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いじめの解決を考える〜『わたしのせいじゃない』〜

 

 

久後龍馬(法則化夢現)

いじめには、いじめる人・いじめられる人・傍観者の三つの立場がある。『私のせいじゃない』レイフ・クリスチャン文(岩崎書店)をつかっていじめを解決するにはだれがどうすればいいかを考えさせる。
また、新聞記事・遺書・作文などの力のある資料を多く使い、いじめの恐ろしさを伝える。

 

発問1 「平成20年度の□□□の件数 84,648件」にはひらがな3文字が入ります。
     何だと思いますか。

     文部科学省『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(届出統計)』
     http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index31.htm

     ・いじめ ・じしん ・じさつ ・けんか

説明1 平成20年度におきたいじめの数です。悪いことって大人の前で堂々としますか。
     それともかげで隠れてやりますか。(かくれてやる)
     84,648という数は分かっているだけです。分かっていないいじめはもっともっとあるのです。

     いじめを苦に自殺した事件の新聞記事を見せる。(平成18年10月18日神戸新聞 福岡中2生徒の事件)

発問2 何の新聞記事ですか。

     ・いじめ ・自殺

指示1 見出しをみんなで読みます。

     「もう生きていけない」 「遺書4通 同級生いじめ証言」
     「だめ息子でごめん」  「生まれ変わったら最強に」

説明2 いじめられて自殺してしまったのです。(脳の図を提示する)人間の脳は図のように3つの部分で出来ています。一番内側は、呼吸をしたり、     ものを食べたり、おしっこをしたり、眠ったりなどの命令を出す部分です。この部分がないと生きていけません。ヘビやトカゲなどの爬虫類に      ある脳なので「ヘビの脳」と言われています。その外側は、喜んだり、怒ったり、悲しんだりする命令を出す部分です。ここがうまく働かないと     、泣いたり笑ったり怒ったり出来なくなります。犬や猫や牛などの哺乳類にある脳なので「猫の脳」と言われています。一番外側は、ものを考     えたり、覚えたり、言葉を話したり、勉強したりする命令を出します。人間にしかありません。だから、「人間の脳」と言われています。

発問2 人はいじめられるとヘビの脳、猫の脳、人間の脳のうち、どれかが攻撃されて弱ってきます。
     どこが弱ってくると思いますか。

     挙手させて確認する。

説明3 生きていくための脳、ヘビの脳が弱ってきます。いじめは、生きる力を奪っていくのです。
     いじめは人殺しと同じなのです。

指示2 いじめが原因で自殺した人はほかにもいます。
     いじめが原因で自殺した人たちが最後に書いたお手紙、遺書を読みます。

     『いじめ・自殺・遺書』 子どものしあわせ編集部 編 (草土文化) からいじめを苦に自殺した小学生・中学生3人の遺書を読み聞かせた。

指示3 思ったことをノートに書きなさい。

     感想を発表させる。

発問3 いじめはなくすことができると思いますか。

     挙手させて確認する。

説明4 ある絵本のお話です。
     この子はいじめられています。いじめているのはこの子たちです。いじめている子たちの意見です。

     「じぶんのせいじゃないか。その子がかわっているんだ。ほかの子はみんなふつうなのに」
     「はじめたのはわたしじゃない。ほかのみんながたたきはじめたのよ。わたしのせいじゃないわ」
     「おおぜいでたたいた。みんなもたたいた。ぼくもたたいた。でもほんのすこしだけだよ」

発問4 いじめている人たちは悪いですか、悪いとはいえませんか。

     おそらく悪いに全員が手を挙げる

発問5 いじめには「いじめられる人」「いじめる人」以外にも関係している人がいます。
     どういう人たちですか。

     ・みている人 ・傍観者 ・先生 ・親

説明5 みている人です。傍観者と言います。傍観者は、こんなふうに言っています。

     「ほんとうはわたしみたの。だからしっているの。でもとにかくわたしのせいじゃないわ」
     「おおぜいでやってたのよ。ひとりではとめられなかった。わたしのせいじゃないわ」
     「ひとこともしゃべらなかった。ぼくたちをみているだけだった。さけべばいいのに」
     「ぼくはこわかった。みているだけだった。なにもできなかった」

発問6 見ている人たちは悪いですか。悪いとはいえませんか。

     ほとんどの児童が悪いに挙手をする。そこで、次のような揺さぶりをする。
     「見ている子たちは何にもしてないんですよ」
     「自分がいじめられるかもしれませんよ」

指示4 悪いと思う人はノートに悪い、悪いとはいえないと思う人はノートに悪いとはいえないと書きなさい。
     そう考えるわけや自分が考えたことをノートに書きなさい。

     指名なし発表をさせる。討論になれば討論させる。

発問7 このいじめは、だれがどうすれば解決できると思いますか。
指示5 考えたことをノートに書きなさい。

     指名なし発表させる。

指示6 ある学校でいじめられていた子の作文を読みます。

     『ぼくを助けてくれた友だち』

発問8 いじめは解決できると思いますか。

指示8 今日の授業で、感じたこと、思ったことをノートに書きなさい。

 

 《参   考》 レイク・クリスチャンソン:『わたしのせいじゃない-せきにんについて-』(岩崎書店,1996年)
         子どもしあわせクラブ編集部編:『いじめ・自殺・遺書』(草土文化,1995年)
         verd:『遺書』(サンクチュアリ出版,2000年)

         文部科学省『児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(届出統計)』
         http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index31.htm         
      

 


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