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仙谷行政刷新相
診療報酬はプラスに動く
医療水準維持には国民負担増も
2009.12.4

 仙谷由人内閣府特命担当相(行政刷新)は2日に東京都内で講演し、次期診療報酬改定について、「わずかでもプラス方向になるように私自身は動きたい」とするとともに、診療報酬引き上げによって保険料や患者窓口負担が増加することに触れ、「治療の負担水準がこれでよいのか。どこかで国民に問いかけなければならない」と述べ、現在の医療水準を維持するためには医療費に関する国民、患者の負担拡大が必要との見解を示した。また、国立がんセンターなど来春に独立行政法人に移行されるナショナルセンターの運営体制整備のため、「ナショナルセンターガバナンス検討チーム」を設置したことも明らかにした。

 仙谷氏(写真)は講演で「インフォームドコンセント(IC)などの業務にどこまで時間がかかるか、手を煩わされているか。それが評価されるシステムが作られているか。技術やICへの評価を高くしなければ日本の医療はもたない」と述べ、診療報酬による評価が緊急の課題との認識を表明。さらに、税収の落ち込みによる厳しい財政運営の実態を紹介しながらも、「(医療費全体のうち)国費は4分の1であり、少々のことを覚悟すれば大騒ぎするような額でなくてもプラス改定に動かすことができる」と、診療報酬のプラス改定実現に自信を示した。

 仙谷氏は、医療費増に伴う国民、患者の負担増に関連して、小泉政権当時の医療制度改革に言及。「国民は窓口負担が安くなればよろこぶという考えが決定的に間違いだった。産業論としても、国民医療費を拡大していくことに躊躇しないことが大切」と語った。

●公的病院のガバナンス整備へ

 一方、医療改革への取り組みでは、「行政刷新の立場からメスを入れ改革していかなければならない」と述べ、<1>OECD並みの医療従事者の確保<2>良質な労働力の再生産への貢献<3>独立行政法人化するナショナルセンターの運営体制整備―を推進する考えを示した。ナショナルセンターについては、「ナショナルセンターのガバナンス(統治)検討チームを立ち上げた。財務、コンプライアンス、人事、労務に関して国民の手本となる独法を作ってほしい」とするとともに、「次に続く社会保険病院、厚生年金病院、あるいは公立・公的病院に対する取り組みの手本にできると思っている。民間の経験、知恵を借りて厚生労働省と公的な医療機関の新たな関係を作り出していきたい」と公的病院改革推進に意欲を示した。

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