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SmaSTATION-6 特別緊急企画 共演者・関係者が初めて語る 俳優・木村拓哉
12月1日より公開となっている山田洋次監督最新作、木村拓哉さん主演「武士の一分」。 毒により光を失ったことで、ささやかな幸せを踏みにじられた木村さん演じる下級武士の苦悩と誇りを、山田監督がリアルな表現で描きだした作品です。デビューから15年。木村さんは、これまで数々のテレビドラマの主演を務めてきました。出演作品はいずれも驚異的な高視聴率を獲得、演じる役が発したセリフは流行語となり、劇中で着た衣装は流行となってきました。演じた役柄、その主人公の生き方に人々は共感し、年齢性別を問わず多くの視聴者を魅了してしまうのです。それほどまで人々を惹きつける木村さんの魅力を、徹底検証します。
蜷川幸雄氏に叩き込まれた役者としての基本

1972年11月13日生まれ、現在34歳の木村拓哉さんは、1991年9月、SMAPのメンバーとしてCDデビューを果たします。そのとき木村さんは、18歳。香取さんは、13歳でした。このCDデビューからさかのぼること2年、木村は、あの大物演出家のもと、役者デビューを果たしています。1989年、日生劇場で上演された蜷川幸雄演出「盲導犬」です。桃井かおりさん、財津一郎さんらと共に、ステージに立った当時17歳の木村さん。役は、駅にたむろするフーテン少年でした。当時から徹底した演技指導で知られていた蜷川さんは、木村さんをとことん追い詰め、木村さんは、後ろ髪が白髪になるほどプレッシャーを感じていたといいます。

蜷川幸雄さん (演出家)
「噂では、影で泣いたり、帰り道に、ポリバケツを蹴っ飛ばしながら帰っていったって。それはね、16、7歳に唐十郎のお芝居は難しいですよ。でも、そのなかで、桃井かおりさんとか、ああいう上手い、うるさい大人たちのなかでもまれて、キラキラして、みんなに愛されていたし。ああ、こいつは良くなるなと思っていました」

日本を代表する演出家のもとで役者としてのあり方を叩き込まれた木村さんは、SMAPとしての活動と共に、テレビドラマの世界で役者としての存在感を放ちはじめます。1993年10月からフジテレビ系で放送された連続ドラマ「あすなろ白書」は、男女5人の大学生活を恋愛模様をベースに、苦悩や悲しみ、そして、友情の大切さを描いた青春グラフティー。平均視聴率27%と、93年の最高を記録したほか、最終回では31.9%を記録。木村さんは、主演ではなかったものの、圧倒的な存在感を見せつけ、その名が全国に広まるきっかけとなったドラマでもあります。そして1994年。SMAP全員が出演した映画「シュート」が公開されます。全国大会を目指す高校サッカー部が、さまざまな逆境を乗り越え、夢を実現させるこの青春映画で、天才サッカープレーヤーを演じた木村さんは、第7回石原裕次郎新人賞を受賞します。同94年、フジテレビ系の連続ドラマ「若者のすべて」で夢も希望もなくした青年を演じた木村さん。この役で、役者としてさらなる飛躍を感じさせることになります。1995年には、自身2作目となる映画「君を忘れない」に出演。唐沢寿明さん、反町隆史さんらと共に演じたのは、第二次世界大戦末期の特攻隊員。7人の個性あふれる若手パイロットたちが、過酷な訓練を乗り越え、反発し、時に助け合いながら成長していく姿を描いた戦争映画でした。1996年には、田村正和さん主演の人気ドラマ「古畑任三郎」にゲスト出演。爆弾処理の専門家という役で登場した木村さんは、些細な理由で爆弾騒ぎを起こし、果ては殺人をも犯してしまうという役を演じました。この作品で、木村さん演じる犯人は、田村さん演じる古畑に殴られるのですが、古畑が犯人を殴ったのは、放送された全42話のなかでもこの回だけなのです。

