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[14043] 【ネタ】黄金の王様と道化師(現実ギル憑依→ネギまっぽい世界?) 
Name: gill◆4654d7e5 ID:f35d9209
Date: 2009/12/22 21:14
この作品の注意点。






原作の設定を変える?はっ貴様、余程死にたいようだな。な方。



原作のギルしか我は認めん!な方。



バトルパート、日常パートが混在しているのは許さん!な方。




そのような人は回れ右をするのをおすすめします。

11月17日:編集ミスにより消えてしまいました。
お詫びします。



[14043] 第一夜
Name: gill◆4654d7e5 ID:f35d9209
Date: 2009/12/22 21:14
~11月17日修正~


とりあえず起きた出来事を順に処理していこう。

えーっとだな、なんかよく分からないんだけども、
気づいたら湖のそばに立ってたんだよ。

あり?と思ったね。
だってオレはちゃんとベットで寝た覚えもあるんだから。

ちなみに寝る寸前は、パソコンで二次創作読んでた。
「ネギま」のね。
世界観が自由だし、キャラも面白いからすきなんだよねー。
原作は読んだことないがなァ!
なんかss読みすぎて、原作買う利点がなくなっちゃって……。
あーーここは関係ないんで流そう。

んでだ、びっくりしてたんだけども、
呆然としているだけじゃ何も解決しないと思って、
ここがどこか確認しようとして周りを見てみたわけ。
目の前にはでかい湖。後ろを見れば……ん!?

オレの後ろにはかなりおおきい西洋風の建物があった。

なんじゃこりゃ?家か?んー、でも明かりはついていないっぽい。
でも、もしかしたら誰かいるかもしれないな。
ここがどこか分かるかも。
幸にも扉は見えるところにあったので、そこに行って人を呼んでみる。
ノック

「いるのなら扉を開けろ、雑種」

………ん?
あれ?オレってこんなしゃべり方だっけ?
むちゃくちゃ偉そうな感じでしかも声がなんかかっこいいんだけど……。

ノック中止。
思考中。―――ピコーン

いやいや、それはない、ないよ。
二次創作でよく使われるあの展開なはずは……。

「ありえぬ、王である我が憑依など」

えーと、今自分に言い聞かせた声の一人称が我と書いてオレだったような。
しかも王っておっしゃいましたよねぇ。

いやいや、それはない、ないよ。
4500歩ゆずって、憑依系だとしよう。マジで認めたくないが。
だけども、某運命なゲームにでてるこの方、憑依されるような人じゃないだろ。

確認したくねぇ。しかし、確認しなければ……普通は、バットエンドだよねぇ。

そして、湖に戻りオレは……水を覗き込んだ!!


黄金の如き輝きを放つ髪。

血塗られたように妖しい輝き保つ赤眼。

顔は中性的でまるで芸術品。

そこには、人類最古の英雄王。ギルガメッシュがいた。


「な―――に?」
そのことを認識した瞬間、ある情報が流れてきた。

”世界は無限にある。そうである以上、無限に可能性がある。

彼が勝ち続ける可能性も。負ける可能性も。生きる可能性も。

存在が消される可能性も。記憶だけ殺される可能性も。

そして……彼が魂だけ殺される可能性も。

その世界で彼は魂だけ殺され、その器、宝具が残った。

普通ならそのすべてはすぐに消えてなくなっていたはずだった。 

そう普通なら。

しかし、彼はやはり最強の英雄であった。

存在か消える、本来なら何もできない刹那、己が身を守るため本能的に、
宝具を使い、器に平行世界の死んだ自分の魂をいれた。

まあ存在を守るためには正しい選択だった。

誤算があったとしたら、取り入れた平行存在が、オレだったことと、
取り入れるときにまったく別の世界にぶっ飛んだことだろう。”


えぇえええええ!!


オレ死んでたのかよ!ベットで寝た覚えあるよ!?
つか、平行存在だったのオレ?
すげーぶっとび設定だな、おい。
でも、そうだったとしたら感謝しないとな。
なにせ、死ぬところをまだ生きれるんだから。

むむ、でも待った。それって平行世界の運営っていう魔法じゃね?

ああ、使った宝具は召喚特化系のものか。
もしそのままその場所で補完されてたら、
殺した奴にまたやられるかもしれなかったわけで。
で、幸運の能力によって別の世界に飛ばされるという魔法じみたイレギュラーが起こったのか。
すげーな、さすが金ぴか。

って、なんでそんなことがわかったんだオレ?

あーと、もしかして記憶も継承されてるのか?
ちょっと記憶を探ってみる。

王の財宝にある宝具の種類。
自分の宝具の使い方。
オカルトの知識
ギル的価値観
口調。

この5つだけっぽい。てか上の3つはいいけど他いらないよな。
価値観は染め上げるとかじゃなくて、参考程度らしい。
だけど、なぜか口調は完全に支配されてる。
助けてくれてうれしーんだけど、理不尽じゃね?


よし、整理終了!っっっ!!!

よって結論
この世界、強く生きてけ、金ぴかよ

うんうん、どうやら魔法じみたことが起きたせいで、受肉してるっぽいし。

元の世界に戻ることもできないっぽいし。
ちなみに未練はない。まさに、天涯孤独を地で行く男だから。
美少女の幼馴染とか女の子にも縁がなかったし。

黄金率という素敵過ぎるスキルもあるし。

口調に多大なる問題があるけど、なんとかなるだろ。

よし!!

この未知の世界でガンバロー!!


「ちっ、てめぇぇぇぇ!!」

はい、現実逃避でした。
実は、整理終了って言った時に急に鬼みたいな何かと、顔まで隠れたマントかぶった小柄な人影が現れて、
急に鬼が襲い掛かってきたんだ。


あまりの驚きに、反射で指を鳴らし、剣を出して鬼の腕を吹き飛ばしまして。

ただいま、対峙中です。


いきなり、大ピンチだよ。

宝具が出せるとは知ってたけど初出しがいきなり命を守るためとは。
寿命、縮んじまったじゃねーか。いや、腐っても英霊だからないけど。

で、でも話しかけてくれたってことは話し合いの余地があるよね?
むちゃくちゃ怒ってるっぽいけど。正当防衛だったんだよアレ?
誤解があるのかもしれないし。理解しあえばいいのさ。
腕をお釈迦にしたけど。後でちゃんと直すからきっと許してくれるよね?
あと、ここがどんな所か聞いてみよう。

オレは目の前の奴らに話しかけた。


―????―

今回の仕事は比較的簡単だったはずだ。
つまらない貴重書をいくつかを回収するだけなのだから。

あの学園は確かに侵入者に対する戦力はオーバーキルであり、
魔力を抑える結界も一流だ。
ごりおしで突入すのは、自殺行為だろう。
だが学園であるが故の隙を私はついた。

十三歳である私は、中学生として入学したのだ。

力を抑える魔道具を使い、侵入に成功した私はすぐに調査を始めた。
素早く仕事を終えなければならない。
なぜなら長時間騙すのは、不可能であるからだ。
隙であるとはいえ、ここはそこまで甘くない。
良くて数日が限度だろう。


そして今夜、行動を開始した。
女子寮を守っている、魔法先生の交代時間の合間をねらい、こっそりと抜け出す。

目的の図書館島に着いた私は、友達と作った結界を張った。
この結界は、持続的に魔力を注ぎ続けることにより
15分だけだが力を押さえる結界を無効化させ
誰にも気づかせなくできる、みんなの力作である。


