北秋田市の津谷永光市長は3日の市議会一般質問で、10年4月開業予定の市民病院について「試算されている赤字補てん額は、市の財政運営に大きな影響を及ぼす」との認識を示した。
同病院は市が設置し指定管理者の県厚生連が運営。市が赤字補てんをすることになっているが、医師不足で半分近い病床が使えない見通しで多額の経営赤字が見込まれている。
津谷市長は、県厚生連に対して医療サービスの充実や経営の効率化に最大限の努力を求める意向を改めて示した。しかし医師確保については「大学病院や関係団体に招へい活動を行っているが、具体的な了解をいただいている状況にはない。引き続き努力していく」と述べた。
さらに市民病院が県医療再生計画の中で「入院機能に特化」との方針が示されていることを認め、県計画との整合性のため市の基本構想を見直すと説明。「市民病院に入院機能を集約し、休床病床を稼働させて病院機能としての稼働率を上げることと、市民病院の機能を外来より入院に重点を移すことと理解している」と語った。【田村彦志】
毎日新聞 2009年12月4日 地方版