ここから本文エリア 校庭に「区道交差点」 練馬・大泉第二中2011年01月22日
◆半世紀以上前から計画、来年度測量開始 敷地内を都市計画道路が交差する計画がある練馬区立大泉第二中の移転先探しが難航している。区は来年度、周辺道路の渋滞緩和のため、一部区間の測量を始める予定だが、移転先は見つからず、区教委は道路で分断された跡地での学校再建も検討し始めた。卒業生や保護者からは異論も出て、区側は対応に苦慮している。 二つの道路は校庭を東西と南北に貫き、武道場などの運動施設にもかかる。東西が幅員16メートル、南北が15メートルある片側1車線の区道だ。南北は1947年に計画が決定し、東西は戦前に計画ができていた。 一方、同中は区道の計画ができたあとの57年に、約1万9千平方メートルの敷地に建設された。区教委によると、当時は戦後の第1次ベビーブームで急増した子どもが中学に進学する時期で、道路よりも受け皿となる学校が欠かせなかったという。その後も同中は生徒数の増加に合わせて増改築を重ね、約650人(昨年5月時点)の生徒が通学する。 中学周辺の道路は交通量が増加、渋滞がひどくなってきている。区計画課は「新しい区道ができれば車の流れが分散され、渋滞の緩和が見込める」とみる。 6年余り前から、区教委は近くで学校の移転先を探し始めた。しかし、学校がある周辺地域は住宅街で、同規模の敷地は見つかっていない。 そのため、区道ができたあとに残る敷地に学校を建てる再建案の検討が始まった。3月までに内部でまとめ、6月以降の区議会の所管委員会で報告する予定だ。 ただ、道路が通った後の学校の敷地面積は従来の約8割になり、十文字に分割される。 このため、卒業生や保護者ら約20人が昨年12月、区長ら宛てに、学校内の敷地で道路が交差する計画の撤回を求める要望書を提出した。小学生の長女がいる竹内景子さん(30)は「2本の道路が通り抜ける学校で、子どもが落ち着いて勉強できるのか疑問に思う」と話している。 学校環境の保全と道路の渋滞緩和。二つの課題を解決する決定打が浮かばないまま、区側は「教育も大切だが、道路も大切」と頭を抱える。
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