宗教を廃絶して祭祀儀礼?
いつもの如く、分かる人にしか分からない書き方をするがお許し願いたい。
最近、ブログ・ツイッター・SNS等々で新興カルト宗教団体が物凄い勢いで勢力を拡大している。
「宗教」を銘打ってないから非常にタチが悪い。
布教対象がこの国の行く末を案じる愛国心の強い者たちを対象にしている。
カルトの方法論やこの団体の教祖については過去記事「明治朝廷とフランケンシュタイン」で既に言及しているので参照していただきたい。
また、同盟ブログの「極右翼勢力」にてその団体の詳細が明かされてますので是非ご覧いただきたい。
・「戦前後憲法で日本人は死滅?」
http://blog.livedoor.jp/samuraiari/archives/51819660.html
要は「日本国憲法は憲法として無効」を連呼し、帝国憲法にすれば日本は豊かになり、人々は幸せになれると云う理屈である。
ここの信者は盛んに「新無効論を信じないヤツは売国奴」と言ってるが、これでは「南無妙法蓮華経」と題目を唱えれば日本は豊かになり、人々は幸せになれると言ってストーカー紛いの勧誘をしている日本最大のカルト団体と何ほどの違いがあるのか。
殆ど同じである。
だいたいが、150年にも満たない、しかも長州閥のテロリストが国民の与り知らぬところで「上からの改革」とか抜かして勝手に制定した憲法を「伝統に則った憲法」などとはちゃんちゃらおかしい。
ましてや何でもかんでも成文法に定めようとする考え自体、近代以降の悪癖である。
無効と云うなら長州の若造が作った帝国憲法も、米国占領下に作られた占領憲法もどちらも無効である。
◎宗教の廃絶と世界融合?
この教祖は宗教の廃絶を主張し、
「訳のわからぬパンチパーマをかけたような仏像に有難味を感じるより、これらの御先祖に対し有難味を感じるべき。」
とか言ってるが、逆であろう。
ご先祖や有縁無縁の気の遠くなる昔からの我々の祖先に思いをいたすなら、その祖先たちの「営み」にこそ尊び敬い学び有難味を感じるべきであろう。
ましてやその先祖たちが尊び敬い学び有難味を感じてきたものを蔑ろにして先祖もへったくりも無かろう。
明治の大悪法である神仏分離令や神社合祀令による廃仏毀釈や廃神毀社によって何を尊び敬い学び有難味を感じるべきか分からなくなっている。
また、
「世界融合を考えるなら宗教はいらず御先祖の下に仏教が存在してもいい。」
とか言ってる。
何故に「世界融合」などする必要があるのか。
多文化共生理念(国際化・グローバリズム等々)による移民等の問題は文化・文明を破壊し、民族紛争や戦争の元になるのではないだろうか。
多文化共生理念などと云う国家の枠組みを壊そうという行為は、従来からそこに住んでいた民族と全く関係のない文化体系を持つ民族を混ぜこぜにし、互いの文化・文明を否定させ、衝突を促すものである。
そのことは歴史や現状の世界情勢を見れば明らかである。
ノルウェーの無差別虐殺事件は記憶に新しいところであるが、各国の民族紛争、民族感情による暴動等々枚挙に暇がない。
民族は民族らしくそれぞれの土地で、それぞれに暮らすべきである。
お互いが住み分けをし、その上で相手の国の歴史や文化を尊重していってこそ真の国際交流が出来るのではないだろうか。
そもそも人種も文化も違う人間が同じところに共生できる訳がない。
我々同じ日本人同士でもご近所トラブルはおろか、同じ家族でも円満に行くことは稀である。
ましてや異なる言語・習慣・文化を持つ者どうしならなおさらであろう。
必ず衝突が起きる。
ときに円満に行っていたとしても必ずどちらかが譲歩している場合である。
欧州に於ける移民政策でそれを無理矢理にやった結果がノルウェーの無差別虐殺事件、各国の民族紛争、民族感情による暴動等々を惹起しているのである。
民族や人種での線引き、住み分けが出来ていれば起きなかったことではないだろうか。
世界各国の人々を我々の大切な友人だと思うのであれば、仲よくお付き合いをしていきたいと望むなら、線引き、住み分けして節度のある付き合いをして行かなければならない。
多文化共生(グローバリズム等々)と云う国境をなくしてしまい、民族をごちゃ混ぜするような考えは、それこそ我々の祖先が気の遠くなる古の昔から築き上げてきた文化・文明を破壊する考え以外の何者でもない。
◎宗教より祭祀儀礼?
