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内部留保【ないぶりゅうほ】
6件の用語解説(内部留保で検索)
知恵蔵2011の解説
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企業の純利益から、税金、配当金、役員賞与などの社外流出分を差し引いた残りで、「社内留保」ともいう。ひらたく言えば「企業の儲けの蓄え」のことだが、会計上は「利益準備金」「任意積立金」「繰越利益剰余金」などの項目で、貸借対照表の純資産の部に計上される。これまで外需拡大の恩恵に浴してきた日本企業、とりわけ輸出型製造業の内部留保は、欧米の企業に比べてきわめて厚いと指摘されている。実際、製造業大手2200社の利益剰余金は約72兆円(2007年)で、景気低迷期(02年)の55兆円から大幅に増加。一方、従業員の給与は22兆円から21兆円へとダウンしている。このため、景気後退局面に入った頃から、企業が抱える巨額の内部留保を労働者に還元すべきという論調が見られるようになった。当初は共産党や労組が主張していたが、雇用不安が深刻になった08年末~09年にかけて、政府閣僚からも同調する声が相次ぎ、雇用維持の財源として論じられるようになった。なお、企業は内部留保のすべてを現金(手元資金)として保有しているわけではない。本来、内部留保は設備拡充や技術開発などの再投資に回される性格のもので、12兆6千億円の連結利益剰余金をもつトヨタもその多くを設備増強に投じており、現預金は6分の1程度しか残っていない(08年9月末時点)。通常、企業が銀行から融資を受ける際には内部留保の厚みが重視される。戦後最悪と言われる不況下において、手元資金の枯渇や財務悪化による経営破綻(はたん)を恐れる企業が増えており、内部留保を雇用維持の財源に充てることには消極的と見られる。
( 大迫秀樹 フリー編集者 ) 出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2009」
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グロービスのMBA経営辞書の解説
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税引後利益から配当金や役員賞与など社外に支払う分を差し引いた残り。企業内に留保され再投資される。
内部留保は、商法によって積み立てることが決められている利益準備金、あるいは任意積立金、繰越利益剰余金のいずれかの形で貸借対照表(B/S)の純資産の部に計上される。
一般に、成長が見込まれ、投資案件の多い企業は、配当で株主還元するのではなく、再投資による成長を目指すべく内部留保を厚めに行うことが多い。
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株式公開用語辞典の解説
- 今期の税引利益から、税金、配当金、役員賞与など社外に払い出される分を差し引いた、残りの部分のこと。企業内に留保され再投資される。内部留保には、商法によって積み立てることが決められている「利益準備金」、企業の判断によって積み立てられる任意積立金のほか、未処分の利益もある。
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百科事典マイペディアの解説
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企業の純利益から税金,配当金,役員賞与などを差し引いた残額で,企業内部に留保されたもの。会社の場合は社内留保ともいい,株主総会の議決を経て利益準備金,任意積立金などとして社内に積み立てられる。
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デジタル大辞泉の解説
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ないぶ‐りゅうほ 〔‐リウホ〕 【内部留保】
企業の利益金額から配当金・役員賞与金・租税などの社外流出分を除いた部分を社内に留保すること。また、その金額。法律で定められた利益準備金と、企業の自由意思による任意積立金などがある。社内留保。
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- 決算上の当期利益から、社外に流出する費用(役員賞与、税金、配当金など)を差し引いて社内に残った金額。積立金や準備金、繰り越し金として蓄積される。
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内部留保に近い言葉→内部留保と公益法人|留保|心裡留保|財産留保|社内留保|信託財産留保額|内部|内部寄生|内部監査|内部摩擦
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