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2011年03月20日 久米宏と池上彰の『ニュースなんですけど」 おかわり

[]「久米宏のラジオなんですけど」(TBSラジオ)今週のスポットライト!!ゲスト:池上彰 コーナー後の雑談 書き起こし。 「久米宏のラジオなんですけど」(TBSラジオ)今週のスポットライト!!ゲスト:池上彰 コーナー後の雑談 書き起こし。を含むブックマーク 「久米宏のラジオなんですけど」(TBSラジオ)今週のスポットライト!!ゲスト:池上彰 コーナー後の雑談 書き起こし。のブックマークコメント


「久米宏のラジオなんですけど」(TBSラジオ)今週のスポットライト!!ゲスト:池上彰

http://d.hatena.ne.jp/toshi20/20110319#p1

 えー。19日の「久米宏のラジオなんですけど」の、久米宏・池上彰両氏の、ラジオ上での対談を書き起こしたエントリは、こちらの予想をはるかかなたまで上回る大・大・大反響を頂きまして、多くの方にアクセスしていただき、アップ後数日ではてなブックマークにて総計1000users超えを果たすほどでございまして、まことにありがたいことでございます。

 で、そのエントリのコメント欄にも書かれてました通り、このコーナーの後にも、二人の雑談が放送されておりまして、続きを書き起こして欲しい、という要望がいくつがありましたので、読んで下さった方々への御礼も込めまして、その続きを書き起こしておこうと思います。


 あくまでも、19日のエントリのおまけ、としてお楽しみください。




♪本が読める、本が読める、本が読めるぞー♪

(承前)

(CM明け)

久米:今、CM中に色々お話してたんですけど、あのー、テレビにお出になる以外にも、随分よくまめにごらんになってますねー。

池上:(いきなり話振られて)はえ?あー・・・。

久米:テレビ。

池上:テレビ?いや、あの実は仕事場にテレビがないんですよ。普段、テレビはまったく見ていないんですが、あの、テレビに出演するときに、ちょっと時間があって、待機してたりするでしょ?

久米:うん。

池上:そんときに、たまたまテレビ見ているだけなんですよ。

久米:あのー、子どもの時からずっと読書一本みたいな・・・ご趣味がね。

池上:はい。そうですね。

久米:お酒も飲まなきゃなんにもしない。とにかく読書。

堀井:ふうーーーーん。

久米:読書量も・・・年間何冊お読みになってますか?そんな時間が?

池上:いまはーー・・・ねー。随分減ってます。えー、5、60冊に減ってますけど。NHK時代は年間300冊でしたね。

久米:年間300(冊)は結構大変ですね。

池上:(通勤の)往復で、大体2時間くらいかかりますから、大体新書一冊読めますでしょ?

久米:電車の中で?

池上:ええ、電車の中で。

久米:なるほど。では来月からは好きなだけ本が読めると。

池上:・・・ええ!(嬉しそうに)もうそれは大変期待してるんですが。

久米:普通は(バラクーダ「日本全国酒飲み音頭」の)♪酒がのめるぞー♪なんですけどねー、♪本が読めるぞー♪なんですよ。

池上:ええ!ほんっとにもう。

堀井:お仕事がまだちょこっと残ってるんですか?

池上:いやあの、締め切りが迫っている書き下ろしの本がたくさんあります。

久米:この後の出版社との打ち合わせで、時間がもうねー、迫っているんですよ。出版社なんか待たせときゃいい、ってもんなんですよ!

堀井:拘束してますけどねー(笑)。

池上彰、文具へのこだわり。

久米:あのー、一応ゲストには「器」ってのを持ってきていただいてて、いつも携帯している筆記用具って、あ!ポケットに入ってらっしゃるんだ。

池上:ええ、はい。えーと、こだわりのものが・・・

久米:ばらばらに入れてるんだ!4本!

池上:こだわりのものがですね。

久米:それ、ペンケースの中に入れないでばらばらに「じゃぼー!」って突っ込んどいて・・・

池上:いまはたまたま、タートルですけれども、普通のシャツの場合、シャツの胸ポケットにですね、これを全部4本入れてるんです。

久米:見ましたよ!

堀井:いたって種類もばらばらですよー。

久米:メーカーも種類もばらんばらんで!

池上:これはシャープペンシル、ボールペン、ノック式の消しゴム、それからこれは・・・ペンですね!

久米:それはNHKの記者時代からずっと?

池上:そうですね。

久米:それくらい持って歩いてる?

