〝粉飾オリンパス〟を食い物にした「野村證券OBの大豪邸」菊川前会長らは、損失隠しに迫った「第三者委員会」の2年前の調査を闇に葬っていた

2011年11月25日(金)
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—しかし、弟さんの自宅は豪邸ですね。

「派手好きなところはあるけれど、内情は違う。『おカネがないから売却したい』って言っていたよ。ともかく、オリンパスの件で私たち兄弟は何も悪くない」

 それにしても不思議なのは、なぜ20年もの間、こうした損失隠しがオリンパスのような大企業でまかり通ってきたかという点である。同社社員はこう語る。

「オリンパスはガバナンスというものがまったく機能していない会社なのです。監査役や社外取締役という、本来会社をチェックすべき役割の人物が粉飾に関わるくらいです。

 今年6月末、日経新聞出身の来間紘氏を社外取締役に迎えていますが、この時、すでに一部経済誌がこの疑惑の取材に動き回っており、明らかなマスコミ対策でした。ウチにとっては社外取締役とはその程度の役割なのです」

 実はオリンパスでは、'09年に、監査法人が一連の損失隠しを指摘したことで、第三者委員会が立ち上がったことがあった。しかし、早々に問題はないとの結論を出してうやむやになってしまったのだ。

「調査期間はたったの1週間です。取締役会資料や財務諸表など約60種類の開示資料の中には英文の書類もあり、ムチャな要求でした。まともにヒアリングできたのは森前副社長だけで、それもたった2回。それで結論を出せと会社に求められたのです」(調査に加わった関係者)

 何ともデタラメすぎる。第三者委員会、捜査当局による真相解明が待たれる。

「フライデー」2011年12月2日号より

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