三谷幸喜さん (「古畑任三郎」脚本家)
「古畑は、感情をあまり表に出さない人間なんですけど、一瞬なんだけど、カッとなる瞬間を作りたくて。じゃあ誰に対してなら、彼はカッとなるかと考えたら、木村さんが頭に浮かんできて。若くてかなりの自信家で、しかも、犯罪を犯す動機というのが、自分の部屋の窓から見えていた時計台が、遊園地の観覧車ができて見えなくなったので、観覧車を爆破しようという、自分本位で始まった事件なので。その時だけ古畑が怒るんですね。で、木村さんを、バックハンドで殴るんですよ、最後に。実は、それがやりたかったんです」

古畑シリーズには、1999年1月、SMAP全員が実名でドラマに登場した「古畑任三郎 vs SMAP」も話題をさらいました。斬新な試みが話題を呼び32.3%の高視聴率を記録。この人気ドラマの中で、犯人役を2度演じたのは、木村さんだけなのです。

社会現象を巻き起こした「ロンバケ」で不動の地位を確立

そして1996年4月。ついに、連続ドラマ初主演作品に巡り合います。フジテレビ系の「ロングバケーション」です。結婚式当日に相手に逃げられた山口智子さん演じる南と、ピアニストを夢見る木村さん演じる瀬名との同居生活をコミカルに描いた恋愛ドラマ。平均視聴率29.6%という驚異的な数字を記録し、「月曜日の夜はOLが街から消える」と言われるほどの人気に。撮影で使われたマンションは、「セナマン」と呼ばれ一大観光スポットとなり、さらに、ピアノ教室に通う男性が殺到するなど、「ロンバケ現象」といわれるほど支持を集めました。ちなみに、瀬名がピアノを弾くシーン、実際に弾いていたのは、他ならぬ木村さん本人でした。「ロングバケーション」以降、主演俳優として連続ドラマに欠かせない存在となった木村さんは、さらに、同年、田村正和さん、宮沢りえさんと共演したTBS系ドラマ「協奏曲」、翌1997年、フジテレビ系「ギフト」と立て続けに出演。そして、同年10月からフジテレビ系で放映されたのが、木村さんが初めてサラリーマンを演じたドラマ「ラブジェネレーション」。誰にでも起こりそうな日常的な出来事を描いたラブストーリーで、幅広い層に受け入れられ、平均視聴率は30.8%を記録し、フジテレビ月曜9時枠の連続ドラマでは当時の最高記録となりました。1998年には、TBS系の2時間ドラマ「織田信長 天下を取ったバカ」で、自身初となる本格的な時代劇に挑戦。“うつけ”と呼ばれた若き日の信長を、木村さん流に演じ、役者としての幅の広さを感じさせた作品となりました。同年10月には、中山美穂さんと共演したフジテレビ系ドラマ「眠れる森」が放送に。手に汗握る緊迫したサスペンスと、謎が謎を呼ぶミステリアスなストーリーで、注目を集め視聴者を釘付けにした話題作です。そして、2000年にTBS系で放映され記録的な高視聴率を記録したのが、「ビューティフルライフ〜ふたりでいた日々〜」です。人気美容師と難病を抱える車椅子のヒロインとのロマンスを描いたラブストーリーは、平均視聴率32.3%と歴代連続ドラマの1位を記録。最終回は、なんと41.3%という視聴率を叩き出しました。翌2001年、フジテレビ系で放送された「HERO」は、型破りな検事が真実を追う姿が共感を呼び、全話視聴率30%超えという快挙を達成。“俳優・木村拓哉”の絶大なる人気を証明したのです。2001年の年末には、自身2度目となる時代劇で主演を勤めたフジテレビ系のスペシャルドラマ「忠臣蔵 1/47」が放送に。木村さんが演じた剣豪・堀部安兵衛は、忠臣蔵四十七士の中で、唯一人を斬った事のある人物。その堀部を中心に描いたこの作品は、数ある忠臣蔵作品のなかでも異色作として注目されました。

堤真一さん (「忠臣蔵 1/47」で共演)
「侍の格好をしていたこともあったんでしょうけど、武士でしたね。精神の武士というか、非常に礼儀正しかったし、周りのこともすごく気配りをしていましたし。劇中で矢を撃つシーンがあったんですけど、そういうのも、昔にやったことがあるみたいな話だったんですけど、撮影でバシッと決まるんですよ。『こいつ、何者だ!?』って感じですよね」

