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| 今シーズン最後の練習で笑顔を見せながらトレーニングする原口（中央）や永田（右から２人目）ら＝８日午前、大原サッカー場 |
今季リーグ６位に終わった浦和は８日午前、大原サッカー場で今シーズン最後となる全体練習を約１時間１５分行った。持久走やレクリエーション的なメニューが中心で、選手らは終始笑顔が絶えなかった。
来年１月中旬の始動日まで約１カ月間オフとなるが、選手にはオフ期間中の個別メニューが手渡された。細貝は「あっという間に終わった１年だった。オフも体をつくるときはしっかりつくって、休むときはしっかり休みたい」と話した。
一方、一部報道で他クラブへの移籍の可能性が報じられた高原は、「（契約期間が）１年残っているので、そこをベースに考えたい。おれは（浦和を）出て行くなんて言ってないし」と残留を示唆していた。
功労者一人寂しく退団
「もうここには来ない」。闘莉王は７日、大原サッカー場に顔を出したが練習をせず、荷物をまとめ、その一言を残して帰っていった。今シーズン最後の全体練習となった８日も、背番号４の姿はなかった。日本代表候補合宿に招集されてはいるものの、阿部が浦和の練習に参加していたのだから、回避したことは疑いの余地がない。
退団が決定的とされている。当初は本人の希望である海外クラブへ移籍と報じられたが、ここにきて国内移籍も視野に入れているという。名古屋がオファーを出し獲得に乗り出している。
なぜ退団するのか。「レッズを愛する気持ちは変わらない」と本人も口にしているのに、国内移籍を視野に入れてでも、退団しなければならない理由とは何なのか。
闘莉王自身は言う。「レッズに自分は必要とされていない」。クラブ関係者は言う。「レッズが次のステージに進むために、彼がいるとチームは一つになれない」
闘莉王といえば、強烈なリーダーシップが最大の持ち味だ。センターバックながら果敢に攻撃に参加し、規格外のディフェンダーとしてチームを引っ張り続けた。しかし、センターバックが守備から離れることで、ほかの選手への負担が小さくなかったのも事実だった。
闘莉王の最大の長所が今のチームには足かせになっている－。クラブはそう判断したのだろう。本人にすれば、これほど悲しいことはない。
闘莉王なくして２００６年のリーグ制覇、０７年のアジア・チャンピオンズリーグ（ＡＣＬ）のタイトルは獲得できなかった。前述のクラブ関係者も「この６年間、本当に感謝していることは事実」と認める。
闘莉王は１３日にはブラジルに帰郷する予定で、それまでに決着する可能性は低く、うやむやのまま移籍することになりそう。クラブの指針もあるだろうが、セレモニーもなく、愛したサポーターに直接あいさつできる場も持てず、浦和の黄金時代を支えた功労者が去ろうとしている。今回のドタバタ劇は、あまりに寂しすぎる。
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