不適切な治療で盛岡市の男性(当時58歳)の持病が悪化、死亡したとして、男性の妻(70)が岩手医科大と担当した医師2人に損害賠償8050万円を求める訴訟を盛岡地裁に起こした。提訴は10月26日付。
訴状によると、男性は1987年7月、交通事故に遭い、同大付属病院に入院した。男性は糖尿病の持病があったが、治療の際に血糖値を上げる作用がある薬を処方されたり、輸血で膵臓(すいぞう)の機能が低下したりしたことから病状が悪化、89年10月に窒息死したとしている。
同病院医療安全管理部の阿部勉事務室長は「正しい治療法だったと考えており、訴えを受けたことは残念だ」と話した。【山中章子】
毎日新聞 2009年12月2日 地方版