実践記録

中学校の授業実践記録です。

『いじめは必ず解決できる』(向山洋一著) 中学校での追試

2007-09-17 10:12:12 | 学級経営

TOSSランド>教師ランド>学級・学校経営>学級づくり>いじめ>中学校1年生

作成者:河野 好美(TOSS熊本)
メール:keru-asu2138@minos.ocn.ne.jp
※迷惑防止のため「@」を全角にしています。

向山洋一氏の『いじめは必ず解決できる』の実践を追試した。

準備:ヘビの脳、ネコの脳、ヒトの脳を円で示した図(スマートノートブック)
    を体育館のステージに投影。

説明:人間の脳を図で表したものです。
    まず、一番奥には、ヘビの脳があります。
    これはハ虫類も持っている脳で、睡眠や食事、呼吸などを司ります。
    生きる上ではなくてはならない脳です。
    その外側にネコの脳。これは哺乳類が持っている脳です。
     親がわかります。子がわかります。
    うれしい、悲しいなどの情感がわかる脳です。
    ヘビにはその情感はありません。
    だから、ヘビとネコを一緒に飼っておいて、どちらもエサをやらずに無視してお              
    いたら、ヘビは傷つきませんが、ネコはノイローゼになってしまいます。
    最後がヒトの脳です。(新皮質といいます)
    人間が考えて行動できるのはこの脳があるからです。

発問1:では、いじめられると、どの脳が攻撃されるのでしょうか?
    手を挙げなさい。
    ヘビの脳だと思う人?ネコの脳?ヒトの脳?

8割ほどの生徒が『ネコの脳』。
『ヘビの脳』は0人。
残りは『ヒトの脳』。

説明:これは『ヘビの脳』が攻撃されるのです。

「えっ!?」と反応する生徒があちらこちらに見られた。

説明:生きる上で、なくてはならない脳が攻撃されるのです。
    だから、いじめられると、眠れなくなり、食事をしたくなくなり、
    最後は息すらしたくなくなる。
    いじめは、殺人行為なのです。

発問2:いじめられたらどんな風になっていくのか?
    
『わたしのいもうと』(偕成社 松谷みよ子)という本を読みます。
    想像しながら聞いておきなさい。


 ゆっくりと静かに、マイクを使って読んだ。
 時々、絵を見せながら寂しく悲しい感じを伝えた。
 以下、読んだ箇所を紹介する。(実際に本を使った方がよい)
 
                (・・・・前略・・・・)
  
 
いもうとは 小学校四年生でした
 
  けれど 転校した学校で あのおそろしい いじめが はじまりました
  言葉がおかしいと笑われ 跳び箱ができないと いじめられ
  クラスの恥さらしと ののしられ
 
  くさいぶたと いわれ
  ―ちっとも汚い子じゃないのに
  いもうとが 給食を配ると 受け取ってもらえないというのです・・・
 
  とうとう誰一人 口を聞いてくれなくなりました
  ひと月たち
  ふた月たち
  遠足に 行ったときも いもうとは ひとりぼっちでした
  やがて いもうとは 学校へ行かなくなりました
 
  ごはんも食べず 口も聞かず 
  いもうとは だまって どこかをみつめ
  お医者さんの手も ふりはらうのです
  でも そのとき
  いもうとの からだに
  つねられた あざが たくさんあるのが わかったのです
 
  いもうとは やせおとろえ
  このままでは いのちがもたないと言われました
  かあさんが必死で かたくむすんだ くちびるに スープをながしこみ
  だきしめて だきしめて いっしょにねむり 子もりうたをうたって
 
  ようやく いもうとは いのちをとりとめました
  そして 毎日がゆっくりとながれ
 
  いじめた子たちは 中学生になって セーラー服で通います
  ふざけっこしながら かばんをふりまわしながら
 
  でも いもうとは ずうっと 部屋にとじこもって 本も読みません
  音楽も聞きません だまってどこかを見ているのです
  ふりむいてもくれないのです
 
  そしてまた年月がたち
  いもうとを いじめた子たちは 高校生
  まどのそとを とおっていきます
  わらいながら おしゃべりしながら・・・
  
                   
(・・・・・中略・・・・・) 
   
  ある日 いもうとは ひっそりと しにました
  つるを手のひらにすくって
  花といっしょに入れました
 
ほとんどの生徒が、顔を上げてシーンと聴いていた。
だが、そんな雰囲気の中でも、顔を下げて話を聴く生徒が学年に数名いた。

発問3:じゃあ、いじめた人はどうもならないのでしょうか?
    そうではありません。いじめた人はどうなるのでしょう?

説明:人は、他の人に対して親切にしたり、やさしい言葉をかけたりすると、エンドル
    フィンというホルモンが出ます。エンドルフィンは、痛みを和らげたり、病気を治  
    す作用 があります。逆に、いつも悪口を言ったり、人を攻撃したりすると、ノル
    アドレナリンというホルモンが出るのです。ノルアドレナリンは、老化を早くした          り、病気になりやすくなったりする影響があります。
        つまり、自分の行いは全て自分に返ってくるのです。
    良い行いも悪い行いも全て自分が一番わかっているのですね。


Copyright (C) 2007 河野好美. All Rights Reserved.
TOSS(登録商標第4324345号)、TOSSランド(登録商標第5027143号)
このサイトおよびすべての登録コンテンツは著作権及びリンクはフリーではありません

この記事についてブログを書く |    | goo

コメント

コメントはありません。

コメントを投稿

現在、コメントを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

トラックバック

現在、トラックバックを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。