2009年12月10日

ハンセン病 国立療養所 100年

ハンセン病 国立療養所 100年 地域共生を探る

 


今朝の東京新聞の記事のタイトルです。私は東村山市民として東村山市の多磨全生園の将来には深い関心を持っています。今日は多磨全生園に関して少しだけ触れたいと思います。

 


その前に、気になったことがあります。全国13カ所の療養所には今も2,500人以上が暮らしているとこの記事には書かれていますが、昨年の今頃は確か3,200人と公表されていたと記憶しています。つまり、私の記憶が正しければ1年間で2割の方が亡くなられたということです。

 


入所者の平均年齢も80歳を超えているそうです。それだけに急がなくてはなりません。

 


全寮協の事務局長は「(国が土地を民間に払い下げたら)納骨堂に安置されている一万六千柱が無縁仏になってしまう」としていますが、療養所にはキリスト教を含めた複数の宗教施設があります。個人的な信仰を無視し、すべてを「仏」とすること自体も人権問題ではないかと私は考えますが、皆さんはどのように思われるでしょうか。

 


もう少し、具体的な問題について記します。待機児童の増加に悩む東村山市の渡部市長は「保育園の設置を働きかけている」そうですが、年間の地代が一千万円を超えることで「高い地代を払い続けるのはかなり厳しい」と実現の難しさを語っています。

 


この国の行政はどうなっているのでしょうか。頭が混乱してきました。「国」とは主権者である国民の集合体であり、その主権者が困っているのに「国」がお金の問題で主権者である国民を助けようとしない、こんなばかげた話があるのでしょうか。国土とは主権者である国民のものではないのでしょうか。霞が関の役人のものなのでしょうか。

 


さらに問題なのは、東村山市の税金の使い方です。東村山市は東村山駅西口の再開発に膨大な税金を投入してきました。トトロの里山の八国山を見下ろすかのような100mビルを建設しました。東村山市は「西口ピカピカ、学校ボロボロ」と揶揄されてきましたが、その再開発ビルの2階のフロアーを東村山市は10億円で購入し、健康施設なるものを運営しています。

 


以前に、見に行った時には誰一人利用者はなく、職員が退屈そうに健康器具を動かしていました。この2階のフロアーに税金を投入することに対しては、市議会民主党も賛成しています。残念ながら、地方議会における民主党の認識は自民党と大して変わらないのです。

 


お分かりだと思います。10億円とは、保育園設置の土地代、年間1,000万円の100年分です。



 

私は、2階フロアーの買い取りなどに反対し、住民投票を求めた市民活動の代表請求人でした。当時市民からも、健康増進施設より保育園をという声があげられていました。そして、市民17,000人以上の署名を頂戴いたしました。

 


しかしながら、市議会は一票差でこのフロアーの買い取りの見直しを求めた住民投票を葬ったのです。

 


あの時のことを省察すると、「利用された」としか言いようがありません。なぜならば、住民投票を求めたグループは分断し、それぞれの思惑で半年後の市議選、市長選へと突き進んでいったのですから。そして、今でも、私への恨みは残り、誹謗中傷が繰り返されているのですから。

 


話を戻します。私は昨年末、多磨全生園を年越し派遣村に集う、住む家のない人々に一時的に無料提供したらどうかと提言したことがありますが、その声は届きませんでした。

 


宮崎駿監督は、多磨全生園の人権の森構想にも取り組まれています。東村山市も本年9月に人権の森宣言を発表しています。

http://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/~kakukaweb/006000/jinkennomori.htm

 


私は以前に、市議会に「地球温暖化防止東村山宣言」に関する請願を提出し採択されましたが、その後、何も動きはありません。同様に、人権の森宣言が宣言で終わらないように、具体的な活動を提言していきたいと思います。

 


それは、多磨全生園を障がいをお持ちの方が生き生きと働ける「緑」づくりの構想です。園内には、竹林もあります。こういった資源を活用し、循環型の施設づくりを図っていくことが重要であると私は考えます。