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フグ処理者の講習会 受講者が殺到

[2009年3月4日 14時31分]

受講者で埋まったフグ処理者更新登録講習会の会場=3日午後、大分市

受講者で埋まったフグ処理者更新登録講習会の会場=3日午後、大分市

 マフグの卵巣による中毒事件が起き、保健所の緊急立ち入り調査でフグ処理施設の無届けや処理者を置いていない店舗が県内で相次いで見つかっている。そんな中、大分市内で三日に開かれた県食品衛生協会の「フグ処理者更新登録講習会」に、三百人近くの受講者が詰め掛けた。

 「県食の安全・安心推進条例」は二〇〇五年に施行。そのうちフグの処理施設や処理者の資格に関する規定は、周知期間を経て〇六年から適用している。条例に沿って、それ以前に処理者の資格を得た人を対象に、〇六年から更新登録講習会を開いている。
 対象者は〇八年度末で資格の“有効期限”が切れるため、更新を希望するなら講習を受けなければならない。講習会は中毒事件発生(二月七日)後の二月十二日に別府市であり、今回は大分市で開催。二回の講習を、これまでで最も多い計四百七十五人が受講した。〇六年度は計六回で二百七十八人、〇七年度は計四回で四百十七人だった。
 三日にあった大分市での講習会は二百八十人が受講。県や県食品衛生協会の関係者は、中毒事件で資格への認識が高まったことに加え、資格の有効期限切れ前の“駆け込み受講”の影響があるとみている。
 佐伯市の男性(58)は「やはりフグ調理には資格と経験が必要」。大分市の男性(62)は「資格は消費者の安心につながるもの。店頭で『資格は持っていますか』と聞かれるなど、消費者も敏感になっている」と話した。
 別の大分市の男性(75)は「行政は事件が起きてから調査に入るが、定期的に立ち入り調査しないと無届けやフグ処理資格を持たない人がさばくことが再び起こり得る」と訴えた。

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