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最終更新:2012年9月18日(火) 20時52分

プレミアバイク盗難多発、90秒の犯行

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 40代を中心に根強い人気を誇る、国産のプレミアオートバイが盗まれる被害が相次いでいます。そのオートバイ、30年前に製造が中止されたホンダの名車「CBX」です。状態のよいものは、500万円もするそうです。窃盗団の犯行の一部始終をとらえました。

 バイク盗難の様子をとらえた防犯カメラの映像。バイクの修理工場に集まってきたのは、作業服のようなものを着たおよそ10人。シャッターの前の車を動かしていきます。そして扉をこじ開けて、車庫の中に入っていきます。次々と運び出されるバイク。修理工場に侵入してから、わずか90秒の犯行でした。

 被害に遭ったのは、大阪府内でバイクの修理工場を営む山田さん(仮名)。

 「お客さんがg;v$K$7$F$$$k%P%$%/$J$s$G!#0lHV$O?=$7Lu$J$$$J$C$F$$$&5$;}$A$G$9$M!W!J;3ED$5$s!K

 当時、工場内には修理を依頼されていた30台のバイクがありましたが、盗まれたのは5台。すべて同じ車種でした。
 「ホンダのCBXだけ持っていった感じですね」(山田さん)

 1981年にホンダが発売したCBX。高馬力のエンジンなどが人気を集めましたが、1987年に生産は中止。当時はおよそ48万円でしたが、今ではプレミアが付き、高いものは500万円で取引されています。

 「中学生の頃から憧れてきたバイクなんで、この年になってもまだ乗れるっていうのはうれしいですね。(Q.一生乗りたいですか?)乗りたいですね!!」(CBXの愛好家)

 プレミアバイクが一瞬にして奪われた今回の事件。バイクを所有していた伊藤さん(仮名)もショックを隠し切れません。

 「えっ、うそやろ?何度も何度もうそやろ?って。いきなり盗られたってなって、ショックは大きかったですね」(伊藤さん)

 盗難時、頼りになる車両保険。しかし、CBXは盗難が相次いでいることから、ほとんど加入できないといいます。そんな中、自分の手で愛車を守ろうと部屋の中で保管する人もいます。

 「昔は盗られるとかいうのは僕自身持っていなかったんで、別に外に止めていてもいいわって感じやったんですけど、今はちょっと怖いですね」(所有者の男性)

 高まる防犯意識。しかし、こんな被害も・・・
 「信号待ちしていて、後ろからいきなり来て・・・」(CBX盗難被害にあった男性)

 この男性は去年10月、CBXに乗っていたところ、男にハンマーで襲われバイクを盗まれたのです。
 「悔しいのは悔しいですけど、いつか盗られるかなっていうのもちょっとあったし。けど、まさか自分がなるとは思っていなかったですね」(CBX盗難被害にあった男性)

 バイクは盗まれると解体され、部品が売られることも多く、発見されることはほとんどありません。しかし、修理工場で盗まれた伊藤さんのCBXが見つかったのです。

 「ライト外されて、この辺ぐちゃぐちゃになっていた。ETCなんですけど、ここに入れていたんですけど、抜かれて。たぶんもう捨てられているんちゃうかと」(伊藤さん)

 発見されたのは、修理工場から20キロほど離れた府内の駐車場。一体なぜ、人目のつく場所に放置されていたのでしょうか。

 関係者によりますと、犯人グループは盗んだバイクにGPSが搭載されていないか、しばらく放置して確かめているというのです。つまり、所有者が出てこなければ持ち去るのです。

 居場所を瞬時に確認できるGPS。子どもの防犯用としてだけでなく、バイクの盗難対策にも使われるようになっています。

 修理工場を営む山田さん。今後も、CBXの修理を受けるか頭を悩ませています。
 「そういう窃盗事件が少なくなってなくなれば、もっとみんな楽しくバイク乗れるんじゃないかなと思うんで、一刻も早く捕まえてほしいですね」(山田さん)

 時を刻みながら価値を増してきた昭和の名車。安心して運転できるには、まだ時間がかかりそうです。(18日18:15)

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