2010年09月20日

イチメン 9月21日 国連総会

今回の国連総会で話し合われるテーマについて、
週末、世界各地であるイベントが行われました。
それが、こちらです。
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渋谷の国連大学ビルの前で大学生らが“立ち上がって”います。
このイベントのメッセージは「貧困をなくすためにみんなで立ち上がろう」というもの。


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日本だけでなくフランスのパリでもエッフェル塔の前で人々が立ち上がり、


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さらにアフリカのセネガルでも。
世界中では数千万人が貧困をなくすために“立ち上がった”といいます。
今回の国連総会のメインテーマは「貧困問題」なんです。
では、今、世界の貧困問題はどうなっているのでしょう。


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極度の貧困を示す1つの指標として、
“1日を1ドル25セント未満で生活する人の割合”があります。
日本円にすると105円程度です。

この指標で考えると、世界全体ではおよそ5人に1人が極度の貧困層だといいます。
特にアフリカ大陸の南の地域ではおよそ5人に2.5人、つまりおよそ半分がこの貧困層です。


こうした貧困をなくそうという地球規模の取り組みが、実は10年前から始まっていました。
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ミレニアムにあたる2000年、国連総会の会議で、地球規模の目標である
「ミレニアム開発目標」が採択されました。


どのような目標があるかといいますと、例えば…

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極度の貧困層を、90年に比べ半減させること、
すべての子どもが初等教育を受けられるようにすること、
エイズやマラリアの蔓延を阻止することなどが掲げられています。

これらの達成期限は5年後の2015年。
しかし、現在、いずれの項目も世界全体で目標を達成することは、
今のままでは、とうてい困難な状況なのです。

こうした中、日本は目標達成のために何ができるのでしょうか。
支援の中心となるのは、政府開発援助=ODAです。


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世界レベルでみると国民全体の所得(GNI)に対するODAの割合では、
援助を行っている先進国23か国中なんと21番目。
国連が求めているライン=0.7%に到底、及ばないのです。


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さらに、日本のODA予算は1997年の1兆1600億円をピークに
その後、減少を続け、今では6100億円あまり。およそ半分に減少しています。

ODAによる支援が厳しい中、近年、注目されているのが企業による海外支援です。


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その1例が、マラリア予防のために日本の化学メーカーが作ったこの特殊な「蚊帳」です。

このメーカーは製造技術をアフリカの企業に無償で提供。
現地では工場が造られて雇用が生まれ、貧困の解消に役立っています。
さらに、蚊帳の生産能力を増やせるので、マラリアのまん延の防止に役立つのです。

ヨーロッパなどではこうした動きが活発に行われ、単なる支援にとどまらず、
現地の人々と企業の双方がプラスとなるビジネスにもなっています。

投稿者:櫻井翔

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