渡辺喜美レポート

菅直人増税路線「後継の大本命」野田新首相は、できるだけ早く国民に信を問え

民主党のマニフェスト詐欺は確定した

2011年08月31日(水) 渡辺 喜美
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〔PHOTO〕gettyimages

吸収の良いスポンジとの評

 野田佳彦首相が誕生した。衆議院は308票、参議院は決戦投票の結果、野田110票、谷垣禎一107票、白票24票(みんな11、共産6、社民5、新党改革2)となり、衆参別指名は起きなかった。

 参議院の過半数は121票ゆえ、野田佳彦110票に対し、みんなの党11票がキャスティングボート勢力であるとあらためて分かった。

 首班指名後、野田氏が各党回りをするというので所定の時間にみんなの党控え室に行ったら、すでに野田氏が汗をふきふき待っていた。松本龍復興担当大臣のように怒ることもなく、低姿勢であった。これが「ドジョウの政治」かと思ったが、総理になる人の重量感はなく、いかにも軽量級の印象だった。

 野田氏の発言の軌跡を辿ってみると、その政治信条が見えてくる。すなわち、「あなた色に染まります」。鈴木哲夫氏が週刊現代で言っているように、野田氏は「吸い込みのよいスポンジ」のような人である(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/16952)。

3つの論文でクルクル変遷

 野党時代は、政権交代直前の著書「民主の敵」において、次のように語っていた。

(1)官僚が天下りや保身を追及する最大の原因は現行の公務員制度だ、民主党が政権をとったら、天下りは根絶。

(2)2万6000人の国家公務員OBが4700の法人に天下りしており、これらの天下り法人に年間に12兆6000億もの血税が流れている。このカラクリを壊さない限り、どんな予算を組んでも経済危機を乗り切ることはできない。特別会計のムダ遣いはドンペリまで飲み放題。

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