橋のところで、みんなの中で一番速い鬼のおーくんを、手伝いのために呼びだし、
入り口へ向かった。

あとは、事前調査で置き場所、トラップが分かっている本を素早く回収し、
行きと同じように寮に戻り、明日行方をくらませばいい。

これはうまくいったと思った。

そう、うまくいくはずだったのだ。

だけど、そこで私は「王」と出会った。

絶対的な存在感。

狂気といっても過言ではない圧力。

その黄金の髪が男を際立たせている。

今は夜であるはずなのに、男は黒のライダースーツを着ているのに。
その存在の輝かしさに、周りが明るくなった錯覚に落ちいった。

私はその男に本能的な恐怖を感じた。
どちらかというと感情に起伏がない私がである。
 
 いけない。いけない。
 彼の機嫌を損ねてはいけない。
 彼に攻撃してはならない。
 殺される。殺されてしまう。

「ちっ、てめぇぇぇぇ!!」
 おーくんがほえた。

その声に正気を取り戻す。

なっ、おーくん、どうし……
そこで気づいた。

おーくんの腕がなくなっている。

え……。

《すまねぇ、ミスっちまった。ばれちゃやべぇとおもって、
すぐに飛び掛ったんだが……この様だ。何をされたかもわからねぇ》
油断なく構えているおーくんから念話が来た。

これは……やばい。

どうやら、相手はおー君より強いらしい。
いま、結界を持続させるために、魔力を使っているためこれ以上誰かを呼ぶことはできない。
結界を解くのはもっとだめだ。
おーくんが消えるし、警備員にばれ、もっと追い込まれる。
……まて、ではこの男は誰だ?
この学園の教員ではないだろう。
いままで調べていたがこんな男はいなかった。
いや……いまはそんなことどうでもいい、どうする?
たぶん勝てないだろう。
なら、逃げるしかないか。やってみるだけやってみよう。

「そこな、鬼」

決意を固め、おーくんに念話しようとした時、声がした。
100人が100人反応するような、カリスマに満ちた声。

「貴様、我が呼んでおるのだ、すぐに頭を下げ返答するのが礼であろう?」

その黄金の男が不機嫌そうに話しかけてきた。

「なんだよ、てめぇと話すことなんてねぇよ。後、一応いっとくが頭はさげねぇぞ」
おーくんが油断なく構えながら返答した。

《おい、逃げろ》
それと同時におーくんから念話が来た。

《俺がこいつを引き付ける、その間に行け》

私はそれに肯定の視線を向け、走ろうとした。
だが。

「そうか。そうであれば、そこの女に聞くまでだな」

その男は、私を見た。
赤い、朱い眼が私を見つめている。

「っ!くそ!なんだ、何でも答えるからそいつにだけは手を出すな!」
おーくんが悔しそうに大声を上げる。

「当然であろう。そこの女は何もしておらぬからな。無礼を働いたらまた別だが」
男は皮肉気な笑いをしながら、おーくんに視線を移した。

……っは。
眼で見つめられただけで、緊張で息が止まっていた。
そして、もう逃げることはできない。
逃亡。無礼なことをしたら攻撃すると言われてしまった。

「いやなに、いくつかの質問に答えてくれればそれでよい」

「……なんだ」

「ひとつ、正当防衛とはいえ腕を飛ばしたな」

「ああ」

「許せ」

「は?」

「逆らうのか?」

「っ許す!許すから!」
黄金の男の殺気におーくんが焦りながら返す。

私にも質問の意図が見えない。
一方的に襲ったのはこちらのはずなのに、なぜ?

「ならばよい。次、ここはどこだ?」

「?っっ図書館島だ!」
おーくんがまたあっけにとられそうになったがきちんと返した。

「……もっと詳しく言え」

「は?」

「逆らうのか?」

「くそ!麻帆良学園都市の麻帆良湖にある世界最大規模の図書館だ!」
おーくんがよどみなく答えた。
わからない。何がしたいんだ?

「最後の質問だ。貴様らの名前は?」

「大鬼(オオキ)とザジだ!……!!!!ってめぇ!」
おーくんが私たちの名前をためらいなく答えてしまった。
憤怒の形相で男をにらみつけている。

そして、一連の質問の意味を理解する。
……私たちに名前をいわせるためか。
答えなければ殺気を飛ばし、質問にすぐに答えるように軽い脅迫観念をつけたということ。

これは……詰んだな。

ここで逃げたとしても、名前が知られてしまっている。
私のザジなんて名前は珍しいからすぐ探し当てられるだろう。
私はおーくんに諦めたという意志を伝えた。

「……すまねぇ」
おーくんが謝ってきた。
怒っていない、これは相手が悪かった。

「それでもだ」

ん。わかった。
でも、捕まるまえにどうしても聞きたいことがある。
私は男のほうに向いて問うた。

「ザジ。……ザジ・レイニーデイ。……あなたは?」



―金ぴか―

「そこな、鬼」
勇気を振り絞って声をかけた。


…………ガン無視かよ!

「貴様、我が呼んでおるのだ、すぐに頭を下げ返答するのが礼であろう?」
もう一度呼んでみる。無視されたショックでもっと偉そうになってしまった。


「なんだよ、てめぇと話すことなんてねぇよ。後、一応いっとくが頭はさげねぇぞ」
どうやら、話を聞いてくれないくらい怒っているらしい。
いや、だから正当防衛だろーが!
仕方ない。ここがどこかだけ、もう一人のほうに聞くか。

「そうか。そうであれば、そこの女に聞くまでだな」
そう言ったら。

「っ!くそ!なんだ、何でも答えるからそいつにだけは手を出すな!」
そう言われた。

ぷち。
何だその言い草は!てめーが襲い掛かってきたから、迎撃したんだろーが!
オレはかなりイラッとした。

「当然であろう。そこの女は何もしておらぬからな。無礼を働いたらまた別だが」

てめーと違ってなぁ!
そしたら、鬼くんは「うっ」と言葉に詰まった。
やっと自覚してくれたか。どうやら話を聞いてくれるっぽくなったのでつづける。

「いやなに、いくつかの質問に答えてくれればそれでよい」

「……なんだ」

「ひとつ、正当防衛とはいえ腕を飛ばしたな」

「ああ」

「許せ」

「は?」

「逆らうのか?」
被害者に。

「っ許す!許すから!」

ふふふ。自分の罪を自覚しているのに、この謝罪的なセリフはきくだろう。
自分が100%悪くないのにこう言える「大人の余裕」をくらえ!
小市民的満足感を得て、オレはつづける。

「ならばよい。次、ここはどこだ?」

「?っっ図書館島だ!」

……へ?

「……もっと詳しく言え」

「は?」

あそこか、あそこなのか?

「逆らうのか?」
焦りすぎて、威圧的に言ってしまった。

「くそ!麻帆良学園都市の麻帆良湖にある世界最大規模の図書館だ!」

……麻帆良学園。……図書館島。

mjd?

『ネギま』かよ!いや、違う平行世界か?
うわー、どこのssですかこれは?
いや、そんなことより……やばいじゃん?