ドラマ、映画とさらに広がる作品への飽くなき探究心

2002年には、明石家さんまさんとフジテレビ系の連続ドラマ「空から降る一億の星」にダブル主演。このラブサスペンスは、超大物同士の共演ということもあり、大きな話題となりました。2003年には、木村さんの新たな魅力を見せ付けたTBS系の連続ドラマ「GOOD LUCK!!」が放送になります。木村さん演じる新米パイロットが、様々な人間模様のなかで大きく成長していく様を描いた感動のドラマは、平均30.6%という高視聴率を記録しました。2004年には、アイスホッケーに情熱を燃やす青年の奮闘を、選手間の人間関係やそこに絡む女性との恋愛模様を織り交ぜて描いたフジテレビ系ドラマ「プライド」が、話題となるとともに、5年の歳月をかけ完成した映画「2046」が公開に。この作品は、カンヌ国際映画祭のコンペティション参加作品として上映され、木村さんも初のレッドカーペットを体験しました。さらに、同年11月、初の声優にチャレンジした宮崎駿監督作品「ハウルの動く城」も公開されます。2005年には、たくさんの子供たちと共演したフジテレビ系連続ドラマ「エンジン」の主演を、今年7月には、特別編として「HERO」が放送になりました。

様々な役柄をこなし、どんな作品でも人々を魅了してきた木村拓哉さん。そこで、共演者・関係者のみなさんに聞いてみました。

堤真一さん (「GOOD LUCK!!」などで共演)
「(「HERO特別編」のとき)僕は、木村さんと中井貴一さんの芝居を見てて惚れ惚れしてました。男が見ているだけで魅了されるっていうのは、まず僕は無いんですけど、ホントに見とれてしまいましたね。撮影の合間、ふたりでよく話をしてるんですけど、その間はバカ話しかしてないんでね。あまり言えないことの方が多いですね(笑)。木村君に教えてもらったことは覚悟ですね。自分がやるっていう責任感と覚悟――それをひしひしと感じましたね。やっぱり、役者としてでるかぎりは覚悟を決めてやれ、っていう彼の生きざまを見て学びました」

大多亮さん (フジテレビ・「プライド」などをプロデュース)
「『ものづくりの現場に参加させていただいて…』って、彼はよく言いますけど、それが何かなって考えると、結局、彼が一番好きなのはプロフェッショナルな人なんですよ。いわゆる、本当のプロ、職人が好きなんですね。腕があって、プライドを持って、プロフェッショナルな仕事をしてる人に対するリスペクトは、半端なく高いです。そこで、プロじゃないと思われた瞬間に終わり、くらい厳しいですね、彼と対峙するのは」。

柴咲コウさん (「GOOD LUCK!!」で共演)
「一緒にお芝居をしていて、気持ち悪くないんですよ。だからなんだろう…私もお芝居をしているんだけど、決してウソで演じているわけではなくて、自分の引き出しから、何かしら感情っていうものを引き出していって広げていっているんですけど、たまに無理のある設定だったりする場合もあるんですよね。『ドラマっぽい!』みたいな時もあるんですけど。そういう時も木村さんとなら払拭されるというかなくなるし、堂々と自信を持ってやっていいんだって自信を分けてもらえる気がします」。

竹内結子さん (「プライド」で共演)
「結果的に(みんなを)引っ張っていく形になっていると思うんですけど、『お、元気か?』とか『寒くないか?』っていろんな人に声をかけていたり、ちょっと手を傷めてたりしたら、すごく心配していたりとか、、色んな人に凄く気を配ってくれるので、それがひとつになれる空気を作ってくれるというか…。それでいて、ご自身のことに関しては妥協を許さないというか、そういう姿勢があるので、やっぱりみんなついていくんですよね、そういう背中に。弱点は…確かとろろだったと思います(笑)」

