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茨城空港、売店なしで開港? 1日1往復「赤字必至」(1/2ページ)

2009年12月1日15時1分

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写真:来年3月の開港に向け、内装工事が進む茨城空港ターミナルビル=11月17日、茨城県小美玉市来年3月の開港に向け、内装工事が進む茨城空港ターミナルビル=11月17日、茨城県小美玉市

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 来年3月に開港する茨城空港(茨城県小美玉市)のターミナルビルに、テナントとして入る予定の飲食店と売店の2社が、ビルを管理する同県開発公社に「今のままでは赤字は歴然で出店できない」と伝えた。定期便の就航が1日1往復だけでは不採算になるためだ。交渉は続けているが、飲食店も売店もないまま新空港がスタートする可能性も出てきた。

 見送りを検討しているのは、飲食店などを展開する「すぎのや」(本社・同県坂東市)と菓子製造販売の「亀印製菓」(同・水戸市)。テナント料の大幅な引き下げなどがなければ、出店する姿勢は見せていない。

 両社の出店は昨年7月に公募で決まった。すぎのやは最も広い275平方メートルと52平方メートルの2区画、亀印製菓は78平方メートルでそれぞれ営業する予定だった。賃料はいずれも売り上げの10%で、最低賃料として1平方メートル当たり2100円が設定された。ただ、正式契約は交わしておらず、「内定」のままになっている。

 1999年に示された国の需要予測では、同空港には国内4路線が入り、年約81万人が利用するはずだった。しかし、今のところ国内線はゼロ。唯一決まっているアシアナ航空・ソウル便が1日1往復しても、想定される利用者は年間7万7千人と当初予測の10分の1にも満たない。

 亀印製菓によると、同空港で営業した場合、年約30万人が利用しないと採算はとれないという。担当者は「今のままでは赤字は歴然で、店は出せないとは伝えた」と話す。すぎのや関係者も「多少の赤字なら出店するつもりでいたが、今の状況ではおそらく出店はしないだろう」としている。

 現在、2社とも県開発公社から慰留されている。いずれも「地元企業」の看板を背負って空港の発展に貢献しようと考えていた経緯から話し合いには応じているが、公社からの新たな条件提示はなく、交渉は進展していないという。

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