オレ侵入者じゃん。もしかしてこの方たち警備員?
そしたらオレの方が悪いじゃん。
えーと、警備員ですか?って聞くか?
いや、まずは名前を聞こう。
人間関係の基本は名前交換だから。

「最後の質問だ。貴様らの名前は?」

「オオキとザジだ!……!!!!ってめぇ!」

ああ……警備員か。
オオキって名前に聞き覚えはないけれど、ザジはわかります。
A組の生徒でしたよねー。謎キャラ、無口っ娘ですよねー。
はははー。


オレは驚きすぎて、まわりの音が少しの時間きこえなくなった。

気づいたら、色黒白髪の女の子……ザジがこちらを見てこう言ってきた。

「ザジ。……ザジ・レイニーデイ。……あなたは?」

ああ、やっぱりですか。
投降しよう。後、鬼くんの怪我を治そう。
ま、まあそこまでひどいことされない……と、いいなあ。
とりあえず、質問に答えよう。

「我の名前か?我は……」

「全員、動くな!!」

答えを返そうとしたら、誰かの声がした。

声がした方を見てみる。





―――――そこには、多くの”魔法先生”がいた。

……ええと。もしかして私刑ですかオレ?


―――――夜はまだ終わらない



─あとがき─
ネタ。自分の好きなものをつめこんでみた。
自分の文才のなさが痛すぎる。
それではみなさん。グットバイ!



[14043] 第二夜
Name: gill◆4654d7e5 ID:f35d9209
Date: 2009/12/22 21:14
―タカミチー


その知らせを聞いたとき。僕はかなり、驚いた。



《図書館島に侵入者を感知しました。危険人物であると判断し、
手が空いているすべての先生は、至急そこにむかってください。繰り返します……》

幸にも僕が担当しているところは問題がなかったので、
ここは魔法生徒に任せた。

図書館島に向かいながら考える。

結界のメンテナンスではない日でも、確かに侵入者は現れる。
しかし、そのほとんどがここを甘く見ていて、10分以内に捕まっている。
結界展開中に図書館島に辿りつかれることなんて、今までなかった。
さらに、さっきの念話放送。
”危険人物”と判断。
生徒が相手にするのは難しい時は”実力者”と知らされる。
そして、単独で相手にすることが無謀であるときは”危険人物”と言われる。

……今回は油断大敵かもね。

場所が近かったので数十秒で目的地にたどり着いた。
周りには先生が幾人かいる。
もう少し集まったら、捕獲に向かおう。
そして気配を消し、気づかれないよう扉のほうを伺った。

そこには、圧倒的な存在感を持つ金色の男と……僕の生徒がいた。


な――――

なんで、あの子が!?
あの子は一般生徒なはずだ!
他の先生は気づいていない。


その時、僕は葛藤した。

もしかしたら彼女か手引きしたのかもしれない。
彼女はこの学園に害をなそうとしてるかもしれない。
また、偶然ここにいただけかもしれない。
あの男に殺されてしまうかもしれない。
だけど相手の戦力が、未知数な今、飛び出すのは愚策だ。
少し待てば、こちらの戦力が整う。その時になれば最低限の被害で……最低限の被害?
いや、だめだ!!

「全員、動くな!!」
僕は男の前に出た。

そうだ、せめて一人では勝てなくても、他の先生が来るまで時間を稼ぐことはできる。

僕の勘違いでも、彼女の身の安全を守ることができる。



彼女の考えは分からないけど――――――彼女は僕の生徒だから。







―金ぴか―

問題です。
目の前に一人の男がいます。
眼鏡を掛けています。
渋いおじ様です。
いつもフレンドリーだといわれているのに、ただいまこちらをにらんでいます。
たぶんですが、『デスメガネ』の愛称?で有名なあの方です。
さらに、周りには、幾人かの魔法な先生が虎視眈々とこちらをうかがっています。
さて!どうなるでしょーか?

…………か、考えたくねぇ。
いや、大丈夫だ。さっきの鬼くんみたいに急には襲ってこないだろ……たぶん。
理解しあえばいいのさ。
そうすれば、そこまで酷い目にはあわないよね。
よし、投降しよう
オレはどこまでも後ろ向きに、こじんまりとしながら話しかけた。

「なんだ?雑種」
低姿勢なはずなのに、いきなり雑種呼ばわりかよ。オレ。

「君達が侵入者かい?」
だが、さすが温厚な先生。怒らずに話してきた。
       
……ん?マテ、【君達】?
俺は周りに注意を向けながらザジの方に向いた。(てか、いつの間にか鬼君がいなくなってる)

眼が合った。彼女は首を微妙な角度にかしげている。

”あなた、学園の関係者じゃないの?”
そう、言ってるように感じた。

えーと、もしかして…………なんか勘違いしてる?オレら。

「答えてくれないか。」
先生がもう一度聞いてきた。

えっなんでポケットに手を入れようとしてんでしょうか?
周りも殺気だってきてる様に感じるんだけどー!

「ふむ、業腹だがそうらしいな。……だが、」
意図的ではない、と友好的な笑顔で続けようとしたら……。


いっせいに攻撃されました。


えぇええええええええええ!!!







―タカミチ―

僕はこの男の前に立って思った。
……もしかしたら、勝てるかもしれない。

相手は確かに強い。強いが、思ったほど圧力がない。
隙を見ればあるいは……。

「なんだ?雑種」
そう思ったとき、男が話しかけてきた。
ゴミを見るような目で僕を見ている。
……どうやら油断しているようだ。
僕のことを知らないのかもしれない。

「君達が侵入者かい?」
僕はこちらが狙っていることを気取られないように、つづける。

すると、男はいきなり彼女のほうへと向いた。

!!……おさえろ!

これは罠だ、男は周りに注意を払っている。
ここで、攻撃したらやられる。

これは……遊ばれている。

こちらの思惑はばれているようだ。
なら。

「答えてくれないのか。」

戦うか。

僕は居合い拳の構えをとった。
後ろにいる先生たちも構えるのが分かった。
どうやら戦力が整ったらしい。

そしたら、いままで無表情だった男の顔が始めて変わった。


それは、強烈な、笑顔。

「ふむ、業腹だがそうらしいな。……だが、」

男が話している途中で僕たちはいっせいに攻撃した。




だが、ここで僕はとんでもないことに気づいた。


攻撃が彼女にも向いている!
しまった!他の先生は彼女だとわかっていない!


かまいたちが、銃弾が、魔法が、剣戟が、彼女へ向かう。


「やめろーーーーーー!!!」

だめだ!間に合わない!


彼らがいた場所からの轟音が大地を揺るがした。


そ……んな。

僕は彼女がいたはずのところへ駆け出した。

たのむ!無事でいてくれ!!






そして…………僕は鎖で縛り上げられた。


声が聞こえる。
耐性がないものが聞けば卒倒しそうなほど威厳に満ちた声。

「ちっ、貴様ら……。どうやら、本格的に躾けられたいらしいな」

そして、
そこには、
彼女を守るように前にいる、
黄金の鎧を身につけた、
絶対的な「王」が、
君臨していた。





―あとがき―
とりあえず
続きかいてみた!



