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読谷ひき逃げ:加害者が日本人なら全件逮捕 日米不公平さ浮き彫り

 読谷村楚辺で7日に発生したひき逃げ死亡事件で、県警は在沖米陸軍トリイ通信施設の2等軍曹(27)を容疑者と特定しながら、日米地位協定に基づき逮捕せず任意捜査を続けているが、県内で過去5年間に発生した日本人を加害者とするひき逃げ死亡事件では、6件の全容疑者6人を逮捕していたことが、28日までに県警のまとめで分かった。

 日本人が容疑者なら逮捕率は100%だが、容疑者が米軍関係者の場合は逮捕されない日米地位協定下の不公平さが浮き彫りになった。専門家は「ひき逃げ死亡事件は重大な事件だ。政治問題化することを恐れず、県警は逮捕状を請求すべきだ」と起訴前の身柄引き渡しを早期に求めるよう訴える。

 日米地位協定は1995年に、凶悪犯罪について米側が起訴前の身柄引き渡しに好意的配慮をするよう運用改善された。さらに2004年には日米合同委員会で、引き渡しの対象を「日本政府が重大な関心を有するすべての犯罪」に広げることを確認した。

 県警によると、県内のひき逃げ死亡事件は04年2件、05年1件、06年に3件発生し、容疑者となった日本人6人が道路交通法の救護義務違反(ひき逃げ)や業務上過失致死の疑いで逮捕されている。7日午前に、読谷村で発生したひき逃げ死亡事件では、県警は2等軍曹が運転していた普通乗用車から被害男性の毛髪や血痕が検出されたことなどから17日までに2等軍曹を容疑者と特定。だが、県警は米軍側が容疑者を禁足しており「証拠隠滅や逃走の恐れがない」と現段階で逮捕状を請求せず、任意捜査を継続している。

 一方、2等軍曹は14日以降、任意の事情聴取への出頭を拒否。米側は捜査への全面協力を約束しているが、事情聴取はできておらず捜査は難航している。

 日米地位協定に詳しい新垣勉弁護士は「ひき逃げ死亡事件は犯罪として悪質性が高い。(起訴前に)日本側に身柄が引き渡される事件だ」と指摘。「県警は政治問題化することを恐れて萎縮(いしゅく)せず、逮捕状を請求し身柄の引き渡しを求めるべきだ」と強調した。

(松堂秀樹)

(琉球新報)

2009年11月29日

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