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【静岡】

『院内感染防止』にHIV検査 浜松・聖隷2病院が費用を患者に負担

2010年10月21日

3万5000人に返金へ

会見で質問に答える荻野和功・聖隷三方原病院長(左)と鳥居裕一・聖隷浜松病院長代行(右)=20日午前、浜松市中区住吉の聖隷浜松病院で

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 聖隷福祉事業団(浜松市中区、山本敏博理事長)が浜松市内で運営する聖隷浜松病院と聖隷三方原病院は20日、手術を控えた一部の患者らに、求めがなくてもエイズウイルス(HIV)感染検査をし、費用を負担させていたと発表した。両病院は不適切な対応だったと認めて既に検査を中止し、約3万5000人に計6200万円を返金する。

 手術前のHIV検査は、大量出血を伴う手術について静岡県では保険適用が一部認められているが、両病院では輸血が必要ない軽微な手術患者にも費用を全額負担させていた。

 事業団が運営する聖隷横浜病院(横浜市)で今年、同様の問題が発覚し、両病院が調査していた。

 聖隷浜松病院(浜松市中区)で開かれた両病院の会見で、荻野和功・聖隷三方原病院長は「当初は院内感染から職員を守るのを目的に、病院側の解釈でやった。少し無理があったと反省している」と述べた。

 説明では、1回あたりの徴収額は、浜松病院が1260〜1990円、三方原病院は2100円。1999年以降だけで延べ3万5000人にのぼる。

 また、HIV検査は本人の同意が必要だが、これまでは手術の同意書に一括して記述し、分かりにくかった。

 このため浜松病院は8月から同意書の書式を変更し、三方原病院は準備中という。

聖隷福祉事業団 1都6県に総合病院や障害児(者)施設、老人ホームなど100施設を運営する社会福祉法人。職員数はパートなどを含め1万人。聖隷浜松、聖隷三方原とも静岡県西部地区の中核病院。

 

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