政府税制調査会は2日、民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた中小企業に対する法人税率引き下げについて、10年度からの実施を見送る方向で最終調整に入った。減税分を穴埋めするための代替財源の確保にめどが立たず、10年度改正では減税に踏み切れないと判断した。
鳩山政権は子ども手当や高速道路無料化などの看板政策でも歳出規模圧縮に向けた検討を始めており、財源不足を背景に公約を軌道修正する動きが鮮明になってきた。
中小企業減税はマニフェストに実施時期を明記していないものの、藤井裕久財務相は9月の就任直後に10年度からの実施を明言。経済産業省も10年度実施を要望していた。検討中の追加経済対策で中小企業の金融支援に1兆円規模を積み増す一方、減税は見送る方向となり、政策がちぐはぐとの批判も出そうだ。
法人税の扱いは2日午後の税調会合で協議する。経産省が反発して決着が持ち越される可能性はあるが、最終的には見送りとなる方向だ。