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幼女4時間物色 単位不足で将来に悩み

 熊本市内のスーパーで清水心(ここ)ちゃん(3)が殺害され、遺体で見つかった事件で、死体遺棄容疑で熊本県警に逮捕された熊本学園大2年山口芳寛容疑者(20)が最近、教員を目指していたが単位が取れず、将来を悩んでいたことが5日、分かった。一方、県警は同容疑者が事件約4時間前から現場にいたことなどから、幼女を物色し、計画的連れ去りを狙っていた可能性があるとみて、当時の心理状態などを捜査。「口をふさぎ、首を絞めた」と供述しており、殺人容疑でも調べている。

 山口容疑者は最近、将来に悩んでいたとみられる。熊本学園大によると、福祉環境学科に所属する同容疑者は昨年12月、単位不足を指摘され大学職員と面談。「このままでいいんだろうかと思うことがよくあり、家にいることが多くなった」などと胸の内を漏らしていたという。

 同容疑者は社会科教員を目指していたが、1年生で教職の必修4科目のうち3科目で落第し、うち1科目は2年生で再び受講したが、落第していた。落第理由の大半は出席日数不足。面談では「授業にはあまり出ていない。サークル(図書館学研究会)にも最近は行っていない」とも話していたという。

 同科に通う女子学生(20)は「1人でいることが多く、1年生の秋以降、学校ではほとんど姿を見なかった」と証言した。

 心ちゃんは3日夜、熊本市に住む父親、介護士清水誠一郎さん(39)ら両親、兄(5)と一緒にスーパーに買い物に来たが、1人でトイレに行っている間、行方不明に。約800メートル離れた坪井川で遺体で見つかった。

 山口容疑者はこれまでの調べに「(スーパーの)障害者用トイレの中で心ちゃんの口を片手でふさぎ、もう一方の手で首を絞めたら亡くなってしまった。自宅には家族がいるので処理に困って川に捨てた」と供述。死因は首を絞められたことによる窒息と判明したが、明確な動機は不明のままで、県警は当時の心理状態なども含め、殺人容疑でも調べる方針だ。

 一方県警は、山口容疑者が現場スーパーに来る幼女を狙い、計画的に連れ去ろうとしていた疑いがあるとみて、裏付け捜査を開始した。同容疑者は、事件約4時間前の3日午後4時ごろから、このスーパー内を徘徊(はいかい)。従業員の証言によると、同午後6時ごろには、同容疑者とみられる男が、現場の店内トイレ近くの椅子に座り、通路を見ていたという。

 スーパーの常連客女性は、山口容疑者に似た男が以前にも店内トイレ周辺でうろうろしているのを何度も見かけたと証言。県警ではこれらの情報についても確認を急ぎ、大学生活の悩みなどが凶行の背景にあるのかどうか、調べている。

 [2011年3月6日8時39分 紙面から]

キーワード:

死体遺棄容疑

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