また、
「宗教戦争はあるが、祭祀戦争はない!」
とか抜かし宗教の廃絶を謳ってるが、これは祭祀どころか歴史も文化もその積み重なりも何一つ分かってない証拠である。
祭祀儀礼と教義とはワンセットである。
「我が国の固有の宗教は神道である」
と云う方が多いので神道を例にしてみよう。
古代に於ける神道はアニミズムに基づいたシャーマニズムである。
つまり「託宣」と言う形態で神の意志を伝えるもの。
「託宣」であるからこの段階では教義体系などは整っていないがその託宣群が伝承されていく。
有名なところでは天照大神の託宣↓
「人はすなわち天下の神物なり、須く静謐を掌るべし。心はすなわち神明の主たり、心神を傷るなかれ」
や
「神は垂るるに祈禱をもって先となし、冥は加ふるに正直をもって本となす。」
などが良く知られていると思う。
これが中世に入ると「託宣や伝承の文書化」が始まる。
これが中世神話群である。
しかしそもそも教義体系を整えてない神道は神仏習合が常識だった当時の風潮に合わせ仏教理論や朱子の理気説、陰陽理論をダイレクトに取り入れて行く。
真言宗創始の「両部神道」が教義体系を整えた一番早いものであるが(平安後期ぐらい)、その両部神道の影響を受けどんどん体系化して行ったのが「伊勢神道」(渡会神道)。
これとは別に天台宗創始の山王神道もだいたい両部神道と同時期辺りに成立して行く。
この時点までは「伯家神道」が宮中祭祀を仕切っていたが体系化はされてない。
つまり古伝の継承による祭祀が専らであった。
上記の神道が互いに影響し合って発展して行くが、それらのものを全て吸収発展させる形で「吉田神道」(唯一神道)が鎌倉時代に入ると成立する。
この吉田神道が神道界に絶大なる影響を及ぼし近世に入ると朝廷と幕府の承認を受け幕末まで神道界を支配した。
近世に入るとまた様々な教義体系を持った神道が成立する。
垂加神道などは「神儒一如」を掲げその理論は儒教である。
ここからも分かるように「我が国固有の宗教である神道」などない。
あるのは個別の神道、地方の神道、各神社の神道で、その殆どが仏教理論、陰陽五行理論、道教からダイレクトに或いは換骨奪胎しながら成立した。
まとめると
教祖=神
教義=託宣
戒律=しきたり
聖典=神話群
教義書=代表的なのは神道五部書など
「神道は教義も戒律もない非常に大らかな・・・」
これは保守や右翼、神主がよく云うウソ、若しくは無知である。
何故こんなウソを言ってるか?
明治以降から始まった廃仏毀釈・廃神毀社・神仏分離令等々の「魔女狩り」は東大が出来ると、明治朝廷のお抱え大学である東大主導で「迷信排撃運動」が実施された。
映画「リング」で有名になった「千里眼事件」などはその一環である。
つい最近まで日本の大学ではこの手の研究はご法度で、逆に迷信を立証する研究はOKだったそうだ。
つまり明治以降の脱亜入欧政策などの近代合理主義の受容に伴い「託宣」などと言う迷信は信じるな!と云う論調である。
なので研究も疎かにされた。
且つ中世神話群を読めば分かるがその殆どが神仏習合理論による本地垂迹説或いは逆本地垂迹説によって書かれている。
従って現在の神道界が神道の教義体系が「両部神道」や「山王神道」にあることは認めたくないんであろう。
なぜなら仏教教義だから。
だから明治以降、この教義体系から仏教や陰陽五行等々を除いたものが、あるいは換骨奪胎したものが流布している。
国家神道などその最たるものだ。
その国家神道の教義書として文部省が発行した「国体の本義(1937年5月刊行)や、文部省外局の教学局が編纂した『臣民の道』(1941年文部省教学局刊)など、国家神道に基づく歴史観、「皇国史観」に由って立つものである。
都合の悪い所は全部切って捨て、歴史の捏造・改竄を厭わない実に愚作・駄作である。
しかもこの国家神道を以て我が国固有の宗教だと思っている方が非常に多い。
ましてやこのカルト弁護士教祖の主張する「祭祀儀礼」や「世界融合」などは他国の歴史・伝統・文化を否定し、破壊し、この教祖の考える「国体」を我々や諸外国に押し付ける行為でしかない。
つまり世界各国で起きている民族紛争、民族感情による暴動等々の根源である。
この多文化共生理念(国際化・グローバリズム等々)こそが我々の祖先が気の遠くなるような昔から代々築き上げてきた文化・文明を否定する差別的な発想なのである。
◎まとめ
以上、長々と書いてきたがこのカルト弁護士がやろうとしていることは、明治以降敗戦までやってきた明治新政府と同じことをやろうとしているのである。
東北で餓死者が出てるにも関わらず重税を課し、朝鮮半島や台湾、満州などのインフラ整備のため国民の莫大な税金を投入。
朝鮮人や台湾人に日本国籍を与え、日本名を与え特別待遇。
日本人より外国人を優遇した。
戦中はインパールやノモンハン等々で訳の分からぬ「作戦」とは呼べない作戦や「特攻作戦」によって多くの若者が殺された。
しかもその作戦立案者で責任をとった者は殆どいない。
戦後、総理大臣にまでなってぬくぬくとしてたバカもいる。
これを現在の保守や右翼は「日本は良いことした!」と言っているのである。
自国民を虐殺され、蔑ろにされてるのに滑稽じゃないだろうか?
同じように大東亜戦争時の同化政策(大東亜共栄圏構想)は良くて、現政権の同化政策(東アジア共同体・tpp等々)はダメってどういうことだろうか?
他国の歴史・伝統・文化を否定し、破壊し明治朝廷が勝手に作り出した「国体」を押し付けたのである。
かなり都合の良い考え方してると思わないか?
現在も似たり寄ったりである。
明治以降から現在まで続く「体制」が変わらなければ何も変わらない。
ましてやこのカルト弁護士の主張通りになれば振り出しに戻るだけ。
どうか愛国心が強い方は騙されないで欲しい。
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1 ■こんばんは。
お久しぶりです。師匠が遷化し無事葬儀も終わりました。生死にについてより身近に感じた一カ月でした。
またこれからも、仏教について、国体についてじっくり考えていきたいと思います。
ご指導お願いします!!