韓国大統領:元従軍慰安婦への賠償検討を要請 野田首相に

毎日新聞 2012年05月13日 21時54分(最終更新 05月13日 22時01分)

 【北京・西田進一郎、澤田克己】野田佳彦首相は13日、北京市内のホテルで韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領と約35分間会談した。大統領は、旧日本軍の元従軍慰安婦の賠償請求権問題を念頭に「(昨年の)京都での首脳会談で取り上げた案件について前向きの検討をお願いしたい」と改めて要請。首相は「大統領とともに、知恵を絞っていきたい」と述べるにとどめた。

 賠償請求権問題は、大統領が昨年12月に京都で開かれた首脳会談で対応を強く要求し、「決着済み」とする首相との間で平行線だった経緯がある。大統領は今回、引き続き解決を求めながらも「慰安婦」の言葉を直接使わないことで日本政府に配慮を示したとみられる。

 一方、会談で首相は、自衛隊と韓国軍が防衛に関する秘密情報を交換する規則を定める「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」と、食料や輸送作業を融通する「物品役務相互提供協定(ACSA)」の締結に向けた調整が進んでいることに触れ、「安全保障分野での協力を強化していきたい」と要請した。大統領の発言は明らかになっていないが、「前進があったと理解してよい」(日本外務省)という。

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