[14043] 第三夜 -改訂の改正―
Name: gill◆4654d7e5 ID:f35d9209
Date: 2009/12/22 21:33
―タカミチ―

僕はぶつけられる殺意に肌が粟立ち、体が凍った。


黄金の男がいる。
その顔は恐ろしく不機嫌であり、瞳が血のような怒りの炎に燃えている。


生徒が無事だったことを確認した僕は、痛感する。


見くびっていた。
先ほどの印象は演技だったのだろうか?
段違いの圧力がその男から発せられている。


恐怖が覆い、誰も動けない。
この空間の支配者は絶対的に彼だった。



何事かを彼がつぶやく。



そして、後ろの空間が揺らぎ――――――


              ―――――”それら”は顕現した。




───神剣

─────魔剣

───────聖剣

─────────魔槍



ありとあらゆる武器が空間の歪みにこちらを向きながら浮いている。

そのすべては、それらが持つ神秘は、あきらかに『本物』だった。

内包している魔力はすべて、必殺。



そして、

「さて、貴様らに二つ、選ばせてやろう」

その絶対的な力の中で、

「己が犯した罪を悔い、我らを貴様らの主の所へ案内するか」

『王』は笑い、

「自らが正しいと信じ、我に逆らうか」

輝きを失なわず、

「好きなほうを、選ぶが良い」

宣言した。


彼には人間では足元にも及ばない
その気になれば僕たちなんて虫けらのように殺せるだろう。


そう、思い知らされたぼくらに。

選択の余地は、なかった。








ー金ぴかー

驚いてる場合じゃねー!

攻撃されたオレは金ぴかスペックによって状況を分析した。
そして、すべての攻撃は鎧で防げると判断する。
だが、そこで気づいた。

……ザジが危ないじゃん。

この世界で物騒だったが最初に知り合った彼女ににも攻撃が向いている。
うーん。ギリ助けられるな。

オレは、どうせ攻撃を食らうのだから、名前を教えてくれた彼女を守るために鎧を展開しながら前へと滑り込んだ。


攻撃が、届く。


かまいたちが、銃弾が、魔法が、剣戟が、
鎧にあたり、はじかれてゆく。



………怖!


冷静に分析してたけど、めちゃくちゃ怖い!
いや、だって目の前まで魔法とかが来てるんだよ。
こんな経験したことねーよ。
鬼くんとかはほとんど無意識だったし。
おま。一般人を危険に晒すんじゃねーぞ!
あっ、今侵入者か。

戦々恐々としながら気づく。


デスメガネがこちらへ向かってきている。
……鬼気迫った表情で。


ぎゃああああ!?

やばい!このままだとボコボコにされてしまう。
いや、鎧で防げるとは思うけど、やっぱりいつかは限界がくるだろ!
そうなったら、オレ対魔力;Dぐらいだから、無装備だと普通に食らっちまう!



どうする?どうする?どうする?


宝具射出か?
却下。ここで誰かを傷つけたりしたら、いきなり犯罪者扱いになる。
というかオレはそんなことできん!へタレなめんな!
一応、傷つけないけど戦闘不能にする宝具はあるみたいだけど、
倉庫の奥の奥の奥にあってすぐ取り出せない!
どんだけ好戦的だったんだ、金ぴかァ!


降参する?
却下。それをして無事じゃすまない気がする。
理由は、なんかこちらにむかってる先生の目がやばすぎる!

逃走する?
却下。このまま誤解をされたまま逃げたら、指名手配されるかもしれん。
顔も別に隠していないし。


オレであり、我である頭脳が高速回転する。

……そうだ!

はったりだ。今も口調こそ金ぴかだが、やはり態度は一般人だ。
そして、向こうはこちらの事を知らない。
ならば俺が強いと思い込ませればいいんだ。
そして話の場所を学園長室へ移すよう誘導する!
そこでなら、話を聞いてくれるだろ。



よし!そうと決まれば!

すまん!オレはお前の友じゃないけどオレを助けてくれ!
オレはメガネを”天の鎖”によって縛り上げる。



オレはギルの価値観を参考にセリフをまとめる。




……準備完了!いくぞ!!


オレの、全力の演技を、喰らいやがれぇぇぇえ!!



「ちっ、貴様ら……。どうやら、本格的に躾けられたいらしいな」



―――――――――――




うっ、うまくいった。
助かった~~~~。



あの後、メガネ先生を残し、他の先生にはお引取り願い、
現在、ザジと二人で学園長室にメガネ先生に案内されています。

やばかった。他から見たら分からなかっただろうけど、
あん時、冷や汗だらだらだよ。


後は、互いの誤解を解こう。
そして、戸籍も何もないオレを保護してもらおう。

む、だが何て言えばいいんだ?


”実はオレ、一般人で英霊で異世界人で憑依者で英雄王で
先生方を力で黙らせたけど、戦闘の経験がないへタレなんだ。”


……いやいや、これはない、ないな。
ツッコミ所がありすぎるだろ。
つか、オレってカオスキャラじゃん。
え、なんですか。属性;混沌ですか。



………どうしよう?



自分の八方塞がりっぷりに行き着いた時、それに気づいた


じっ~~~~。


ザジがオレを見つめている。

オレは話しかけることにした。
現実逃避な気がしないでもないが。

「なんだ、女?」

「………(こく?)」
彼女は首を傾けた。

うーん、いやどうせ攻撃を喰らうし、助けられたから助けただけで、
深い考えがあってのことじゃないんだよねー。
だから、しいて言うなら。

「なに、ただの気まぐれにすぎぬ。次はないと思えよ」

「………(こくん)」
彼女はうなずいた。


……ちょっとかわいいと思ったのは秘密にしよう。


それにしても。

先導している、メガネ先生を見てみる。
何か違和感がある。
オレは……いや、我もこんな奴をどこかで見た覚えがあるのだ。

オレが見ているのに気づいたのか、先生が話しかけてきた。

「ありがとう」


……は?


「何を言っている、雑種?気でも狂ったか?」

「ごめん。言葉が足りなかった。僕の生徒を助けてくれて、ありがとう」

「それはただの気まぐれだ。勘違いするな。それに、貴様らが害を加えようとしたのだろう」

「そうだね。その通りだよ。でも意図的じゃないんだ。もし、そんなことしたら僕はあの子との約束を破ったことになる。それに他の先生も気づかなかったんだ」

「……約束?」

「とある子にね、”生徒を守れる先生”になって、と言われてるんだ」
そういったこの男の声は真っ直ぐで暖かかったが……どこか空虚だった。


なるほど。
どこで見たか分かった。
こいつ………衛宮士郎に似ている。
いや、精神は成熟してるしクールで渋い。
戦士としての力量もすごい。

けど、ひとつの強迫観念が見える。

”先生であるときは、この身は生徒のためになければならない”
という意思が感じられた。

そこで、オレは確信した。
ここは『ネギま』の世界ではないと。
それに良く似た平行世界だ。

……原作知識は参考程度にしておこう。


というか、この先生の話が本当なら、
ふつうに降参すればよかった。
いや、目がやばかったから危うく私刑されるかと……
より話をややこしくしてしまった気がしてならない。

ま、まあ、起こってしまったことは仕方ねー。
これからだ。これから。

「ついたよ」
先生の声がした。

気をとりなおした、オレ達は学園長室へ入る。




そこには学園長と――――――――――――


             ――――――――――――童姿の闇の魔王がいた。






役者は揃い、始まりの夜は終わりへ向かう。


―あとがき―

皆様に意見され、自分でも考えた結果、
変えることにしました。

前の話は脳から抹消してください。



[14043] 第四夜
Name: gill◆4654d7e5 ID:f35d9209
Date: 2009/12/22 21:15
―金ぴか―


学園長室に入ったオレはかなり驚いた。



扉を抜けるとそこには、
学園長の他に「闇の福音」、「人形使い」、「不死の魔法使い」で知られる
真祖の吸血姫がいました。


……なんで、このお嬢様がいらっしゃるんでしょうか?