池上:ええ。常に分けてました。

久米:なんかあったら、メモを取る。

池上:はい。

久米:夢を見たら起きてすぐ書く、っていう。

池上:はい、えー、たとえば「こどもニュース」やってる場合は、模型のアイデアをひたすら考えていて、なかなか思いつかない。あきらめて風呂に入る。

風呂に入った瞬間にアイデアを思いつくんですよ。模型のイメージがわくんですよ。これを私は「アルキメデスの法則」(「アルキメデスの原理」(浮力)と「アイデアが浮かぶ」をかけた池上ジョーク)・・・と自称しておったわけですが。

久米:へへへへ(苦笑)、やっぱ・・・「浮く」んですかねー、風呂に入ると。アイデアが。

池上:血の巡りがよくなって、急に自由な発想をするんですね。そんときにすぐ裸で外に飛び出して、忘れないようにメモしてまた、入る、と。

堀井:書くものはありますけど、何にメモするんですか?

池上:あ、これ例えば、手帳に予定を書いたりしても、とりあえず仮で、押さえておいて、あとで最終的に決まるかどうかわからないので、いつでも消せるように鉛筆。それもこだわりがありましてね、これ、速記用の、太さが0.9ミリなんです!

久米:こないだ速記者の方に来ていただいて、・・・プロの速記者に。

池上:はい。

久米:あの方達が使う速記用の・・・書きやすいですか、やっぱり。

池上:はい、書きやすいです。と、同時に芯の堅さがHBでは堅くてひっかかるので、2Bなんですね。

堀井:はあー・・・。こだわってますねえ(笑)。

池上:はいー(誇らしげ)。

久米:デッサンも出来るくらいのやわらかさですよね。

池上:はい、で、ボールペンも1.6(ミリ)なんですよ。

堀井:はい。

池上:きわめて太い文字が書けるんですよ。

堀井:はい。(機械的)

久米:あ!ほんとだ!

池上:ぐいぐいぐいー!とね。書けるでしょ?それもこう、すらすらすらーっと!

堀井:ふといですねえ(適当)

久米:書き味のよさを追求してらっしゃって。

池上彰とバブルな人々

久米:まあ、テレビで、・・・最初の話に戻りますけど、今月いっぱいでテレビ・ラジオ全部やめるんですけど。この、引く手あまたの中で、やめていくテレビなんですけど。テレビってのは、タレントさんにしても、人にしても、使い捨てとか、消耗品扱いにするとかいうことをあちこちで言われるんですけど、ご自身でも、「今、バブルだ」っていうご自覚があるんですか。

池上:ええ、そうです!(即答)もうほんと、去年はバブルだったなって思っています!ええ、去年、流行語大賞の中に「いい質問ですね」ってのが選ばれて。ああいう表彰式出るのがいやなもんですから、出ないで、テレビ局の人にメッセージを託したんですが。そんときに「バブルだと思います」と書きました。

久米:そいであのー、3人くらいバブルいるんじゃないかって。

久米・池上:(爆笑)

池上:言ったねー(笑)。はい、去年1年間の3人のバブル・・・。戦場カメラマン、マツコ・デラックス、池上彰!

久米:(爆笑)

池上:「バブルトリオ」と私は言っておるんですけどもね。

久米:はい(笑)、バーブール・・・だって自覚はあるからすぱっと辞めるって気もあるということですね。

池上:まったくその通りです。(キッパリ)。はい、これは異常だよ、と。ええ。そりゃニュースをわかりやすく解説してごらんいただける方が大勢いらっしゃるのはありがたいんですが、こんなにみんな知りたかったんだっけー?・・・って思いがどっかにありますよね。

「学べるニュース」の役割とその終焉

久米:・・・・あのー・・・・視聴率がいいって、どうご判断なってますかね。ニュースの・・例えば言葉にしてもね、「東日本が50ヘルツで。西日本が60ヘルツで、これはどうしてなのか?」ってことをそんな大勢知りたがる方が多いのか、ってのはどう思います?

池上:いや、それは「知りたいんだろうな。」と思うから、説明をするんですけどね。

久米:うーん。

池上:ええ。

久米:ボクはテレビで見なくたって、解説書を見れば書いてあることなんだから、なんでそれをテレビで見て知ろうとするのか、がボクの疑問なんですね。そういうことは、自分で、今、ネットでみられちゃうのも結構欠点ですけど。

池上:はい。

久米:本を探して自分で調べて、たどり着いた時が一番うれしいじゃないですか。

池上:はい、その通りです。

久米:それの喜びをなしにして、いきなり池上さんに教えていただいちゃって、「ああ、面白かった」ってのはちょっとねー・・・知的探求心を満足させる方法としては、ちょっとショートカットすぎるんじゃないか、と思うんですけどね。

