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ソバの白い花どこへ行った 福島・川内 汚染土仮置き場

除染廃棄物を詰めた青い袋が山積みになっている仮置き場。奥では積み重ねた袋が緑のシートで覆われている=18日、福島県川内村

ほぼ同じ位置から撮影した原発事故前の風景。通常ならこの時期、白いソバの花が一面を覆う=撮影日時不詳(川内村提供)

 実りの秋、福島県川内村鍋倉地区のソバ畑に白い花は揺れていなかった。一面を埋めるのはフレコンバッグと呼ばれる青い袋。中には福島第1原発事故の除染で出た放射能汚染土が詰まっている。のどかな高原に広がる約6ヘクタールの畑は除染廃棄物の仮置き場に変わっていた。
 仮置き場は、除染ではぎ取った表土や伐採した木の枝の入った袋がダンプカーで次々に運び込まれている。袋は約1トン入り。村内除染の本格化に伴い、約3万袋を搬入した。11月には5万5000袋分の容量が満杯になる。県内に設ける中間貯蔵施設に移す予定だが、施設建設計画は遅れている。
 同村の加藤吉英さん(80)は1995年、十数人の仲間と共に村から土地を借り、ソバを耕作してきた。「いつもの年ならちょうど花が満開なころだ。ソバ作りは続けたいが、ここではもう諦めるしかない」と話す。仮置き場になった畑はまだ見ていないという。


2012年09月20日木曜日


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