ネット情報と現実のギャップについて!
東北大震災の後のさまざまな動きを見ていて、政府の対応やマスメディアの報道に疑問を持ち、見よう見まねで始めたブログにツイッター。いまだにアタフタしながら続けてますが、その間に感じたネット情報と実際に起きている現実とのギャップについて考えてみました。
今回はあまりに有名な、山下教授の問題を題材にしました。
(以下、山下問題と言います。こちらのブログに山下教授の動画・資料がとても分かりやすく掲載されています。)
長々と勝手な思いを書き連ねていますので、内容より伝えたい方向を感じ取っていただけたら幸いです。

山下問題!

この教授は原発事故後の福島県で、安全神話を広げることにより多くの人を被曝させたと言うことで、ネット上では徹底的に非難され続けてきました。
一部で告訴もされている状態です。

告訴
左の写真は刑事告発について記者会見する、ジャーナリストの広瀬隆(左)と明石昇二郎氏(右)。

詳しくは田中龍作氏のこちらのサイトご覧ください。→→【福島原発事故】 東電最高幹部、山下教授ら張本人32名を刑事告発
それにもかかわらず、9/1「山下教授、朝日がん大賞受賞」と言うニュースが発信されました。
これについても多くの人が抗議の声を上げました。
これはいったいどういうことなんでしょうか?
このことでネット情報と現実起きていることの、あまりに大きなギャップを感じた人は多いと思います。

ネット上では山下問題に反対する人が圧倒的多数で、賛成する意見は非常に少数であったと思います。
特に県外でネットから情報を得ている場合、この傾向は強いと思います。
(当初福島県では、下図のような割合と想像していました。)
ネットから情報を得ている場合、その情報が現地の実態を反映しているかどうか区別できないので、とりあえず妥当だと感じる情報は受け入れることになりやすいと思います。

山下問題ネット上の意識

「朝日がん大賞に山下俊一氏を選んだ朝日新聞社に抗議します」

9/3
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク(代表世話人:中手聖一さん)から、上記の抗議文が朝日新聞社に提出されました。
当然だと思います。
福島県の人にとって、とても黙って見過ごすことは出来ないことだと思います。

前置きが長くなりましたが、その抗議文の中にある次の点が非常に気になりました。

私たちは、このように山下俊一氏が、県の放射線リスク・アドバイザー、県民健康管理調査委員会の座長にあることに強い危機感を覚え、同氏の罷免を求める署名運動を行い、6607筆の署名を得ました(別添2)。また、全国の署名運動では、1ミリシーベルト順守と避難・疎開と併せて同氏の罷免を求める要請項目を加えましたが、4万筆以上の署名が集まりました。


文中の6607筆の署名を得ましたの部分です。
とても少ないと感じました。
6607筆は福島県内の署名数ですので、福島県の有権者数約1,669,000人とした場合、実に約0.4%しか抗議の声が上がらなかったと言うことになります。
山下問題TVの意識
市民団体の方たちはこれを集める為に、大変な努力をされたと思います。
そのなかで集まったこの数字は、それだけ政府・県が協力し山下教授をバックアップしてきたことによる、民意の分断の大きさを表しているのでしょうか?

ただ県内で反対する人が0.4%だとしたら、いくら県外からネット上で非難の声を上げても難しいのではないか、そんな思いが浮かんできます。
99%以上の県民が容認していると言うことになるからです。
本当にそんなに多くの福島県民の皆さんが、山下問題を容認しているのでしょうか?
県外からは、とても想像できません。
もし事実なら福島県の市民団体の皆さんの活動は、我々が思っているよりはるかに厳しいものなのではないでしょうか?

■署名を県に提出した件に関して、毎日新聞は次のように伝えています。
東日本大震災:山下氏解任求め、署名を県に提出--3市民団体 /福島
 ◇低線量被ばく過小評価と

県内の保護者らで作る「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」など3市民団体が29日、県庁を訪れ、県放射線健康リスク管理アドバイザーと「県民健康調査のあり方を検討する有識者委員会」の座長を務める山下俊一氏の解任を求める署名6662通を提出した。同ネットの中手聖一代表は「山下氏は低線量被ばくの影響を過小にみている」と説明している。

これに対して県は「山下氏は放射線に深い知見を有している」として、解任には応じない姿勢を示した。

山下氏は長崎大大学院教授だったが、7月には長崎大を休職して県立医大副学長に就任した。【種市房子】

毎日新聞 2011年8月30日 地方版


もし山下氏解任の声が県内で0.4%だとしたら

もしこれが大筋において正しい数値だとしたら、今後の抗議活動のあり方、進め方を新たに検討する必要があると考えるべきではないでしょうか。

ネット上で山下教授の批判を繰り広げることも必要だと思いますが、それをネット以外から情報を得ている福島県民の皆さんに届ける方法が無ければ、ネット上で批判の声だけがぐるぐる回っているだけになってしまいます。まず県内の人達への正しい情報伝達が、何より大切なことだと思います。

山下辞めろ
「当初からそのことで苦労している。いまさらそんなことを言うな」と怒られそうですが、以前福島在住の方から大雑把な感じとして、その比率が40:60程度ではないかとお聞きしました。(40%(C)が事実を伝えようと頑張っている人)
それなら県外からもネットを通して応援することが、何らかのプラスになるのではないかと感じていました。

もし40%(C)と思っていたことが0.4%(B)なら県外の活動も、今までのように非難の声を上げているだけで良いでしょうか?
そのことを前提に別の角度の対応策も考えていくことが、必要ではないでしょうか?

異なる推定
今福島県の県民の方たちにとって、「山下問題」は実際どのような状況なのでしょうか?
  • 無関心の人が多いでしょうか?
  • 山下教授を支持しているのでしょうか?
  • 国や県や市の活動に対する締め付けが厳しいでしょうか?
  • マスメディア報道の影響が今でも強いでしょうか?(多くの人が安全神話を信じてる)
  • 人手不足で思うように活動できないでしょうか?
  • その他
3.11以来多くの人が福島に目を向け、20mSv問題を初め多くの問題に対し政府の対応を注目してきました。
その中で「なぜ?」「どうして?」と感じる理不尽な出来事が、次々と解決されないまま通り過ぎて行きます。
山下問題はその中でとても分かりやすい問題だけに、余計ネットと現実のギャップを感じてしまいます。
次の2枚の写真からも、何とかしたいという思いは強くなります。

ネット上でこれだけ長期間批判を集めている学者ですが、9/12日本財団「国際専門家会議・放射線と健康リスク―世界の英知を結集して福島を考える」で、世界の学者を前に堂々と話し健在振りをアピールしています。

国際会議
9/12日本財団「国際専門家会議・放射線と健康リスク―世界の英知を結集して福島を考える」で、世界の学者を前に話す姿

原発事故以来、放射能から子供たちを守るため、必死に活動を続けている市民団体の中手聖一さん。
8/27の市民集会でも山下問題を取り上げ、必死に訴えていらっしゃいました。

中手さん
8/27「第2回核・原子力のない未来をめざす市民集会」にて、山下問題も取り上げ必死に訴えている姿。
→→動画1:51:09~

県外でも福島までは出て行けないが、山下問題は許すことは出来ないと思っている人は多いはずです。

山下問題を進展させるためには今回の署名数から判断した場合、ネット情報を入手できない人たち、マスメディアの影響を強く受けている人たちに、いかに事実を伝えていくかその方法が大きなポイントだと思います。

そのためにも正しい現状認識を持たなければと、つくづく反省しています。
具体的方法を考えるに当たって、もう少し現地の状況を把握することに努めたいと思います。
[2011/09/05 22:04] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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