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世界のたばこ事情 日本の価格は安過ぎる!? (1/2ページ)
■警告、広告規制も欧米に比べ緩やか
たばこ1箱300円は安すぎるのか−。たばこ税の増税について政府税制調査会などで論議されているが、11月27日には財務副大臣が「来夏の参院選で信を問うべきだと思う」と来年度からの増税見送りを示唆するなど、たばこ政策の行方が注目されている。嫌煙派は欧米各国から後れを取る日本のたばこ規制をやり玉に挙げ、「欧米並みの価格」を訴える。パッケージの警告表示の面でも日本は緩やかと指摘されることも少なくない。諸外国のたばこ事情を追った。(日出間和貴)
日本“ワースト1”
一般的なたばこ1箱の価格と小売価格に占めるたばこ税などの税率を国際比較すると、日本の税率(63%)は先進国並み。しかし、1箱300円という価格はかなり安い。
EU(欧州連合)のたばこ規制グループは5年前、加盟国を対象に「たばこ規制」を評価。(1)価格(2)禁煙場所(3)たばこ規制予算(4)広告規制(5)警告表示などをポイント化し、各国の規制状況を調査したところ、トップはアイスランド。英国、ノルウェーが続き、ルクセンブルクが最下位だった。
国立保健医療科学院研究情報センターのグループが同じ尺度で日本のたばこ規制を当てはめたところ、最下位となった。価格のほか、警告表示、広告規制などで評価を下げていた。
日本でも4年前、たばこのパッケージに喫煙の害を知らせる「肺がん」「心筋梗塞(こうそく)」などの文言が義務付けられたが、欧米に比べると依然、緩やかだ。月刊「禁煙ジャーナル」編集長の渡辺文学さんによると、諸外国の中には「喫煙は死に至る」とショッキングな警告文を記載するケースは多く、ブラジルのようにパッケージの片面にグロテスクな写真を載せ、たばこの恐怖を訴える国もある。
1箱700円?
一方、アジアのたばこ規制はまちまちだ。喫煙率が約60%と世界有数の喫煙大国・韓国では1箱250円前後。安価な価格が喫煙率を高めているという声もあり、日本と同様、増税をめぐる論議が活発だ。