんでした。
これに対して、記者からは「どこの病院で誰が手術を行ったのか」など質問が相次ぎましたが、「共同研究者から言うな、と言われている」と答えるだけで、あいまいな説明にとどまり、具体的な証拠は一切、示しませんでした。
森口氏は、みずからの今後については「研究者としてやっていくことはできないだろう」と述べました。
森口氏を巡っては、去年発表した論文でも、アメリカの医療機関の教授の名前が共同研究者として許可なく使われていたことが明らかになるなど、過去の研究発表にも不審な点が相次いで見つかっています。

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