池上:まったくその通りですね。なので。私はただ「これはこういうことなんですよ。」ではなくて、「あ、面白いんだな。」と。「ニュースって面白いんだな。ニュースってこれまで難しいと思ってたけど、あれ?説明を聞くと面白いんだな。」と思っていただければ、そこから先、本屋さんに行って本を買ってもらうとかですね。そういう風にそのきっかけになってくれればいいな、と思ってるんですよ。先日、中国新聞という広島に本社のある新聞社の社長・・・ま、昔一緒に仕事したことありまして、話をしたんですが。木曜日に中国新聞の新規購読者が増える、て言うんですよ。水曜日に「学べるニュース」が放送された後、翌日にですね、新聞の勧誘に行って「昨日、池上さんがこうやってニュースを解説してましたよねえ?やっぱりニュースは、知ることが必要ですよねえ?」っていうと、「おお!そうじゃそうじゃ!」と言って新聞を買って(契約して)くれる。新聞の新規購読が増える、って言うんですよ。「あ!これはいいことだな!」と。

久米:素晴らしい話ですね!

池上:木曜に本がよく売れるそうですよ。ニュース解説の本が。これは、うれしいな、と思います。むしろ、そういう風になってほしい。だから、私がなんでもやさしく解説しちゃうのはいけないな。だから、この辺で姿消そう!という思いもあるんですよ。

池上彰が語る引き際

久米:でも、後継者は出てきますかね?だれか。

池上:・・・あ!これはいくらでも出てきます。ベテランがずーっといて、「若い奴にはゆずらない!」ってことやってるから、若い人が育たないだけだと、思うんですよ。

久米・堀井:・・・・・・。(苦笑)。

池上:・・・なんで今、顔を見合わせて・・・。

久米:・・・いやあ(笑)・・・どおー・・・。

池上:(付け足すように)テレビの話ですよ?ラジオの話なんかしていませんよ。

久米:テレビはそうだと思いますね。あのー、ある程度の人はリタイアした方がいい。次の人、後進が出てくるためにはね、いなくなった方がいいなって、それはぼくはまったくその通りだと思います。

池上:まあ、「誰が」ってことは言いませんけれども、まあ、逆に言えば若手が、もう「ジジイは早く出てけ」と追い出すくらいの力を持って欲しいと、ほんとは思うんですけど。

久米:(コメントしづらそうに)うーん・・・。

池上:大丈夫ですよ。年寄りがいなくなれば、若い人は育ってきますよ。

久米:・・・ふっ。えへへへへへへ。(苦笑)

池上:なんとも言えない空気が今、スタジオの中に流れてますねえ(笑)。

堀井:(食い気味に)お二人ともなんか引き際が同じ「境遇」だっただけに・・・

久米:「境遇」ってお前・・・

池上:「境遇」とは言わないんですぅ。

久米:言葉がちょっと、変なことになってますね。

堀井:失礼いたしました。

池上:同じようなカタチで「引き際が美しかった」と!

久米:(大爆笑)。

堀井:うつくしかった・・・はい。

池上:「自分で言うかなー、美しかったって。」てね。

久米宏が語るテレビの残酷さ

久米:健康状態はどうですか?

池上:え。あの、首から下は何の問題もありません。

久米:・・・そうなんだー。それは首から上って、(頭とか)そういう話はあまりしない方がいいんですか?

池上:いえいえいえいえ(笑)、これは単に謙虚にそういう言い方をしているだけで、はい。

久米:あれですよね、テレビって不思議なもんで、本質じゃないところが気になっちゃったりして、これ、ラジオで言っていいのかどうか、分かりませんけどね。原子力保安院の人のね、あのカツラだけはやめて欲しい。

堀井:や、ちょっと!そんなことないですよー。

久米:いや!これが気になるのがテレビの本質なんですよ!なにが残酷かって、これがテレビの現実なんです。テレビのやなとこってそういうことなんですよね。保安院の人が一生懸命説明してくれて、深刻な事態なんだけど、「 あ の カ ツ ラ や め た 方 が い い ん じ ゃ な い か な ー 。 」って思っちゃうのが、テレビの本質なんです。だからボクはテレビが好きになれないところがあるのは、そういうとこでもあるんです。映って顔をさらす、ってことはね、実はそういうことなんだよね。

池上:だから、記者会見の大事なときに「・・・ネクタイが曲がってるなあー」

堀井:話より(見た目の)印象の方にね、(注意が)多く行ってしまいますからね。

久米:画像ってのはね、余計なインパクトを与えるかってことですよね。ありがとうございました。首から下は健康ってことで。えへへへへ(笑)。

池上:ありがとうございました。

久米:ありがとうございます。最後のチャンスに出ていただいて感謝しております。

池上:いえいえ、こちらこそ光栄です。ありがとうございました。

堀井:ジャーナリストの池上彰さんが、今日のゲストでした。池上さん、ありがとうございました。

池上:失礼します。