「ああ、その女の子は関係者じゃ。あと、こちらに戦う意思はないぞ」
仙人のような見た目をした老人がオレの疑問に答えるように言った。

そ、そうか。
世界が違うから、
お嬢様の呪いがなくて殺されるENDかと思った。
たしかによく見てみると、抑えられてるのが分かるな。
ふぅー。びびった。


「さて、わしがこの学園の学園長、近衛近右衛門じゃ」
学園長が仕切りなおす。

「君達が侵入者ということでよいか?」

「うむ、そうらしいな」

「………(こく)」
その問いに、オレ達は同意した。

「ではいきなりじゃが、単刀直入に聞こうかの。君達はなにが目的なんじゃ?」


マジでいきなりだなおい。
だが、本当に話は聞いてくれるらしい。
よし!まずは……


「爺。誤解しているぞ、貴様」

「なにがじゃ?」

「この女と我に面識はない」

「ほう。そうなのか?」

「………(こく)」
ザジがうなずいた。

「ゆえに、まずはこの女から話を聞くが良い」

「……よいのかのう?」

「ああ、我が許そう」



………オレの説明を考える時間を確保だぜ!




――――――――ザジ説明中



なるほど。この世界の彼女はそういう境遇なのか。
オレは自分のことを考えながら彼女の話を聞き、納得した。


彼女によると、自分は悪魔と人間のハーフであるらしい。
両親が他界したときに、孤児院の人にを拾われたとか。

暖かく接してくれた恩返しに、孤児院を維持するためサーカスで道化師として働いていたが、最近つぶれてしまい、このままでは、孤児院のみんなが困ってしまう。
「友達」に相談したら、仕事を紹介され、そのために麻帆良学園へと来たのだそうだ。

「その友達というのは誰かのう?」

「………あーちゃん」

「なんじゃ”あーちゃん”とは?」

「………悪魔の………トモダチ」

「は?」

さらに、昔から人外に接して、友達になりまくったため、人間以外の友達が多数いるらしい。


すごいなおい。こんな無口無表情なのに。

なんかコツでもあんのだろうか?



「ふむ、なるほどのう」
一通り話を聞いた学園長が言った。

「よくわかった。ならばザジちゃん、君にはうちで働いてもらう」

「………?」
ザジが首を少しだけかしげた。

「いやの、お主は未遂とはいえうちの学園に盗みにはいったのじゃ」

「………」

「そこで、処罰として学園で警備員として働いてもらおうというわけじゃ。
しかし、この仕事は危険が伴う」

「………」

「じゃから、給料を渡そう。普通の給金よりかは、処罰であるため減るが
それでも結構な額になるじゃろうなー」

「………!」

「わかったかのう?」

「………(こくん)」
彼女はうなずいた。



お、お~~。
大岡裁きみてーだ。
つまり、その給料で仕送りしろってことなのだろう。
いい人だ。あんたいい人だよ学園長!

「ふむ、それでは待たせたのう」
学園長が話しかけてきた。

「いやなに、なかなかに面白かったぞ」
かっこよかったし。

「そうか。では説明してもらえるかの?」


「うむ、よかろう……まず我は英霊であり、英雄王であったものだ」

「「「……は?」」」
ザジ以外の三人が一緒になって唖然とした。




さてと、オレは話を聞いてる間、別にボーっとしていたわけではないのだ。

まずオレはどこまで話すか悩んだ。
一気に全部説明しても混乱するだけだろう。

物事はかくかくしかじかでは説明できんのだ。

それではこちらにとっても向こうにとっても、
百害あって一理なしだ。







だからオレは―――――――



―――――――金ぴか説明中


オレが説明したのは、
・この身は英霊
・ただの人であるオレが偶然、憑依した。
・異世界から、ここにぶっ飛んだ。

この3つだけである。
いや世界の詳しい違いやら、魔術体系の違いやら、
この体の元の性格やらは話しても意味ないし。
原作知識なんてここじゃ、ただの戯言だからな。



「俄かには信じられんのう」
学園長がつぶやいた。
奇遇ですね。オレもですよ。

「だが、本当のことぞ」

「ふむ。……では証拠を見せてもらえるかのう?いや、疑っているわけじゃないのだが、どうも実感がわかんのじゃ」

「ぬ……そうだな。魂が違うということは証明できんが、我が英雄王であったことはできる」

「では頼めるかのう?」

「よかろう。……ああ、そうだ。見せるだけであるからな。愚かな勘違いをするなよ」

「?わ、わかったぞ」

「さて、英霊がもつ宝具についてはわかっておろうな」

「あーと。簡単に言うとその英雄が持つ象徴で、奥の手じゃったかのう?」

「その通り。そしてこの身はこの世すべての財を持つ王だ。故に………王の財宝(ゲートオブバビロン)」


小さな鍵状の短剣を取り出し、発動する。

オレの背後の空間が歪み。

ありとあらゆる宝具がそこに浮かびあがった。

もちろん、全ての宝具は打ち出すためではなく見せる為だ。

皆が息を呑む。


「……我は我を象徴する宝具の他に、他の全ての宝具の原典を所有している。
ここにあるのが、その一部よ」
何の音もしない部屋に、オレの声が響いた。


「………」

「ん……?」

「…………」

「なんだ?もう痴呆か?」

「「誰が痴呆じゃ(だ)!!」」
場を和ませるために言ったボケに学園長とお嬢様が反応してくれました。
……いい人ですね。二人とも。



「本当に規格外じゃな………うむ、よくわかった」
学園長が気を取り直して答える。

それを聞いて、オレは宝具をしまう。

……なんか脅した、みたいな空気になってしまった。
そんなつもりなかったのに。




「それでどうするのじゃ、お主。行くあてもないのじゃろう?」
おお!この質問は!

「うむ、この世界のことはほとんどわからんぞ」
いいぞ。この流れでオレをこの学園に売り込める!

「何でもっと偉そうになるんじゃ……。だが、ふむ……」
学園長がなにかを考え始める。


くくくく。
それを見たオレは心の中で笑う。

ここで、たいていのSSでは、戸籍とかを条件に先生になり、
やっかいごとに巻き込まれるのが普通だ。
だが!
オレはそれを否定する!


主にオレの保身のために!


そこでオレが望むのは、
厄介ごとに巻き込まれにくく、さらに学園の利益になる役職……

その役職は、確かに存在する!

そしてオレが、我になったが故……


その役職にオレほど最適な存在はいない!


いくぞ、ここが勝負所だ!



