機動戦士ガンダムSEEDREBIRTH(オリ主転生モノ)
俺―工藤恭一の最期は実にあっけなかった。
ゲームセンターで“連合vsZAFT”を遊び倒した帰り道でのことだ。
信号待ちをしていたところに飲酒運転の車が交差点に突っ込んできて、はねられた。
当たり所が悪かったらしく、即死だった。せめてもの救いは、俺が咄嗟にかばった女の子が無事だったこと位だろう。
そして、俺はガンダムSEEDの世界―コズミック・イラに生を受けた。
「何している!行くぞキャサリン!」
「ごめん!今行く!」
コーディネイターの女性、キャサリン・ラーハルトとして。
―――
コズミック・イラ15年。万能の天才として、世界中にその名を知られることになった男、ジョージ・グレンの告白を切っ掛けに遺伝子操作をされたデザイナーベビー―コーディネイターが誕生した。
ありとあらゆる面で遺伝子操作をされてない人種―ナチュラルを上回る資質を先天的に備えていた彼らだが、反コーディネイター運動組織“ブルーコスモス”の迫害により、ほとんどのコーディネイターは宇宙に生活の場を移した。それが“プラント”である。
コズミック・イラ70年。ある爆破テロを受けて結成された地球連合はプラントに対して宣戦布告。農業用コロニー、ユニウス・セブンに核ミサイルが撃ち込まれ、万単位の人命が失われた。
これを受けたプラントは“自由条約黄道同盟―Zodiac Alliance of Freedom Treaty”。通称“Z.A.F.T”を結成。核兵器を封じるために地球圏のあちこちにニュートロンジャマーを展開、地球連合との武力衝突に突入する・・・・・・。
と言うのが、私が。正確には私の前世が覚えているコズミック・イラについてのおおまかな解説だ。
『毎週買うとガンダムの全てがわかる!』をキャッチコピーにした雑誌で仕入れた知識がほとんどだけど。
女に生まれてから、最初は男だった頃のクセが残っていて何かと気苦労は絶えなかったけど、ネカマで培ったノウハウのお陰で何とかやっている。
「で、我々プラントは最新鋭の科学技術を提供する代わりに、理事国から食料を受け取っているのであるからして・・・―」
座学の講義は退屈なもの。これは国境どころか、世界が変わっても変わらない。
改めて、生まれ変わった私について話そうと思う。
名前はキャサリン・ラーハルト。年齢は16才。プラントでは成人として扱われているピチピチ(死語)の女の子。
父のグレッグ・ラーハルトはプラント最高評議会議員。母のマリア・ラーハルトは元々父の秘書をしていて、私はその二人の間に生まれた一人娘。それもアプリリウス市在住とプラントでもエリートに分類される素質はあった。と言うかエリートになっちゃった。
12才位の時、士官学校へ見学へ行った際に乗ったシミュレーションで素人とは思えないほどの成績を叩き出したのだ。
これでも私は“連合vsZAFT”でよほどのイロモノ機体以外は一通りやってきたのだ。シミュレーションに入っていた機体は少し仕様は違ったがプロトジンとほぼ同じ。楽勝だった。
で、それを買われた&父さんの勧めで士官学校に入学し、現在に至っている。
学校と言うことで、当然同期入学もたくさんいるのだが・・・・・・。
「ニコル、次の問いってなんだっけ?」
「えっと、ここをこうしてこうやって・・・。後は習ったとおりに証明すればできますよ」
「なるほど。ありがとね♪」
そう、その中でも特に仲が良いのが緑の髪の彼、ニコル・アマルフィを含めた五人の男子生徒ってわけ。
寡黙で不器用なアスラン、いっつも仏頂面をしているイザーク、斜に構えているディアッカと優しい目をしたラスティ。
実際、女友達の間でもアスランとニコルは結構人気がある。その二人と友達ってだけで私にとってはちょっとしたステータスみたいになっている。
「よ、キャッシー。ノート見せてくれないか?」
「えー?アスランかイザークにでも頼んでよ」
「そこを曲げて何とか・・・。な?」
「しょうがないわね・・・はい。ちゃんと返してよ」
「サンキュー♪」
まあ、なんやかんやで結構楽しくやってる。
連合との戦争が始まってもうすぐ1年近く経つが、士官学校に入った今でもまだ戦火はテレビを通してでしか見たことがない。でも、訓練で怪我人が出たりすると嫌でも『戦争に行く準備をしている』って気になる。
そして、私たち六人は無事に卒業し、任官することとなった。それも、支給されたのは赤い制服。俗に言う“ザフトレッド”。卒業生の中でも優秀な成績を修めた僅か20名しか選ばれないエリートの証だ。
私はその日の夜にあまりにも嬉しくって両親に真っ先に連絡したのは、内緒(はぁと)
でも、このころはまだ私は気付いていなかった。コズミック・イラの歴史に『私』と言う不確定要素が入ったことで、全く違う未来になってしまうことに・・・・・・・・・・・・。
・後書き
遂にやっちまったぜ・・・・・・。
拙いところもあるかもしれませんが、よろしくお願いします。