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2011/09/10

米本和広さん代理人による「警告書」(笑)を公開する

9月9日(金)霊商法被害弁連の集会に出席。満席の会場。統一教会信者Uがストーカーで逮捕、起訴され、裁判が続いている。その被害者Kさんの証言が興味深かった。ルポライター米本和広さんから彼女に届いた慇懃無礼な手紙が映像で公開された。ブログで被害者の名前を公開したことに対する言い訳だ。会場からは呆れたといったため息があちこちで漏れていた。私は統一教会の現状、別働隊である尾行・盗聴・盗撮グループ「白い旅団」の動向や統一教会本部職員が興信所を雇っていたこと、事実無根の名誉棄損の記述をブログで広げることで謀略勢力と連動する米本和広さんの主張を報告。さらに届いたばかりの米本さん代理人による「警告書」も紹介した。文書は私が米本さんを統一教会を利するという意味で「御用ライター」だと評価することを「虚偽」だとする。冗談ではない。虚偽ではなく事実である。根拠をいくつか示そう。

(1)統一教会本部(渋谷区松濤)の前にある「愛美書店」では教会関連書籍が販売されている。そこには統一教会のいう「拉致・監禁」(実際には反社会的行為を繰り返す組織から子供たちを脱会させる家族の営為)を批判する米本さんの『我らの不快な隣人』が平積みされている。発売当初は「配慮」(信者の証言)から置いていなかったが、キャンペーンが行われるようになってからは、大量に購入するようになった。

(注) 米本和広さんと依存関係にある統一教会系「光言社」の小林浩(信者)社長。ブログでつまらない詭弁を吐いている。米本さんも「爆笑」とうれしそうだが、まったく虚しいカラ笑いだ。U裁判でも傍聴席で大笑いして裁判長に注意されていたという。「ゆとりがあると見せたいんでしょう」と傍聴者は感想を述べている。統一教会信者とはぐれ信者だけに支援されているのだから心情察してあまりある。「愛美書店」に米本さんの著作が「いま」置かれていないことは、かつて置いてあったことを現認したように、原稿を書くとき書店に確認している。それを「平積みされている」と表現したから、「いまでも」あると書いたと批判する。

 日本語の時制がまったく理解できていない。「いる」とは補助動詞で「ある動作、作用が行われない状態の継続を表わす」(『日本国語大辞典』)。最初は「置かれていなかった」ものがあるときに「置かれるようになった」経過を表現しているにすぎない。後段の「なった」に対応して読むべきで、「いま」置いてあるとはどこにも書いていない。

 「愛美書店」に私たちが書いた『脱会』が置かれていたこともある。そんなことは百も承知だ。米本さんに便宜を計った小林社長は、「愛美書店」で販売されていたから私も統一教会の「御用ライター」だとうれしそうだ。平常な思考があるならば低俗な詭弁だと容易にわかる水準の「忠言」だ。「愛美書店」が米本さんの著作を置いていたのは、統一教会の信者たちに肯定的に普及するためである。『脱会』を置いていたのは、統一教会に反対する私たちを批判・警戒するためのテキストとしてである。文脈が読めない懲りない面々である。狙いは問題を枝葉末節にすり替えることである。

 米本さんは「1年余り深い付き合いがあった」(米本さんの文章)女性と統一教会についてしばしば語り合っていた。ところが女性から昨年8月上旬に別離されると、「なんだったのかあの一年は」「心が冷え冷えしてくる」と5月20日に手紙を送り、「火の粉ブログ(注、米本ブログ)…、有田つぶやきへの返信などなど公開の場はたくさんありますが、その前にときおり、この住所や実家に(家人が読める)を出すことにします」と脅し、7月25日には実際に葉書(「さいたま局」消印)を送っている。不本意ながらこんなことまで書かざるをえないのは、米本さんが統一教会別動隊の尾行・盗聴専門の謀略グループ「白い旅団」と連動しているからだ。「白い旅団」統一教会「反対派」(弁護士、牧師、キリスト教関係者)の女性スキャンダルなるものを完全に捏造、その内容をブログで紹介した。米本さんはそれを事実と判断してブログで拡散した。他人について捏造された虚偽を公開する米本さんこそそんなことが言えるのか。「白い旅団」が創り上げた下品な捏造でなく米本さんの事実を最小限明らかにした理由だ。小林社長には米本さんの手記を「光言社」から出版して「愛美書店」に平積みすることを提言する。

(2)米本さんは2009年春に足立区と荒川区の青年信者たちに「手相勧誘、頑張ってますか〜」と1時間半ほど講演を行った。この集会のことを米本さんはブログでこう書いている。〈「拉致監禁をなくす会」は、青年信者を対象にした勉強会の企画を考え、会のメ ンバーが北東京教区の教区長さんに申し入れました。当日、主催者側として参加したのは「拉致監禁をなくす会」から2人、それにゲストとして私。聴衆者は同教区の青年信者350人弱(大半は女性)。500人の青年信者がいるそうですから、かなりの信者が集まったわけです。私が会場で配ったのは、レジュメとPTSDに関する精神科医の論文などでした。会場となったのは足立教会の大広間。教区の幹部によれば、統一教会に批判的な人間が大広間でしゃべるのは、教会始まって以来のことだそうです〉。会場では『我らの不快な隣人』を販売、50冊ほどが売れた。

(3)米本さんはこの本の一部をハングルに翻訳してもらい、文鮮明教祖の4男で「拉致・監禁」問題を指導する国進氏に読んでもらうよう依頼している。

(4)米本さんは信者が組織した「拉致監禁をなくす会」代表の小出浩久さんから顧問就任を依頼されるほどの信頼関係を築いている。それもそうだろう。メンバーしか交流できない「メーリングリスト」で会員を「指導」していたのが米本さんだ。たとえばこんなことも書いていた。「後藤さん(注1)、「~~被害者の会」(注2)のサイトづくりは人不足のようです。エネルギーが余っているこの総務さんを サイトの共同管理者にし、いろいろやってもらえばいいのではないかと思います。文クッチンさんもきっと褒めてくれるに違いないと言えば、飛び込んでくると思いますが」。こんな記述は枚挙にいとまがない。

(注1)後藤徹さんのこと。 「拉致監禁をなくす会」副代表。12年5か月「拉致監禁」されたというが警視庁も東京地検も完全否定、東京第4検察審査会も「不起訴相当」と 判断。
(注2)「全国拉致監禁・強制改宗被害者の会」のこと。このサイトでも米本さんの著作は「お薦め本」として紹介されている

(5)何よりも統一教会最高幹部は私に「(米本さんは)利用できる」と語っていた。米本さんが取材の便宜を図ってもらっていた内部証言もある。

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