「そこでだ、爺」

「む。なんじゃ?」

「我をこの学園の、理事にせぬか?」

「なに?どういうことかのう?」

「いやなに、我がこの世界で暮らすのは決定事項であるからな。
くだらぬ雑事を解決する、あてが欲しいのよ。
無論、ただでとは言わん。寄付を施してやろうぞ」
ちなみに、雑事=戸籍・住む場所などのことだ。


「寄付じゃと?お主はこの世界の資金などないじゃろう」

「いや、稼げる手がある。問題はない」

「そうなのか?………ふむ、なるほど。あいわかった」
どうやら学園長がオレの処遇を決めたらしい。


……どきどき。


「お主を理事に任命し、戸籍などを用意しよう。じゃが……」
学園長が一息置く。

「こちらにも二つ条件がある」

「……なんだ?」
ま、まさか危険地帯派遣とかそんなことじゃないだろうな。


「うむ、まず、余程のことがない限り生徒を傷つけぬことじゃ」

「それは当然であろう。そこまで我は暴君ではないつもりだ」
金ぴかは知らんが。

「次にじゃが、時々でいいので警備員のような仕事をして欲しい」

「む……むう。面倒であるが仕方ない。引き受けてやろう」
かなりイヤだけど。
こっちはお願いしている方だしな。
ま、まあ、時々ならしょうがねー。

「そうしてくれるなら、わしらはお主を歓迎しよう」

「うむ、よろしくしてやろう」
ここに、交渉は終了した。

まあ、おおむね成功だな。
あとはオレの努力しだいって奴かねー。

「では、戸籍を作るから名前を教えてくれんかの?」
学園長がそう聞いてきた。


えと。どうしよう。
いや、前の名前を名乗ってもいいんだけど、
どうもそれだとしっくりこない。

この世界で心機一転がんばろうと思っているわけだし。
それに、今のオレの見た目は普通に外国人である。
それでバリバリの日本名だとちょっと……。



というわけで。


「ああ、我の名前は………天夜(あまや)、天夜 ギルだ。
この世界での新しき名よ、覚えておくが良い」


そう、オレは名乗った。



――――――――

さて、あれから。

「戸籍ができ次第、正式に任命を発表するからの。
さて、お主が泊まるところじゃが………森の中に空き家がある、そこでどうじゃ」

「うむ、よいぞ」

「高畑君、天夜理事を連れて行ってはもらえんかのう?
それからザジちゃんは寮にもどってくれ。」

「はい、わかりました。学園長」

「………(こく)」

というやり取りがあり。
現在連れてもらっています。
………なぜか、お嬢様をつれて。


「なぜ付いてきている?小娘」
とりあえず聞いてみる。

「誰が小娘だ!私はこう見えても600年は生きてる真祖の吸血鬼、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ!」
半切れされながらお嬢様……エヴァに自己紹介された。
……たしかにいきなり小娘呼ばわりはないな。

「すまんな、だとしたら婆か」

「本気で言っているのか貴様ァ!」
今度は本気で切れた。


しまった。
とりあえず一件落着したから、
安心して、ノリで話をしてしまった。
……反省。

「さて、もう一度聞く。何で付いてきておるのだ」
気を取り直してTAKE2。

「流すのか貴様……。ふん。私の家がこっちのほうにあるんだよ」
ツッコミと同時に疑問に答えてくれた。



え。まさか………王道的あの展開!?



「ああ、空き家はエヴァの家から歩いて10分ぐらいのところにあるんだよ」
タカミチがオレの知りたいことを教えてくれた。


……なんだろ。ほっとしたような、残念なような。

いや死亡フラグ的には安心なんだけど。


「着いた。ここがそうだよ」
タカミチが言った。


おお、これか。
オレの目の前にはログハウスがあった。

「はい、カギ」

「うむ、受け取ろう」

「それじゃ、また明日」
そういって、タカミチ達は去っていった。


さて、今日はゆっくり休むか。
今日は本当に色々ありすぎた。


―――――そう思いオレはログハウスへと入った。






―学園長―
誰もいなくなった部屋で、わしはため息をついた。


……かなり緊張したのう。



彼――天夜ギルの話は驚くべきものじゃった。


彼は英霊と呼ばれるもので、さらに人類最古の英雄王。
そして、元普通の人間。



だが、違和感も残る。

憑依した、と言っていたが、その体の動きにぎこちなさはまったくなく。

知識を継続した、とは言っていたが、彼は己の体についてそれ以前からよく知っておるようじゃった。

普通の人間だ、と言っていたが、そのあり方はまさに「王」。

嘘はついておらぬだろう。
だが本当のことを全部話したわけでもないと思う。


……甘く見るのは絶対にだめじゃな。


ふーむ。いったいどうなることやら……。


そう思いながらも、わしは彼の戸籍を作るため行動することにした。





―――――最初の夜は終わりを迎える。





―あとがき―
プロローグ的なもの終了しました。

ザジの設定を変えたことについては
全力で謝ります。
真に申し訳ありませんでした。m(__)m


質問です。
茶々丸の製造日っていつですか?
教えてください。
できれば何年生の何月かで



[14043] 第五話
Name: gill◆4654d7e5 ID:f35d9209
Date: 2009/12/22 21:15
あらすじ―――――金ぴか(偽)は家(微妙にエヴァの近所)を手に入れた!




―主人公―


「朝日か……」
オレは窓から空を見つつ呟やいた。


昨夜は大変だった。


気づかないうちに死んだり、憑依したり、異世界に飛んだり、殺されかけたり……
とんでもないことの連続。


もうダメだ、と思ったのも一度や二度どころじゃない。


交渉では神経をすり減らしもした。


しかし、どうにかそれらも一段落してさ。
休めると思ったんだよ。



でも、まさか『あんなこと』がオレを―――










――――回想開始―――――

「な―――――に?」
オレはその事実に驚愕した。




こ、こんなことが……ありえていいのか?




まさかまさか、このオレが……




『眠れない』だと!?




オレはベットの中で目を見開いた。
まさに”カッ”という擬音がぴったりな感じで。



いったいどういうことだ?
オレは自慢じゃないが寝つきのよさがものすごくいい。
ベットに入って寝ようと思えば、10分ぐらいで夢の中だ。
さっきまで宝具整理をして、すばらしい武器の数々に目を輝かして興奮していたが、
それも収まっている。


だが、目を閉じるたびに微妙な違和感がオレを襲い、眠りを妨げる。
いや、無視して寝ようと思えば寝れるだろうが、猫並みに浅くなるのは必定だ。



なぜだ?
オレは我に問いかけてみた。


そして返ってきた答えに、


……………ハア?

オレは唖然とした。




ギルの価値観曰く、


こんなみすぼらしい家に我が寝るなどありえぬ!


な感じの考えが体に染み付いているらしい。




いや、いやいやいやいや!
みすぼらしくねーだろこの家。



2階建てだぞ、風呂付だぞ、ログハウスだぞ!
内装もしっかりしてるぞ、オサレな感じで!



だが、疲れているのにじっくり眠れないのも事実だ。





人が早く寝たいのに……このわがままボディがァ!

やってやろーじゃねーか!
徹底的に改装してやらァ!


オレは半ギレぎみに準備に取り掛かった。



まずは、手伝ってもらう自動人形をできる限り多く!
すでにある内装を引き剥がして……。
もう部屋ごと作り変えるか!?
それから…………。



――――回想終了―――――




そしてついさっき。
やっと満足できるまで改装し終わったオレは、すぐに寝ようとしたのだが……


なんで向かいにエヴァ主従がいるのでしょうか?
そしてなぜ朝日がこんなに明るいのでしょうか?


