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オスプレイ:緊急着陸時、回転翼飛散の恐れ /沖縄

 【中部】米軍普天間飛行場に今年末までに配備予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイをめぐり、製造元のボーイング社がエンジン停止時のヘリモードの緊急着陸の可能性について「オートローテーション(自動回転)に頼らない」と否定し、固定翼モードでの滑空着陸を選択するとガイドブックに明記していることが21日までに分かった。米ミラマー基地の操縦士も琉球新報などの取材に対し、固定翼モードで緊急着陸すると明言している。オスプレイは着陸時に回転翼が地面に接触した場合、回転翼が機体から外れて周辺に飛散する設計となっている。緊急着陸時には回転翼が飛散する可能性が濃厚で、宜野湾市や住民から緊急時の周辺住宅地への危険増大を懸念する声が上がっている。

 日本政府は、米下院公聴会で元首席分析官が「オートローテーション機能を欠いている」と証言したことを受け、昨年7月に閣議決定した答弁書で「全エンジンが不作動となった状態でオートローテーションによる飛行に移行しない場合は、安全な着陸に支障を来す可能性があると考えられる」と明記した。

 製造元がオートローテーション飛行に移行しないとの方針を示したことで、エンジンが止まった緊急時には、日本政府が言及した「安全な着陸に支障を来す可能性がある」状態に置かれることが明白になった。

 MV22オスプレイは垂直離着陸が可能な米海兵隊の次期主力兵員輸送機。主翼の両端にプロペラ部分の角度が変わる傾斜式回転翼(ティルトローター)を持ち、ヘリコプターとプロペラが前を向く固定翼機(ターボプロップ機)の機能を兼ねている。

 ボーイング社のオスプレイガイドブックは2011~12年版で「オートローテーションができないので危険ではないか」との指摘について「オスプレイはティルトローター機で、エンジン停止の緊急着陸の際にオートローテーションには頼らない。両方のエンジンが停止しての着陸はほぼあり得ないが、必要な場合はターボプロップ機のように滑空して着陸できる」としている。(増田健太)

<用語>オートローテーション

 ヘリコプターのエンジンが停止しても安全に着陸できる機能。エンジンが止まった際、プロペラが自然に回る状態にして、空気の揚力を使ってゆっくり下降する。MV22オスプレイは比較的小さなプロペラで重い機体を支える必要があるため、この機能の欠如が指摘されてきた。

(琉球新報)

2012年1月22日

 
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