企業の広報担当者らが報道発表資料の作り方を学ぶ研修会に参加した。どんな情報が必要か、そして記者が「面白い」と食いつく話題をどう盛り込むか、助言を求められた。
日々の取材では官庁や企業の発表資料をよく使う。広報慣れした大企業の発表資料は必要な情報がすべて盛り込まれ、それだけで記事が書けてしまう。新人時代は資料なしの取材だと、何を質問していいのか不安になったり、固有名詞や数字を間違わないように何度も確認してメモしたものだ。
ていねいな広報はありがたい。だが、至れり尽くせりの広報資料ばかりだと、必要な情報を聞き取り、面白い話題を見いだす取材力は鈍るかもしれない。熱心に学ぶ広報担当者を前にそう思った。毎日多くの広報資料が寄せられるが、ノートとペンだけでネタを見つける取材を大切にしたい。【久野洋】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2009年11月30日 地方版