理不尽だぜ……いやマジで。


そんな感じでオレの”ネギまっぽい世界”の二日目が、なんとも締まらない感じで始まったのだった。






――エヴァンジェリン――

今朝ジジィから電話があった。

「すまんが、彼の様子を見てくれんか?妙な魔力反応があったんじゃ」


「断る。なぜ私がそんなことをしなければならないんだ」


「いや、暇な魔法先生に頼もうとしたのじゃが、その全員が昨日の警備員でのう。いくら大丈夫じゃと言っても、無理だと青い顔で言われてしまってな。高畑くんも出張の仕事があっていないんじゃ」


「ならばお前が行ったらどうだ?」


「ワシも仕事があってのう。彼の戸籍のこともあるし手が離せん」


「それなら魔法生徒を行かせればいい。昨日の契約があるから大丈夫だろ」


「確かに契約を破るような王ではないとワシも思うが……。
いきなり何も知らない生徒を行かせるのは、さすがにのう」


……まてよ。
ジジィの『王』という言葉であることを思い出す。


昨日のアノ男は最低限のことしか話さなかった。

憑依といってもどのような状態か?
――――――知識を継続している

なぜ異世界から来たのか?
―――――偶然だ


などと一言で言うだけだった。


私の予想だが、厳密には憑依ではなく、融合しているのではないだろうか?
つまりだ、英雄王とアイツが一つの存在になっている。


こう説明すると、アノ男が『王』のまま違和感がないのも納得だ。
まあ、あくまで予想でしかないが。


これが正しいとするとアノ男には、へりくだるのも、押さえつけるのもダメだ。
できうる限り、対等な立場として関わるのが最善だ。


逆らう奴も嫌うが、ただただ従う奴も嫌うからな。


伊達に長生きはしていない。
あんなタイプは幾人か見たことがある。
………あそこまで理不尽な力は持っていなかったが。


だからこそ、私のあの男の印象は”少し丸くなった暴君”だ。

と、そんな分析はどうでもいい。
思い出した言葉はこれだ。


【我は我を象徴する宝具の他に、他の全ての宝具の原典を所有している】


すべての宝具……もしかしたら私の呪いを解くアーティファクトがあるかもしれない。
聞いてみる価値はある。
とするとここは……


「むう、できればエヴァにやって欲しかったが仕方ない。
気丈な生徒に頼むかのう。ではエ「待てジジィ」む、なんじゃ」



クク、それなら仕方ない。
引き受けてやろうじゃないか



「ナァ、御主人」
電話を終えた私に、棚の上に置いてあるチャチャゼロが話しかけてきた。


「昨日話シテタ奴ニ会イニ行クンダロ。オレモ連レテ行ッテクレヨ」


「なぜだ?」


「武器収集家トシテ宝具ノ原典ッテヤツニ興味ガアルゼ」


……そういえばコイツは昔から剣を集めていたな。

ふむ、まあいいか。
うるさくなったらバックにでも押し込めばいいし。


「いいだろう。だが静かにしとけよ」


「ヨッシャ!」
チャチャゼロが喜んでいる、動いてはいないが。

「茶々丸」
私は今日の朝、メンテナンスから帰ってきた従者に声を掛けた。


「はい、マスター」


「出かけるぞ。チャチャゼロはお前が持っていけ」


「わかりました」







~~~~~~エヴァファミリー移動中~~~~~~~~~



目的地に着いた。
着いたのだが……

「………なあ、茶々丸」


「なんでしょう。マスター」


「ここにあったログハウスは、我が家と同じ作りだったよな」

「はい、同じタイプでした」


「私にはなぜか別の建物に見えるのだが」


「その通りです。二階建てなのは変わっておりませんが、
大きさは80%増し、庭も造られており、さらには高価なものと思われる装飾が多数見えます。
よってこの建物に対する呼称で最も適当なのは『屋敷』です。
安心してください。マスターの目は正常です」

「………」

「あっ、マスターそんなに巻かれては……」


そこにあったのは、このボケロボの言った通り『屋敷』だった。
ご丁寧なことに、表札には黒いプレートに流れるような金文字で【天夜】と書いてある。


……妙な魔力反応の原因が一発でわかったな。


「……とりあえず、行くぞ」


自分を落ち着かせた私は、森の中なのに何故か舗装されている道を通って、
一目で高級品とわかる金細工が施された扉を叩いた。



……反応ナシ。


「ん?いないのか?」


ドアノブを回してみると音を立てず、流れるように開いた。


「なんだ。無用心だn………は?」


――――扉の向こうはまさに別世界だった。
いや、外を見てある程度は覚悟していたが……なんなんだ、これは!? 



まさに、ドアを抜けるとそこは財宝の山。
壁という壁は輝き、床は磨きこまれた大理石。
部屋を飾る芸術的な調度品の数々。
足元には足首まで埋まるふかふかの絨毯が敷かれている。



この部屋を一言で言うと――――


────金ぴかだった。外から見たら屋敷っぽいとはいえ、ログハウスなのに金ぴか以外のなにものでもなかった。



そして部屋の中央、アンティークなソファの上、
寝巻きだろうか?シルクのシャツに黒のパンツを着込んだこの家の主が目を閉じて座っていた。


その男はある種の神秘さを纏っている。
朝日により、黄金の髪が輝く様子はまるでひとつの絵画のようだ。
その男がゆっくりと目を開き、
こう呟いた。


「朝日か……」


「朝日か、じゃない!なんなんだこれは!?」
あまりの理不尽の連続に、ついツッコミを入れてしまった私はおかしくないと思う。

「む……小娘、なんでいる?」

「ジジィに様子を見てきてくれと頼まれてな。……じゃなくてそれよりも!なんだこの家は!?」

「なに、少々我が住むには貧相であるがゆえ、改装をしたに過ぎん」



貧相。貧相といったかこの男は。
こいつは知らないだろうが、私の家はこれと同じタイプだぞ!
それにこれは明らかに改装ではなく改築だ!!



「それともなにか?気に入らない所があるのか?」
黄金の男が赤い眼を細めながら聞いてきた。



当たり前だ。
こんな……こんな金と鮮やかな貴石をこれでもかというほど贅沢に飾り、
どれ一つとっても国宝級の精巧で芸術的な品を、見事に場に調和させて配置し、
煌びやかながら悪趣味さを感じさせない壮麗な黄金で統一した、こんな部屋に対する文句は……


「……ないぞ」


「ま、当然であろうな」



……なんなんだこの敗北感は?






―――――――――日はまた昇り、話は動き出す。











―あとがき―
遅くなりました。
できる限りは書きます。
更新速度は期待しないでくださいね。



[14043] 第六話
Name: gill◆4654d7e5 ID:f35d9209
Date: 2010/02/04 19:55
あらすじ――――寝不足な王様は吸血姫(&ファミリー)と語る……のか?


―主人公―


「まあ、そこらに座るがよい」


エヴァと一言二言話したオレは、とりあえず席を勧めた。


………口調は相変わらず傲慢全開だったが。


対面のソファーに座る、なぜかぶつぶつ言っているエヴァと………ん?




………どことなくロボッぽい(いやガノノイドだったか?)、背の高い彼女はいい。
この学校で一緒にいなきゃ、おかしいからな。
そのために製造されたんだし。
でも、その頭の上にちょこんと―――――


「はじめまして。マスターの従者の絡繰茶々丸です。こちらが姉の……」


「ケケケケケ。チャチャゼロだ。ヨロシクダゼ王サマ」




―――――殺戮人形(キリングドール)と呼んでも差し支えないアナタがいるのはなぜですか?



魔力供給はされてないみたいだけど先入観のせいか、かなり怖く感じるんですけど。
