前書き
はじめまして、地雷Gと申します。
真・恋姫†無双 のSSを読んでいたら久方ぶりにHENTAIを書きたくなったので、筆を取らせていただきました。
本SSは最近見る事が少なくなったHENTAIものです。
内容としましては、蜀陣営モノっぽい劉備ちゃんよいしょかつおっぱいで中二病な話に急展開と無理やりなギャグを混ぜ込んだ物となっています。
時代考証、史実との噛み合わせは諦めているので、地雷作品です。
ただ勢いと雰囲気を楽しんでください。
「3話ぐらいで更新しなくなるパターン乙wwww」と嘲笑して頂ければ。
独りよがりな自慰めいた拙作ですが、楽しんでいただけると幸いです。
――――――序
まだ、俺が幼かった頃、彼女に恋をした。
力は強かったものの、ただの一兵卒でしかなかった俺に気さくに話しかけてきてくれた。
恐らくは、そんなことが切っ掛けであったのだろう。
生憎と、俺は自分の大切な記憶であるはずなのに、自分が彼女に恋に落ちる瞬間を覚えていない。
気が付けば、彼女のことが好きだった。
どこにでもあるような、そんな初恋だ。
彼女は物腰が穏やかな人間だ。しかし、同時に腹黒い面も多々見受けられるから油断ならない。
俺の気持ちに気が付いているのだろう彼女は、いつも彼女の友人と一緒になって俺をからかってきた。
自分より背の高い彼女たちが意地の悪い笑みを浮かべて迫ってくる様は、未だにトラウマとして残っている。
ともあれ、幼い俺はからかいが恥ずかしいと同時に、彼女が俺にかまってくれることが嬉しかった。
そんなある日。
俺が、兵隊から将として取り立てられる事が決まった。
それは、少し前から俺が戦場で賊将の首を上げる事が多くなってきた為、上の人間から目を付けられたからだ。
もっとも、そんな事程度では俺のような村人に毛の生えたガキが取り立てられる事はない。
ただ、当時の俺はそんなことも分からずに、彼女に嬉しそうに報告をしたものだ。
『やったよ、ついに俺の力が認められたんだ!』
『そう、良かったわね。今日はお祝いをしましょうか?』
『見てて、すぐに追いついてみせるから!』
『あらあら、気合は充分ね』
彼女は嬉しそうに俺の言葉にそう返してくれたが、今にして思い返してみればそれほど驚いていなかったように思える。
それがつまりどういう事か。少しばかり年を経た今の俺には分かる。
恐らくは、彼女が俺を推挙してくれたのだ。
でなければ、たかが賊将の首を挙げた程度では一足飛びに将にはなれない。
そんな少し考えれば誰でも分かる簡単な事実に気が付かない馬鹿な俺は、その後将として少しずつではあるが経験を積んでいく。
もちろん、自分自身の鍛錬も欠かさずに行い、彼女に負けない武力を手にしたと自負している。
そして、いつしか身長も彼女を追い越した。
そんなある日だった。
珍しく、彼女がいつも湛えている微笑みではなく、真剣な表情で俺の部屋を訪ねてきたのは。
時は夜半。
月も出ていない新月の夜の事だった。
『結婚、することになったわ』
いきなりの言葉であった。
正直に言えば、俺は彼女がずっと俺のことを見守ってくれるのではないかと考えていたのだ。
現実は逆。
彼女は俺の傍から離れる事が決定していた。
『な、そんな…。誰とだよ!?』
『韓玄様、と仰るそうよ。城の太守だとか』
『誰だよ! てか、いつ恋仲になってたんだ!?』
『……恋仲ではないわ。だって、これは政のためだから』
『政?』
『そう。最近、劉璋様が劉焉様の後を継がれたでしょう? 劉璋様は老臣たちの支持が欲しくて、その中の一人に私を差し出すと言う訳』
『ふざけんな!!』
俺は激昂した。
好きな女が無理やり結婚させられると聞いて黙っていられるのは男じゃない。
と言うか、劉璋様は未だ幼いもののそんな無体なことを強いる人ではない。
別に黒幕がいるはずだと考えた俺は、居ても立っていられず直訴するべく主の部屋へと駆けだした。
『待って!』
『すぐに戻ってくる!』
俺はそのまま彼女が何か言っているのを無視して、劉璋様の部屋へと向かった。
しかし、そこで待っていたのは劉璋様ではなく、インテリヤクザと称される別の人物だった。
『お前、こんな所で何をしている? 劉璋様は?』
『……悪いが、』
少し大人しくしてもらおうか?
