側の実行委員会と協力し、両大学の学生らによる交流プログラムを実施する。プロジェクトの正式名称は「Cross-Culuture- Communication between Peking University and Kyoto University」。両大学の学生が机の上での議論だけでなく、実地見学や地域住民との交流を通して相互の理解を深めることが目的。代表を務める何玄悦さん(経済・3年)は「全力を尽くして、なんとしても成功させたい」と意気込みを語った。申し込み等は
同プログラムは京都、北京の両市で開催され、京都会期は8月22日〜30日、北京会期は9月3日〜 14日の予定。渡航費や宿泊費などを含め、参加費は一人あたり12万円となっている。参加者同士の全体的な交流を図る「全参加者共通プログラム」のほか、「伝統」「環境」「農業」の3テーマごとに「分科会別プログラム」を設け、フィールドワークや討論を行う。テーマを3つに絞り分科会を設けた理由は、「北京と京都に共通する話題に焦点を当て、課題を見えやすく具体的なものにするため」だという。議論の対象を、国家間関係というスケールの大きい漠然としたものから具体的な問題に絞ることで、学生目線でも取り組みやすいプログラムとなった。
京都会期では各分科会ごとに、日本の伝統文化の体験や、京都の特色ある企業への訪問などが予定されている。北京出身のスタッフ陳曦さん(経済・4年)は「北京の会社は勢いがあるけど、あまり理念がない」と指摘し、「京都の企業はユニークな社是や理念を持っているところが多い。(北
京大の学生には)社是が日々どう活かされているかということを感じてほしい」と期待した。
陳さんは、他の国際交流プログラムとの最大の違いを「自分たちで課題を見つけ、色んな人の話しを聞いてアウトプットしていくこと」だと話す。東大と北
京大の間で行われた学生討論「京論壇」に参加し「討論で終わってしまっているのがもったいない」と感じた知人から、同プログラムの立ち上げを相談されたという陳さん。「議論するだけでなく、アウトプットしていくことを重視している」と強調し、「これまでにない国際交流」だと胸を張った。また、別の特色として、プログラムの中にボランティア活動や地域住民との文化交流を組み込むことで「自分たちだけで交流するのではなく、少しでも社会に貢献する」(何さん)ことを目指している。
「違う視点でその都市の課題を考える。それでこそ相互訪問の価値がある」と何さん。同プログラムを通して両都市の抱える問題に対する有効な解決策を提示することに意欲を示した。アウトプットの方法としては、報告書を作成し企業や教授に配布するほか、3つの課題に対する改善方法を示した行動プランを NFで展示・プレゼンするといった案が検討されているという。
現在の参加者は6人で、定員まであと3人。募集開始とともに多数の応募があり、面接をして参加者を決めたという北
京大側と比べ、参加者集めは難航した。4月からビラ配りや週2回の説明会開催などで告知に務めたが、「説明会にも全然人が来なかった」という。「本当に人が集まるのか不安だった」と振り返る何さん。「自分たちの企画が魅力を感じてもらえないのかと自問し、撤退も考えた」と苦笑を浮かべる。しかし、5月初頭の第1次締め切り時に「2、3人の応募があった」ことで「企画に勝ちはちゃんとあった」と安心できたという。
参加者集めのほか、費用を捻出するための協賛企業集めも本格的に始めた。まだ手探りの状態だが「いけるとこまでみんなで頑張って行こう」(何さん)と7人のスタッフが協力して、一歩ずつ歩を進めて行っている。同プロジェクトは今年始まったばかり。継続的なプロジェクトにするため、今年はノウハウと実績を作ることが第一目標。何さんは力を込めて言う。「やらなくては始まらない」。
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