原田芳雄さん (「プライド」で共演)
「ぐずぐずしてると、いま捕まえかけているところが逃げちまうぞ、みたいなね。だから、そこに向かって、ホントに一瞬に賭ける、みたいな、一回戦に賭けるみたいな潔さは随所に感じましたね。今後は、多分、木村さん本人が自分自身に対してもっとびっくりするようなことが起こるんじゃないかと思うんですけど、またそういったものを凄く欲しがっているんじゃないかな、とも思います。放っておいても変化していくんですけど、その変化にものすごく加速がつくっていうかね」

三谷幸喜さん (脚本家・「古畑任三郎」シリーズに2度登場させた)
「もともと、お芝居が上手な方ですからね。僕は本当に、あの世代の役者さんの中では群を抜いて才能のある方だなと思っていたので…。僕はとにかくコメディーで…映像のコメディーで木村さんと1回一緒に仕事が出来たらなと思っているんですよ。何かに対して驚く時のビックリの早さ、『えっ!?』という時の振り返りの早さが、絶対コメディアンの反射だなと思うので、是非1回そういうスラップスティックなコメディーを木村さんとやりたいなと思っています、勝手にね」

井上由美子さん (脚本家・「忠臣蔵1/47」「GOOD LUCK!!」などを手がける)
「『忠臣蔵』の主役っていうのはもともと大石内蔵助なので、脇の人物を主役として描くということに、私自身もちょっとどういうふうにすれば面白く描けるかな、と思っていたんですが、木村さんのほうから、『この番組のタイトルは47分の1がいいんじゃない?』と。『堀部が主役だからとか、大石が主役だからということじゃなくて、47人のうちの1人なんだよっていうことでいいんだよね?』って言われて、『ああ、そうだ!』っていうふうに思って凄く助かりました。よく、『(木村さんのセリフは)アドリブなんじゃないの?』って聞かれることがあるんですけど、ほぼ、台本通り、凄く考えてやってくださる方です」

松たか子さん (「ラブジェネレーション」「HERO」で共演)
「やっぱりはずさないですね。『HERO』の時に、ロケで地方に行って、台風がきちゃって撮影ができないって時に、誰かがトランプを持ってて、何人か集まってやってたんですけど、最後の最後にやっぱり持って行くんですよ。『もうなんだよ!』って思って(笑)。現場では非常に細やかだと思いますね。ある意味、私以上に女性的…というと語弊がありますけど、本当に神経が細やかな気がします」

山田洋次さん (「武士の一分」で起用)
「腰が据わってるというかな、役に取り組む姿勢がね。台詞の枝葉末節で、こんな芝居しようって、こんな表情作ろうって、ことでなくて、もっとこう深いところで、この人物を捉えようという所がありましたね。俳優はね、パートなんですよ。映画の場合、撮影から、照明から、美術から、大道具から、メイクから結髪、録音から、大変な集団がいて、何十人、時には何百人が、よってたかって作っていくわけじゃないですか。本当に集団で仕事をするってことがよく分かっているっていうかな。なかなかのもんですよね」

上野樹里さん (「エンジン」で共演)
「(『エンジン』の)最後に、子供達が…やっぱり3ヵ月間一緒に過ごして、まだみんな一緒にいたい、という気持ちになっていたんですよ。で、そんな子供達を見ていると私もそういう気持ちになるし、情が湧いちゃうけど、木村さんが一言冷静に『明日からみんな、鞄の中に入ってる台本出していいぞ』って言ったんですよ。次の1歩をちゃんと踏み出そう、ということで言ったと思うんですけど、その言葉が印象的で。集中するときは集中して作品に取り組んで、終わったら切れよく終わる、っていうその生き方がすごくかっこいいなと思ったので、それは学びました」

植田博樹さん (TBS・「ビューティフルライフ」などをプロデュース)
「僕、木村さんに現場で台本を渡したことがあるんですよ。印刷が終わったばっかりのやつ。その時ね、木村さんが台本の表紙に名前書くんですけど、『Do my best』って書いたんですよ。それを見てから、実際に、自分もベストを尽くしてるのかっていうことを、時々自分自身につきつけるようになりました。“チーム木村”に入れるかどうか、ってのは、やっぱり、その瞬間その瞬間に、気力・体力充実してないとピッチに立てないというか、そういうのが凄くあると思います」


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