そう相手が呟いた瞬間、俺は室内になだれ込んできた大量の兵に取り押さえられてしまう。
そのまま、適当な理由をつけて営倉へと3日間叩き込まれた。
そして、俺が出てきた時には既に彼女は韓玄のものとなるべく旅立っていた。
『何故、あのようなことをしたのですか劉璋様?』
『だ、だって、朕がこれからも蜀を治めて民を守るには、そうするしかないって■■が……』
後日、オドオドと俺に言い訳にもならない事を言っていた劉璋様であったが、俺はそんなことも気にならなかった。
余計なことをしてくれた劉璋様よりも、俺を牢屋へとぶち込みやがったあの野郎よりも憎むべき相手がいる。
それは、俺自身だ。
あの時、彼女は俺に何を伝えようとしていたのか?
何故、あの時彼女の制止を振り切ってしまったのか?
それで、俺は彼女を悲しませてしまったのではないか?
本当に死ぬほど後悔した。
それから数年の後、俺はとある城に派遣させられることになった。
そう、それも――
『久しぶり、ね。逞しくなったわね』
彼女が夫の死後、城主となった城に。
久方ぶりにあった彼女は、最後にあった時よりもうんと女性らしくなっていた。
髪も伸ばし始めたのか、腰程度まで伸びている。
ただ、その優しげな笑顔だけは以前と変わりなかった。
ふと彼女の傍らを見ると、こちらを彼女の足に隠れて伺っている小さな少女の姿があった。
もしかしなくても、彼女の子供だろう。
彼女はあらあらとその少女の頭を撫でてやっていた。
その仕草は、以前俺がされていたものとなんら変わりはない。
同時に、俺は彼女がその子供を本当に大切にしている事が分かった。
かつて、俺がそうであったように。
瞬間、激しい憎悪が俺の中から沸き上がる。
その足元の子供を踏みつけ、得物で切りつけてぶち殺したい衝動に駆られる。
俺は、元来子供好きではないが、それでもここまでの嫌悪する対象ではなかった。
そう、俺はその子供が嫌いだった。今ここで殺したくなるほどに。
俺ではなく、韓玄との間に出来た子供と言う事からも俺がその子を好きになる義理はないのだが。
ただ、彼女の血も引いていることも分かっているので、なんとか好意的に見ようとするも、失敗。
心の奥底で蓋をして熟成していたはずの憎悪が沸き上がってくる。
気が付けば、ギロリとあらん限りの殺気を込めて睨みつけており、その子は小さく悲鳴を上げて彼女の背後へと隠れた。
そんな自分の子供の様子を見て彼女は驚いたように目を見張り、次いで悲しげな表情になる。
『貴方……』
俺は取りあえず、彼女が何かを言いきる前に笑顔で声をかけることにした。
これまで、幾度か彼女の噂話を聞く事はあったが、直接会うのは数年ぶりのこと。
話したいことは山ほどあった。
しかし、俺の口は思ってもみない事を口走ってしまう。
『久しぶり。相変わらず良い乳をしている。ジジイに揉まれてさらにデカクなったか?
むしろ、それに顔を埋めさせてください。ハァハァ、大丈夫、ちょっとだけへぶっ!?』
彼女の返答は、烈火のような怒りと拳だった。
黄忠伝