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最終更新:2011年5月24日(火) 18時22分

東電、2・3号機でもメルトダウンと公表

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 事故発生から2か月以上。東京電力がようやく認めました。福島第一原発の事故で、東京電力は2号機と3号機でも「メルトダウン」が起きていたとする報告書を公表したうえで、圧力容器が損傷し、一部の燃料が格納容器にまで溶け落ちる「メルトスルー」が起きた可能性についても認めました。

 「こういった解析を事故発災当時にできなかったのかという話がありますが、原子炉への注水を安定的に継続させることに集中していたということになります」(東京電力の会見)

 24日に公表された東京電力の報告書。それによりますと、2号機は3月14日の午後1時25分に冷却機能がすべて失われ、水位の低下が始まりました。このまま水が減り続け核燃料が露出したと仮定すると、6時間半後の午後8時頃には、燃料が溶け始めたといいます。また3号機では、3月13日の午前2時42分に冷却機能がすべて失われ、6時間あまりたった午前9時頃に燃料が溶け始めたとみられます。

 JNNの取材に対し、複数の政府関係者は1号機から3号機でメルトダウンが起きた可能性をすでに認めていました。これまで「データが得られていない」として評価を見送って来た東京電力。しかし、分析の結果得られたシナリオはそれだけではありませんでした。

 1号機から3号機。「メルトダウン(炉心溶融)」はそのすべてで起きていました。東京電力は分析の結果を、こうまとめています。

 「炉心は一部溶融したものの、圧力容器の損傷には至っていない。ただし、実際の水位がより低い状態を想定した場合には、圧力容器の損傷に至るとの解析結果となる」(報告書より)

 一読すると、さほど大きな事態に至っていないようにも見えます。しかし、カギとなる「水位」。現在、水位計は「水が燃料棒の半分まである」と表示されていますが、1号機同様故障し、ほとんど水が溜まっていない可能性が高いのです。東京電力も「水位が表示より低かった場合、燃料のほぼすべてが圧力容器の底に溶け落ちた可能性が高い」と分析しています。

 さらに・・・。
 「高温の溶融したペレットが触れることで、(圧力容器の底が)損傷受けている可能性はあると思っています。燃料そのものも一部は圧力容器から格納容器に移っている、落下していると」(東京電力の会見)

 燃料が溶け落ちる「メルトダウン」。さらに、溶けた燃料が圧力容器を壊し外側の格納容器にまで達する、いわゆる「メルトスルー」が起きた可能性についても認めたことになります。

 「継続的に炉心に注水することで、今後、大きな事象の進展はないと考えています」(東京電力の会見)

 「事態は悪化しない」。その言葉を信じることはできるのでしょうか。(24日17:23)

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