さらに寝不足により精神が不安定で、恐怖度はさらに倍なんだけどー!!



戦々恐々な状態になったオレにチャチャゼロは話しかけてきた。



「ンデ、早速ナンダガナ」


「なんだ?」
……いきなりなんだ?
何言われんだ?
別荘でタイマンしようぜ。なーんて要求された日にゃ大脱走は必死だぜ?


あ、でも良く考えると……。
機嫌を損ねると満月の夜に、魔力を供給されて……なんて可能性もあるな。



と、いうことはだ。



どうやらまたまた危機的状況に晒されているらしいな、オレ。
立場が確定した今、考えすぎかもしれねーが



ちょっとでも選択ミスをすると、鮮血エンドは必死に……ブルブル。
よく考えて会話しよう。



「王サマガ持ッテル武器。デキレバ剣類ダナ、ヲ見セテクレナイカ?」


む、微妙だな。
意図とかが解らん。
もっと詳しく。


「ほう。なぜだ?理由を申してみるが良い」
理由によって対策は変わるからな。
逃走とか示談とか土下座とか土下座とか、たとえば……額を地面にこすりつけたりとか。


「純粋ニ原典ニ興味ガアルカラダナ。数ハ少ネーケドオレモ剣ヲ集メテンダヨ。チナミニ好ミナノハ大剣ダ」



その言葉で、弱気になっていたオレは気づいた。


……そういうことか。
なんて勘違いをしていたんだオレは。


どんな危険な意図があるかと思ったら。
コレクター魂の発揮で、動けないのにここまで来たのか。
それはそれは――――――――


「ほう。まあ、良かろう。本来ならば許さぬ所だがその心意気に免じ、我の宝を見せてやる」


「マジカ!」



―――――――――すばらしいことじゃねーか!!
わかるぜその気持ち。
オレもジャンルはバラバラだったが収集癖があったからな。
どんなに入手困難でも、いや逆に入手困難だからこそ燃えるんだよ。
それにな。


「ああ、そうだ」


「ン?」


「この世には無数ともいえる武器があるが―――――一撃が重い大剣も嫌いではないぞ?」


オレも大剣は好きな方だ!
ロマンだよロマン!!



そうして好みが合ったオレ達はどちらからともなく笑いあった。



「く―――――――ははははははは!!」
「ケ―――――――ケケケケケケケ!!」




いやはや、お前とは仲良くなれるかもしれないな!




頭の上に爆笑しているチャチャゼロを乗せて、茶々丸の言葉が聞こえた。
「ああ、姉さんがこんなにも楽しそうに」



いつのまにか現世に戻ってきたエヴァが「会わせちゃいけない奴らを会わせてしまったかもしれん……」とつぶやいたのは、爆笑していたオレには聞こえなかった。







☆☆☆☆☆


「他に用ないのか?」


さて。
帰る頃には返すと説明して、チャチャゼロを倉に放り込んだ(王の財宝内部には魔力が満ちているため動ける)オレは仕切り直すことにした。




「……ジジィからの伝言で今日の夜にまた来てくれだそうだ。」
なぜか疲れが目立つエヴァ。


なんで疲れてんのかよくわからんが早く終わらせてやるか。



「ふん。それだけか」


「後だな………」
エヴァの目に光が戻ってきた。


「貴様はもう気づいているだろうが、私はこの学園に縛り付けられている。この忌々しい呪いを解くことは貴様にできるか?」


今度は目が期待に染まっている。




えと、あはははは………


「当然だ。我を誰だと思っている。この世のすべての財を集めた王ぞ」


「なら………!」



先に謝っときます。
すいません!!



「だが、もし我が財が呪いを解けば小娘、貴様――――――――死ぬぞ?」


「な………に?」



きちんと説明するよ。


「たしか、お前は真祖だと言っていたな。確認なのだが、この世の真祖とはなんだ?」


「……今は失われた術によって自らを吸血鬼と化した人間だ。一種の呪いのようなモノ―――――なっ!?まさか!?」


「その通り。我が財は強力無比な原典ぞ。解呪の宝具も例外ではない。そこにある呪いは”すべて”解く」


「………」
エヴァが青ざめている。
どうやら気づいたらしい。


「ゆえに、使えば―――――600年の月日が『人間』の体に降りかかり、確実に灰にいたるぞ。例外の宝具もあるにはあるが、どうなるかまったく解らん」



例外は皆さんご存知、破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)の原典だな。


魔術的契約や魔力によるモノ、生成物などをすべて”作られる前”の状態に戻す究極の対魔術宝具……なのだが。


作られる前といったら600年前である。
人間の記憶容量は100年ちょとぶんであるから、なにか魔術的に記憶に作用しているのだろう。


と、いうことは


もしかしたら解いた瞬間に記憶がロストして「うーここどこですかー?」なーんて10歳の頃に戻るかもしれん。




……一瞬見てみたいと思ったのはウソだぞ?




さてエヴァを見てみると。



………うわぁ


ものすごく凹んでいた。



暗い、暗いぜ!
”ずーん”って音が聞こえそうなくらいだ!
茶々丸が慰めているけど、効果なし!



ごめんなぁ。
我って持ち手だけど担い手じゃねーからさ、真名も使えねーし、小回りも聞かないのよ。
や、もしきちんと解けたとしても解かないけどさ、オレの保身的に。
うう、でも罪悪感が……


オレは取り付くように言った。
「だがもし万が一、治癒や解呪を生業とする、人の身を超えた力を持つ者がいれば――――解呪するモノを選べるやもしれぬ」


つまり、担い手じゃなくても使い手が現れればいけるかもしれないってこと。
対象を選択ぐらいはできる、と思う。


まあ、いないだろうけど。
最低でも英雄レベルのポテンシャルがないとね。
そんな都合のいい奴なんて。




「…………」



………いるかも。
もし、彼女に関して設定が変わってなければの話だけど。


やべー、もしエヴァが彼女連れてきたら………。
でもいきなり前言撤回はできない。





………ま、まあおいおい対策は考えよう。





どうにかなる―――――――と、いいなぁ。







☆☆☆☆☆


エヴァが少しだけ元気になった事を確認したオレはお帰り頂くことにした。


もう眠さが天元突破して、限界です。
懸案事項も増えちまったし。
周りを観察する力もなくなってきた。



エヴァ主従が立ち上がったと同時に指を鳴らす。
エヴァがびくっとした。
あ、すいません。


「はっ、誤解するな」
……なんで謝れないんだろう、この口は。



ちょっとナーバスになったオレは、小さく開いた穴に手を突っ込みカノジョを引きずり出す。



「ウオー!スゲー!ッテアレ?」
テンションが上がっていたであろうチャチャゼロが、オレの手にぶら下がっている。



「ナンダヨ。モー終ワリカ?」


「また今度来ればよかろう?」


「オウ解ッタゼ……御主人」


「………勝手にしろ」
エヴァがかなり疲れたように言った。


「ヨッシャ!!」


「よかったですね。姉さん」


オレはチャチャゼロを茶々丸に渡した。


「では失礼しました」
「じゃあな」
「ケケケケ。マタナー」









エヴァファミリーが帰っていったことを確認したオレはそのままソファーで意識を失うように、倒れた。









ああ、思ったより限界だったみt―――――――――おやすみなさい。








―――――――――――――物語は夜へと進む。













ーあとがきー
なぜか、どうしても忙しいときに限って筆は進むんですよね。
更新速度の遅さが亀を超えた!(もちろん、悪い意味で)


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